キャッシュレス決済の種類と特徴
キャッシュレス決済の種類もさまざまですが、2022 年時点の金額ベースでは「クレジットカード決済」「QRコード決済」「電子マネー」の3つが主流となっています(一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2023」より)。それぞれの特徴は以下の通りです。
クレジットカード決済は、もっとも広く利用されているキャッシュレス決済です。ユーザーは与信枠内でお買い物ができ、後日まとめて代金を支払います。
QRコード決済は、QRコードを読み取って決済する方式で、au PAYやPayPayなどが挙げられます。クレジットカード決済や電子マネー決済と異なり、QRコードの読み取りには専用端末が不要なため、導入費用を抑えられます。
電子マネーはチャージ式のプリペイド型決済サービスで、交通系電子マネー(Suica、PASMO、ICOCAなど)と流通系電子マネー(WAON、nanaco、楽天Edyなど)が代表的です。交通系や流通系など、発行主体の経済圏内にお店がある場合、ユーザーの利用頻度が高くなることが期待できます。
2019年は「キャッシュレス元年」といわれ、キャッシュレス決済の利用率が高まりました。各社のキャンペーンや、政府の「キャッシュレス・ポイント還元事業」も大きな話題となりました。現金を取り扱わずに決済する「キャッシュレス決済」には、クレジットカード/電子マネー/QRコード決済など、さまざまな種類があります。この記事では、キャッシュレス決済の基礎知識や種類、それぞれの特徴について解説していきます。
電車やコンビニなど、現金ではなくカードやスマホアプリで支払うシーンが増えています。電子マネーは、支払いタイミングによって前払いのプリペイド型、後払いのポストペイ型、即時払いのデビット型の3種類、また発行主体によってコード決済系・交通系・流通系・クレジットカード系の4種類に分類されます。電子マネーの種類とそれぞれの特徴など、電子マネーとはなにかご説明します。
キャッシュレス決済の導入形態による違い
キャッシュレス決済の導入形態は、導入する決済の種類や数、専用端末の有無などによって変わってきます。
■導入するキャッシュレス決済サービスの数
クレジットカード決済とQRコード決済ではキャッシュレス決済の種類が異なり、またクレジットカードにも複数のブランドがあるように、各社で市場シェアを分け合っています。
したがって、どの決済サービスを何種類導入するかは大きな悩みどころです。
たとえば、小規模な個人経営のお店であれば、まずは1〜2種類のサービスを導入するところから始めてみるといいでしょう。一方、大手チェーン店や百貨店などでは、さまざまな顧客層に対応するために、複数の決済サービスを導入することが求められます。
通常は、決済サービス各社と個別に契約する必要がありますが、マルチ決済代行会社を利用すると、複数の決済サービスへ同時に申し込めます。
スマートフォンでQRコードを読み取るだけで決済ができる「QRコード決済」。色々なサービスが普及する一方で、導入を検討しているお店の担当者様は、どれを導入すべきか悩まれることもあるでしょう。そんなときは、複数のQRコード決済をまとめて導入できる「マルチ決済サービス」という方法があります。一つの端末で複数の決済方法に対応し、契約も一つにまとめられて便利です。
■読み取り用の専用端末の有無
クレジットカード決済や交通系電子マネーは、ICチップを読み取る専用端末が必要です。一方、QRコード決済の場合は、一般的なスマートフォンやタブレットでバーコードを読み取れるので、専用端末が不要です。
カードを読み取る専用端末の導入には、初期費用や端末のレンタル料、通信費などの経費がかかります。また、複数のサービスを導入する場合、端末の設置スペースの確保も必要です。
マルチ決済代行会社を利用する場合は、一つの端末で複数の決済サービスの読み取りに対応していることがあります。
QRコード決済とクレジットカード導入はどちらがよい?クレカでは読取端末導入費用と決済手数料がハードルに
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/48QRコード決済とクレジットカード決済はともに広く利用されているキャッシュレス決済。クレジットカード決済の導入にあたっては、読取端末導入費用と高い決済手数料がハードルとなっていますが、導入費用・決済手数料とも無料のQRコード決済が最近伸びています。QRコード決済とクレジットカード決済の特徴とメリット・デメリットの比較、導入の準備や費用面の違いについて、詳しく説明します。
■既存システムとの連携の有無
複数の店舗を運営しているチェーン店や大規模小売店では、POSレジを使用して販売管理を行っていることが一般的です。POSレジは、商品の販売情報を記録し、在庫管理や売上分析などに活用されています。
POSレジには、各種キャッシュレス決済に対応しているものがあり、それらを活用すればデータを一括管理可能です。
ニーズ別!おすすめのキャッシュレス決済
キャッシュレス決済の導入を検討するには、業態やニーズが似たケースを参考にする方法もあります。
客単価が高いのか低いのか、立地や顧客層、コストや集客等の重視するポイントなど、自店の特徴や実施したい販促方法から、導入に最適な決済サービスが見えてきます。
■費用をできるだけ抑えたいお店
キャッシュレス決済の費用は、導入時と導入後に分けられます。クレジットカード決済や電子マネーなどのICカードを使うタイプでは、導入時に専用端末を揃える必要がありますが、QRコード決済なら専用端末が不要で、導入費用を大幅に抑えられます。
導入後は、決済手数料や入金手数料等がかかります。国が行ったアンケート調査によると、2021年時点のクレジットカード決済、電子マネーとも決済手数料は3%台前半が多くなっています(経済産業省「キャッシュレス決済実態調査アンケート集計結果」より)。
この点QRコード決済の決済手数料は、一般に他のキャッシュレス決済より低めに設定されており、「au PAY(コード支払い)」なら2.6%(2024年4月時点)です。
したがって、費用を抑えたいお店には、専用端末が不要で決済手数料も低めなQRコード決済がおすすめです。
キャッシュレス決済の利用者は年々増加し、利用できるお店も増えてきました。未導入の店舗の方も「そろそろうちでも」とお考えになられているのではないでしょうか?どのくらい導入費用がかかるのかをキャッシュレス決済の種類別に紹介します。
2人に1人が使っているといわれる「QRコード決済サービス」。ユーザーだけでなく加盟店も年々増えており、2022年には電子マネーの利用率を超えたという調査も発表されました。 これまで「決済手数料無料」キャンペーンで加盟店拡大を進めてきたQRコード決済サービス各社ですが、すでに有料化が進められています。この記事では、大手QRコード決済サービス各社の有料化後の対応を解説します。
■複数のキャッシュレス決済に対応したいお店
お客さまの利便性を向上し、各決済サービスのユーザーに対応するには、複数のキャッシュレス決済に対応することが有効です。
この場合、複数のキャッシュレス決済に同時に対応できるマルチ決済サービスを利用すると便利です。
マルチ決済サービスでは、一つひとつの決済サービス提供社と個別で契約を交わす必要がないため、導入の際の事務手続きの負担も大幅に削減できるでしょう。
【代表的なマルチ決済サービス】
・Airペイ(エアペイ)
・STORES(ストアーズ)
・Square(スクエア)
クレジットカード決済や電子マネーに対応するタイプでは、専用端末が必要になりますが、なかには「端末費用無料キャンペーン」を実施している会社もあります。
なお一般に、マルチ決済サービスの決済手数料は、個別に各社と契約する場合よりは高めになります。これはマルチ決済サービスの利益分が加算されるためです。
複数の決済に対応することでお客さまに多様な決済手段を提供できるメリットと、発生する費用などを考慮してマルチ決済サービスを導入するかを判断しましょう。
■客単価が高い・低いお店
お店で利用されるキャッシュレス決済の種類は、客単価によって異なる傾向があります。2022年12月に国が行ったアンケート調査によると、決済単価によって利用されるキャッシュレス決済手段には特徴があります(経済産業省「消費者実態調査の分析結果」より)。
現金をふくめたすべての決済方法のなかで、決済金額1万円から50万円の範囲では、クレジットカード決済をつかう人が過半数を占める一方、1,000円から3,000円の範囲ではQRコード決済が2割弱を占めキャッシュレス決済のなかでは一番つかわれるほど成長しています。
クレジットカード決済では後払いや分割払いが可能で消費者にメリットがある上、与信審査で支払い能力が一定程度保証されるため、お店側としても安心して高額な商品やサービスを提供できます。
QRコード決済は、コンビニなど各所で使えるほか、政府の「キャッシュレス・ポイント還元事業」や自治体のポイント還元キャンペーンなどを通じて、社会に定着してきました。
少額決済では、現金をふくめたすべての決済方法のなかで2割近い人がQRコード決済を選んでいることを考えれば、客単価的にターゲットとなる業態のお店では、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
■ユーザー数の多いキャッシュレス決済を導入したいお店
「せっかく導入するならキャッシュレス決済を利用してもらいたい」というお店は、ユーザー数を基準にサービス選びをするのも方法のひとつです。ユーザー数が多いサービスは認知度も高く、また複数導入した場合は、それぞれのユーザー層が潜在顧客となります。
たとえば、QRコード決済のau PAYは、KDDIが運営し、会員数は2024年3月時点で約3,438万人です。ユーザー数が多く認知度が高いQRコード決済は、導入することによって新規顧客の獲得につながることが期待されます。
■キャッシュレス決済導入を集客につなげたいお店
キャッシュレス決済の導入を通じて集客力を高めたいお店は、以下の基準でサービスを選んでみましょう。
・ポイント還元率の高いサービス
・割引やキャンペーンを実施しているサービス
・お店のメインターゲットに人気のサービス
ポイント還元率の高いサービスや、割引・キャンペーンを実施しているサービスはそれだけ、ユーザー側の利用ニーズが高まります。
消費者還元に積極的なサービスを導入することで、キャンペーン開催時の利用活性化のメリットを享受することができ、結果として集客力アップにつながります。
【2024最新】キャッシュレス決済キャンペーンまとめ!フル活用する方法も解説
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/1544クレジットカードからQRコード決済、電子マネーまでさまざまなキャッシュレス決済がありますが、各社のキャンペーンに加え、最近では国や自治体のポイント還元がキャッシュレス決済でおこなわれるキャンペーンも増えてきました。
au PAYでは割引クーポンやポイント還元など、毎月おトクなキャンペーンを開催しています。こちらでは2024年開催のキャンペーンをまとめて紹介します!
■店外でもキャッシュレス決済を利用したいお店
キッチンカー、フェス出店、お祭りなど、お店の外に飛び出して営業する機会があるお店は、店外でも利用できるキャッシュレス決済を選びましょう。
QRコード決済であればお店専用QRコードを店頭に掲示しておくだけなので、場所を選びません。
また、ポータブル端末に対応しているマルチ決済サービスもあります。固定式ではないため、クレジットカードや電子マネーも店外で利用できて便利です。
現金管理の悩みも解消!飲食フェスや催事等イベント出店にキャッシュレス決済を導入するメリット
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/1546飲食イベント、ロックフェス、物産展、雑貨やグッズの即売会など、さまざまなイベントでキャッシュレス決済に対応したお店を見かけるようになりました。 これらのお店がイベント出店にあたりキャッシュレス決済を導入した背景には、現金の盗難・紛失リスクを減らしたい、手持ちがない等の販売機会損失を避けたいなどのニーズがあったと考えられます。 この記事では、以下のようなイベント出店を計画されている事業者さまに向けて、キャッシュレス決済を使うと、イベント出店における現金決済のどういう悩みが解消されるのか、またその導入方法をご紹介します。
au PAY導入店舗 飲食店のテイクアウト強化施策事例「名店館日本橋本店」様
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/53飲食店にとって、新型コロナウイルス感染症の影響による稼働率の低下は大きな問題です。au PAYを導入いただいている東京・馬喰町のハンバーガー「MONKEY TREE(モンキーツリー)」様では、「名店館」ブランドで、既存店舗のキッチンを活用してハンバーガーやカレーなどのテイクアウトやデリバリーを提供する「バーチャルレストラン」に取り組んでいます。
キャッシュレス決済はお店の特性に合ったサービスを導入する
2023年5月に国が行ったアンケート調査によれば、お店へのキャッシュレス決済の導入率は、すでに8割を超えています(経済産業省「キャッシュレスの将来像に関する検討会とりまとめ」より)。まだ決済手段が現金のみのお店は、今回ご紹介した内容を参考にしてぜひキャッシュレス化を検討してはいかがでしょうか。
お店の特徴や営業環境は、それぞれ異なります。そのため、キャッシュレス決済の導入を考える際には、業態、売上規模、顧客層、客単価、利用シーンなどを考慮しましょう。
お店の特性を十分に理解し、適切なキャッシュレス決済サービスを導入できれば、お客さまの利便性が高まり、新たな集客経路として役立つことが期待できます。この機会にキャッシュレス決済を活用し、お店の競争力を高めてみてはいかがでしょうか。