固定資産税の払い忘れをそのままにしておくとどうなる?

固定資産税の滞納に対しては、延滞金の発生にくわえ、督促状や催告書を無視する事例では最終的に財産の差し押さえなどの処置が取られることがあります。
■延滞金が発生し、督促状が送付される
固定資産税は納付期限を過ぎると、法律に基づいて自治体から「督促状」が送付されます。
これは単なる支払いの催促ではなく、法的な滞納処分の前提となる手続きなので軽視しないようにしましょう。
また、延滞金が発生し、納付期限の翌日から1日単位で計算が始まります。延滞金の計算方法や支払い方法については後述します。
■催告書(差押予告通知書)が送付される
督促状を無視して滞納を続けると、「催告書」や「差押予告通知書」といった最終警告の書面が届きます。
「このままでは財産を差し押さえます」という内容が記載されていて、督促状よりもさらに厳しい警告がなされます。
■財産の差し押さえが実行される
催告書も無視して滞納が続くと、最終的には法的手続きによって財産の差し押さえが実行されます。
税の滞納に対する差し押さえは、裁判所の命令を必要としない行政処分であるため、速やかに実行される場合もあります。
なお、差し押さえの対象となる財産は、預貯金、給与、不動産、自動車、生命保険など多岐にわたります。
預貯金なら銀行口座の凍結、給与なら勤務先からの天引きという形で実行され、最終的には差し押さえた財産の公売により売却代金が滞納税額に充当されます。
差し押さえは本人の同意なく突然実行されるため、このような事態を避けるためにも払い忘れに気づいた時点で速やかに対応することが重要です。
固定資産税の延滞金の計算方法

固定資産税の延滞金は、以下の計算式で算出されます。
延滞金額=滞納税額×延滞金の割合(年率)×経過日数÷365日
固定資産税の延滞金は、納期限からの経過期間によって2段階制が採用されています。
延滞金割合は、納期限翌日から1ヶ月以内が年2.4%、1ヶ月経過後が年8.7%です。
たとえば、固定資産税10万円を3ヶ月滞納した場合の延滞金は以下のようになります。
- 1ヶ月目:10万円×2.4%×30日÷365日=約197円
- 2・3ヶ月目:10万円×8.7%×60日÷365日=約1,430円
合計延滞金:約1,627円
ただし、延滞金の計算方法は自治体により異なる場合があるため、正確な金額については役所の窓口で確認しましょう。
固定資産税を払い忘れてしまった場合の対処法
固定資産税を払い忘れてしまったときの対処法について順を追ってみていきます。

■納付書がある場合の支払い方法
手元に期限切れの納付書がある場合は、まずその納付書で支払えるかどうかを確認しましょう。
市区町村の役所窓口、指定金融機関、郵便局であれば、期限が過ぎていても受け付けてもらえることがあります。
一方、コンビニエンスストアでは、バーコードの期限が切れているため支払えない場合が多いので注意が必要です。
延滞金については、後日、延滞金のみの納付書が送られてくるか、もしくは役所の窓口で元々の税額と合わせて支払うことになります。
■納付書を紛失した場合の対処法
納付書そのものをなくしてしまった場合は、資産がある市区町村の税務課や納税課に連絡しましょう。本人確認の上で納付書を再発行してもらえます。
電話で問い合わせる際は、納税通知書などに記載されている整理番号を伝えると手続きがスムーズです。
■固定資産税の支払いが困難な場合の相談窓口
病気や失業、事業の不振といったやむを得ない事情で、どうしても期限内の支払いが難しい場合もあるかもしれません。
そのようなときも決して放置せず、必ず市区町村の納税担当窓口に相談しましょう。
事情によっては、分納、納税の猶予、換価の猶予(差し押さ財産の強制売却を猶予してもらえる)といった制度を利用できる可能性があります。
固定資産税の払い忘れを防ぐ効果的な対策
固定資産税の支払いは毎年あるので、払い忘れることがないように対策しましょう。ここでは、税金の払い忘れを防ぐ3つの方法をご紹介します。

■家計管理アプリやカレンダーアプリを活用する
手軽に始められるのが、スマホアプリを活用する方法です。
たとえば、カレンダーアプリに年4回の納付期限をすべて登録し、1週間前にリマインダー通知も設定しておけば払い忘れ防止につながります。
また、家計簿アプリをつかっているのであれば、固定資産税の支払いを年間予算に組み込んでおくと、意識付けにもなり効果的です。
■口座振替を利用する
口座振替を利用するのも固定資産税の払い忘れを防ぐ確実な方法のひとつです。
一度手続きを済ませてしまえば、納期限の日に指定の金融機関口座から自動で引き落としてもらえます。
毎回支払いに行く手間も省け、手数料も無料のため、忙しい方には特におすすめです。
申込用紙は納税通知書に同封されていることが多く、市区町村の役所や金融機関の窓口でも入手できます。
■QRコード決済で支払う
納付書が届いたら、後回しにせず、その場ですぐに支払ってしまう習慣をつけるのも有効な対策です。
au PAYなどのQRコード決済なら、納付書に印刷されたバーコード(eL-QR)などをアプリで読み込むだけで、支払い手続きできます。
QRコード決済ならいつでも支払い可能で手数料も無料な点もメリットです。
また、各決済サービス独自のキャンペーンでポイントが還元される可能性もあるため、現金で支払うよりもおトクになる場合があります。
固定資産税の支払いは「au PAY(請求書支払い)」がおすすめ
「au PAY(請求書支払い)」なら各種税金をその場で支払え、またポイントが当たる「たぬきの抽選会」にも参加できます。
毎月5・15・25日と8日には「たぬきの抽選会」が開催され、au PAY(コード支払い/ネット支払い/請求書支払い/auかんたん決済)税込200円以上の決済で最大3,000Pontaポイントが当たります。
固定資産税をはじめとした税金や水道・ガスといった公共料金の支払いは「au PAY(請求書支払い)」にあたり、抽選会の対象です。
なお、au PAY(請求書支払い)が使える自治体・サービスなどはau PAY公式サイトのページから確認できます。
さらに、au PAY ゴールドカード(年会費 税込11,000円)で残高オートチャージを設定しておけば、ポイントアップリワード 特典が適用されます。使い道が税金の支払いでも間接的にポイント還元を受けられます。
現金で支払うよりもおトクに納税を済ませられるので、高額になりがちな固定資産税の支払いで利用しない手はありません。
もちろん、au PAYのスマホアプリでは、支払い履歴も確認できるため、家計管理にも便利です。
まだau PAYを利用していない方は、この機会にぜひ利用を検討してみてください。
固定資産税の払い忘れに関するよくある質問(FAQ)
最後に、「固定資産税を払い忘れに気づいた…」という方が抱くよくある質問をご紹介します。
■納期限を過ぎた納付書はまだ使える?
金融機関や郵便局、市区町村の役所の窓口であれば、期限を過ぎた納付書でも払えることがあります。
ただし、コンビニエンスストアでは納期限が切れた時点で払えなくなるのが一般的です。
支払える場所がわからなければ、役所の納税担当課に問い合わせてみましょう。
■ 固定資産税の延滞金はいつから発生しますか?
固定資産税の延滞金は法律により「納期限の翌日」から発生します。
実際に納付が完了する日まで1日単位で計算されるため、できるだけ早めに支払いを完了させましょう。
■引っ越しした場合、固定資産税の支払い先は変わる?
固定資産税は、その年の1月1日(賦課期日)時点の資産の所在地(市区町村)に納める税金です。
たとえば、4月にA市からB市へ引っ越した場合でも、その年度の固定資産税は1月1日時点で資産があったA市に全額納めることになります。
固定資産税の支払い忘れに注意しよう
固定資産税の払い忘れは、支払い期限の次の日から延滞金が発生します。
放置しておくと最終的には、財産の差し押さえという深刻な事態につながりかねません。
支払い忘れをしないためにも、口座振替や「au PAY(請求書支払い)」のような便利なサービスを活用し、「忘れない仕組み」を生活の中に取り入れることが大切です。
毎年の義務である固定資産税の支払いは、確実に済ませるようにしましょう。