飲食店の「ランチ」販促アイデア

ランチタイムにお客さまが集中的に来店し、慌ただしくなってしまう。ピークが過ぎてしまうと一気にお客さまが引いてしまう。その結果、忙しさのわりにランチタイムの売上や利益率が上がらない状況になっていませんか。効率化したりピークを分散することで、売上を増やせる可能性があります。
効率化の施策として、まず仕入れ段階から見直します。ランチだけの食材を仕入れず、ディナーメニューで使う食材を転用すれば食品ロスを軽減できます。また、短いランチタイムなので、サッと選んで食べたいというお客さまが多いお店ならば、あえてメニュー数を絞るのもひとつの手段です。
正午から13時までにお客さまが集中し、その後は一気に来店数が減ってしまう場合、13時以降の来店を促すような施策として、ドリンクのサービスや割引サービスが定番です。これによりランチの回転率を高められるほか、周辺店との差別化につながります。
飲食店の「平日ディナー」販促アイデア

平日ディナータイムの販促アイデアは、業態によって変化します。大別するとアルコールがメインになるお店と食事がメインになるお店です。
アルコールがメインになるお店の販促の施策として、まずピークタイム前(たとえば16時~18時)の時間帯にお得感を出せるサービスを行い「とりあえず行ってみようか」という動機づけをします。
早い時間帯をサービスタイムとしてドリンクを通常よりも格安にして提供し、サービスタイム終了後に「もう一杯」を狙うほか、すでにいるお客さまを見て「賑わっているからここにしようか?」というお客さまの入店を促すのがこのサービスの狙いです。
そして、平日の場合は翌日も仕事という場合が多いので、翌日に残らない軽いお酒の割引サービスを行うと、「軽いからもう一杯」という心理につなげられます。お酒がメインのお店の場合、お酒を飲んでも大丈夫という動機づけをお客さまに与えられるかがポイントになります。
食事がメインのお店の場合、ディナータイムならではの魅力をホームページやSNS、グルメサイトで発信するようにします。魅力の一部としてこの時間ならではのオリジナルメニューの準備も必要になります。つねにオリジナルメニューを用意するのが難しい、自店舗でとくに弱い曜日に限定サービスを提供する方法もあります。売上が弱い曜日対策として、ソフトドリンクやデザートのサービス提供でお得感を演出すれば、ウイークポイントを克服できます。
飲食店の「雨(雪)の日」の販促アイデア

雨、雪といった客足が落ちる日の施策ですが、そのような日でも来店してくれるお客さまは、近隣住民やお店のファン、リピーターである可能性が高いので、そのようなお客さま向けのサービスを考えます。
悪天候の日には、そのような日にわざわざお越しいただいて……というようなお礼を伝えたり、来店時に濡れた上着やバッグをすぐに拭けるようなタオルを用意し、スタッフからお声がけするようにします。ほかには悪天候で気温の低い日には温かいドリンク(お茶など)をサービスで出すようにします。
客単価が高いお店であれば、急に雨や雪が降ってきた場合に備え、安いビニール傘を用意しておくのも有効です。お客さまに傘を渡す際に「こちら差しあげます」と伝え、あくまでもサービスの一環としてプレゼントとするほうが、お客さまの「返却しにまた来なければならないのか」というプレッシャーを与えずに済みます。
このように、サービスと言っても、特別なメニューを用意するわけではなく、さりげない心づかいでお客さまを迎えるほうが、常連、リピーターのお客さまの心証をよくし、さらなる来店につなげられます。
ちなみに、「雨(雪)の日は○%OFF」やワンドリンクサービスといった施策は、実施しているお店が多いため、差別化にはつながりません。また、そのようなサービスを目当てにしている人は、リピートの可能性は低いとされ、おすすめできません。
飲食店で「看板メニューを設定」する販促アイデア

一押しメニュー、看板メニュー、どの言い方にせよそれはすでにあると答えられるかもしれません。しかし、ここでの一押しメニューはあくまでも科学的データに則った一押しメニューを指します。科学的と言ってもそれほど難しいものではなく、売り上げの多いメニューの統計を取って、もっとも多いメニュー「当店人気No.1」と謳ってアピールするのです。
単に人気No.1と表現するだけではなく、期間を決めてその中で注文率○%というように数字を出せばお客さまに与える印象もグッと高まりますし、本当に人気No.1であるエビデンスとしてアピールできます。
このようなメニュー、そして数値に関してはSNSやメールマガジンでのアピールによりその効果を高められるでしょう。
SNSつながりで、「映え」を意識したメニューを一押しにするのも有効です。この場合、単に映えを重視するのではなく、お店の独自性を打ち出せるようなコンセプトや自店舗ならではの強み、そして写真映りだけではなく、SNSを意識してなるべく拡散されるような独特なネーミングを考案することが肝心です。
飲食店で「季節・イベントメニューを用意」する販促アイデア

春夏秋冬にバレンタインやハロウィン、そしてクリスマスといった「イベント」に合わせてメニューを作成……物理的なメニューでオリジナリティを出すのは大変です。しかし、ここで紹介したいのは、メニュー自体よりもこのようなメニューを用意する「目的」のほうです。
季節・イベントメニューを作る最大の理由は、常連のお客さまとのコミュニケーションツールとして、です。例えば、お客さまの帰り際に「もうすぐクリスマスなので、こういうメニューを作ります」と伝えると、そうしたらまた近いうちに来てみようかな?と考えます。
「またのご来店をお待ちしています」という挨拶よりもお客さまの心に残りますし、また来ようという来店の動機づけ、継続的に来店してもらうためのアクションになります。
季節・イベントメニューの告知は来店されたお客さまに直接伝えるのはもちろんですが、SNSなどの情報発信ツールでのアピールも同時に行いましょう。
自店舗に使える販促アイデアにするために
飲食店の販促アイデアにはさまざまありますが、すべて一から考えるのは大変ですから、既存で実施例が多いものから自店舗にあった施策を選びましょう。
既存の施策を、自店舗のオリジナルな販促アイデアにするには、いくつかの施策を組み合わせてみます。組み合わせる数が多いとピントのずれた案になりがちなので、2~3程度に留めておきます。そのほか、アイデアの一部を少し変えてみたり、というように既存のアイデアをベースに、それをアレンジして考えるのがおすすめです。
ネットで調べるのも有効な手段のひとつになりますが、近隣のお店の人や他業種の人、さらには思い切って常連さんに意見を聞いてみると、ぴたりとハマるアイデアが出るかもしれません。
まとめ
販促のアイデアと言うと、割引サービスやコストをかけた案を思い浮かべがちですが、これらはあまり得策とは言えません。コストをかけて集客してもそれ以上の効果を得られるケースは少ないからです。また、効果を得られたとしても一時しのぎになってしまう可能性が高くなります。
販促は利益の確保を持続するために行う施策のひとつです。目先の利益を追い求めるのではなく、長期スパンでの整合性も考えた対策を練ることが重要です。