飲食店の「ランチ」販促アイデア
ランチタイムにお客さまが集中すると、入店できなかったお客さまが、別のお店へ行ってしまうなどの機会損失が発生することがあります。その結果、忙しさのわりにランチタイムの売上や利益率が上がらない状況になっていませんか。
そこで、ピークを分散する施策を打ってみましょう。例えば、ピーク時間の前後30分に、お得なセットメニューや割引サービスを設定するのがおすすめです。
「11:00〜11:30」「13:30〜14:00」といった時間帯限定のサービスを打ち出すことで、混雑を緩和し、売上の平準化を図ることができます。
また、ランチであえてメニュー数を絞ることで、回転率アップが期待できることもあります。メニューが少ないと、お客様が注文を選ぶ時間が短縮されます。また、厨房においても、調理工程がシンプルになることで提供時間の短縮につながります。
さらに、ランチタイムにテイクアウトメニューを充実させるのも一案です。店内が混雑している時間帯でも、テイクアウトであれば回転率を気にせず販売できます。
これらの施策は、すでに多くの飲食店で取り入れられていますが、もしまだ試していない方法があれば、ぜひ実践してみてください。
飲食店の「平日ディナー」販促アイデア
平日ディナータイム関係の販促アイデアとしては、ハッピーアワーが有名です。
ランチ営業から夕方にかけてのお客さまの少ない時間帯に限って特典を用意することで、売上の平準化を図れます。
■ハッピーアワーの例
・平日17~19時はドリンク全品20%オフ
・平日開店から20時までドリンクとフードのセットを500円で提供
・平日14~16時までコーヒーとケーキのセットを半額で提供 など
また、平日ディナーの集客力を高める施策として有効なのが、平日限定メニューの提供です。
週末の繁忙時には提供が難しい、仕込みや調理に時間がかかる料理を平日限定メニューとすることで、平日ディナーの魅力を高められます。
■平日限定メニューの例
・煮込み料理や低温調理を活用した、柔らかく仕上げたお肉料理
・時間と手間をかけた特製デザートのフルコース
・シェフが腕によりをかけた、その日の食材を活かしたスペシャルメニュー
さらに、例えば毎週水曜限定メニューのように、特定曜日だけのメニューを用意すると、「水曜はあのお店に行こう」という動機づけにつながります。
飲食店の「雨(雪)の日」の販促アイデア
雨、雪といった客足が落ちる日の施策ですが、そのような日でも来店してくれるお客さまは、近隣住民やお店のファン、リピーターである可能性が高いので、そのようなお客さま向けのサービスを考えます。
悪天候の日には、そのような日にわざわざお越しいただいて……というようなお礼を伝えたり、来店時に濡れた上着やバッグをすぐに拭けるようなタオルを用意し、スタッフからお声がけするようにします。気温の低い日には温かいドリンク(お茶など)をサービスで出すのもおすすめです。
客単価が高いお店であれば、急に雨や雪が降ってきた場合に備え、ビニール傘を用意しておくのも有効です。お客さまに傘を渡す際に「こちら差しあげます」と伝え、あくまでもサービスの一環としてプレゼントとするほうが、「返却しにまた来なければならないのか」というプレッシャーを与えずに済みます。
飲食店の「おひとりさま向け」販促アイデア
国立社会保障・人口問題研究所の2023年4月に出された「人口統計資料集 2023年改訂版」によれば、2020年の生涯未婚率は男性で28.3%、女性で17.8%です。
独身者の割合は年々上がっており、そのような背景からビジネス分野ではおひとりさま市場が注目を集めています。飲食業界も例外ではなく、おひとりさま客を取り込むことで新たな顧客層の獲得と売上アップが期待できます。
おひとりさま向けの販促として、おひとりさま限定メニューを提供してみてはいかがでしょうか。ボリュームや価格を調整したおひとりさま向けのメニューを用意し、通常メニューの半量サイズ(ハーフポーション)や、小鉢料理の組み合わせなどを提供することで、おひとりさまでも気軽に注文できるようになります。
メニュー名も一人客向けであることがわかるものにして、商品やサービスの特徴がしっかりと伝わるよう意識してみてください。
そして、おひとりさま向けの情報発信も忘れてはいけません。「おひとりさま歓迎」のメッセージをSNSなどで積極的に発信し、ひとりでも入りやすい雰囲気づくりに努めましょう。
飲食店の「団体客・グループ客向け」販促アイデア
団体客やグループ客は、一度に多くの人数が来店するため、売上アップに大きく貢献します。宴会コースや団体予約の特典など提供しているお店は多いですが、「貸切利用のアピール」を行っているお店は少ないのではないでしょうか。
貸切りは、お店の規模が小さいほど少人数でも採算が合いやすいため、小規模店舗には特におすすめです。「ちょっとした職場の飲み会」「こぢんまりとした同窓会」「地域の学校のママ会・パパ会」など、小~中規模の飲み会や食事会ニーズの獲得に注力してみましょう。
また、幹事の要望に合わせて臨機応変にサービス提供ができるのも小規模店舗の強みです。
「貸切りできることがお客さまに伝わっていない」というお店は、ぜひ貸切需要の獲得を狙ってみてはいかがでしょうか。
飲食店の「ビジネス利用促進(接待・打ち合わせ)」販促アイデア
かつて接待や会食といえば夜に行われるのが一般的でしたが、その傾向も近年は多様化しています。「ランチ接待」「ランチミーティング」など、接待や打ち合わせがランチで行われるケースも増えています。
ディナーに加えて、そういったビジネス需要を新たに獲得していけば売上アップにつながります。
ビジネス利用促進のためには、店内環境の整備が欠かせません。以下のような環境を用意することで、お店を会議室としても利用してもらえます。
・プライベートが確保された空間(個室や半個室)
・Wi-Fi
・充電設備
・プロジェクター など
とくにビジネス利用の場合、周りのお客さんに会話が聞かれたりしないような環境を提供することが大切です。
また、メニューは接待向けの高級コースから、気軽な打ち合わせ向けのリーズナブルなコースまで、幅広い価格帯をカバーできるといいでしょう。
さらに、ビジネス利用の予約獲得に向けて、法人向けの営業活動を行うのも有効です。
近隣の会社に直接出向き、総務や営業などの部門にお店の案内やクーポンの配布などをすればお店の認知度アップにつながります。
飲食店の「女子会向け」販促アイデア
女子会の販促アイデアとして代表的な施策は、「女子会コースメニューの提供」です。
会社員の飲み会と女子会では当然、お客さまの求めるものは異なります。そのため、もしすでに宴会や団体向けのコース料理がある場合でも、女子会向けに作り替える必要があります。
ヘルシーで見た目も美しい料理や、シェアしやすい小鉢料理などを組み合わせたコースを提供し、女子会の需要に応えましょう。また、ノンアルコールカクテルや低アルコールドリンクなど、飲み物メニューを充実させるのもおすすめです。
次に、女子会に好まれる空間づくりも重要です。ソファー席や個室などを設け、ゆったりとくつろぎながら会話を楽しめる環境を整えましょう。テーブルの装飾やBGMにも気を配り、女子会の雰囲気を盛り上げることが大切です。
また、子どもを連れて参加してもらえるよう、絵本を用意したりキッズメニューを開発したりとキッズ向けサービスを提供するのもいいでしょう。
飲食店のメニューや店内演出に関する販促アイデア
飲食店の集客力を高めるために、メニューの工夫や店内演出におけるインパクト重視の販促アイデアを3つピックアップしてお届けします。
■飲食店で「看板メニューを設定」する販促アイデア
「看板メニューといってもどんな料理がいいかわからない」という方は、まずは一番出数の多いメニューを「当店人気No.1」と謳ってアピールしてみてはいかがでしょうか。
さらに、単に人気No.1と表現するだけではなく、「◯月の注文率○%」というように具体的な数字で見せればお客さまに与える印象もグッと高まります。
SNS向けの「映え」を意識したメニューを一押しにするのも有効です。この場合、単に写真映えを重視するのではなく、お店の独自性を打ち出せるようなコンセプトや自店舗ならではの強み、そして写真映りだけではなく、SNSを意識してなるべく拡散されるような独特なネーミングを考案することが肝心です。
■飲食店で「季節・イベントメニューを用意」する販促アイデア
季節やイベントに合わせたメニューを作成することは、飲食店にとって重要な販促アイデアです。春夏秋冬の季節メニューや、バレンタイン、ハロウィン、クリスマスなどのイベントメニューを用意することで、お客さまに新鮮な印象を与えることができます。
しかし、単にメニューを変更するだけでは、オリジナリティを出すのは難しいかもしれません。ここで注目したいのは、季節・イベントメニューを「コミュニケーションツール」として活用する手法です。
例えば、お客さまが帰る際に、「もうすぐクリスマスですね。今年は特別なメニューを用意していますので、ぜひまたお越しください」と伝えることで、お客さまは「近いうちにまた来よう」と考えるでしょう。
季節・イベントメニューを効果的に活用することで、お客さまとのコミュニケーションを深め、リピーター育成につながります。お店のコンセプトに合わせたメニューを工夫し、お客さまに喜んでいただける販促策を実施していきましょう。
■飲食店で「おしゃれな空間演出」につながる販促アイデア
飲食店の空間演出では、「統一感をもたせる」ことが大切です。おしゃれな空間演出を行うために、まずはお店のコンセプトとテーマカラーを設定することをおすすめします。
例えば、ナチュラルな雰囲気を目指すならグリーンや木目調の色を取り入れ、モダンな印象を与えたいならモノトーンでまとめるなど、テーマカラーを意識した空間づくりが効果的です。
まとめ
本記事では、飲食店の集客力アップと売上向上につながる販促アイデアを、利用シーン別に幅広くご紹介しました。
ランチタイムの回転率向上から、女子会需要の取り込み、ビジネス利用の促進まで、さまざまな角度の施策を提案しています。
このほかの施策として、メニュー開発では、看板メニューの設定や季節限定メニューの活用など、お客様の印象に残る工夫を凝らすことが重要です。
また、店内の空間演出においては、統一感のあるデザインでお店の雰囲気を醸成することが求められます。
記事中で紹介したアイデアを参考に、自店にあった施策を考えてみましょう。