ハード面の備え:設備・什器のリスク対策

台風の影響を最小限に抑えるには、平常時の備えがカギになります。まずは店舗まわりの設備や什器など、ハード面の対策から見直していきましょう。
■看板や什器は風対策をして安全に
店舗まわりの設備や什器は、特に風による被害を受けやすい対象です。強風で飛ばされやすいのぼり旗やスタンド看板は台風接近前に店内に避難させ、屋外のゴミ容器も中身の有無にかかわらずロープなどで固定しましょう。ゴミ容器などはフタにロックのかかるタイプを使っておくと安心です。
また、鉢植えなどの装飾品も、風で倒れたり飛ばされたりすることのないよう、転倒防止器具などでしっかり固定しておくことをおすすめします。

■水害・停電への備えで店内被害を最小限に
台風による浸水や停電に備えて、店内設備の安全を守るための対策も大切です。
まずは出入口や建物のすきまに防水シートや土のうを設置して、雨水の浸水を防げるよう準備しておくとよいでしょう。あわせて、側溝やグレーチングを掃除しておくと、排水性が高まり、浸水リスクの軽減につながります。
レジや冷蔵庫は、電源の位置を見直すとともに、コンセントまわりの漏電防止策も事前に確認しておくと安心でしょう。
ソフト面の備え:営業判断・スタッフ対応フロー・リスク管理
台風接近時の混乱を防ぐには、営業判断やスタッフ連携の体制づくりが重要です。あわせて、データのバックアップや保険の確認など、ソフト面でのリスク管理も見直しておきましょう。
■営業判断の基準を明確にする
営業をするかどうかの判断は、あらかじめ具体的な基準を設けておくとよいでしょう。時間や気象情報などを目安に、どのタイミングで判断するかを事前に決めておくと、スムーズな対応ができます。
例:
・朝8時の時点で「特別警報」や「避難指示」が発令されたら、その日は休業
・最寄り駅の電車が「前日のうちに計画運休」と発表された場合は、前日夜の時点で休業を決定
また、短縮営業や臨時休業が必要な場合は、公式サイトやSNSなどで事前に告知し、お客さまに迷惑をおかけしないよう早めの対応を心がけましょう。
■スタッフ間の連携・情報共有体制をつくる

スタッフ間の連絡手段は普段から災害時にも使えるツール(LINE、Slackなど)に統一しておくと、いざという時に混乱を防げます。加えて、「誰が・何を・いつやるか」を定めたチェックリストなどを事前に共有しておくと安心です。
例:
・「Aさんが開店1時間前に店舗周辺の状況(倒木・浸水など)を確認」
・「Bさんが社用LINEでスタッフに営業判断を一斉連絡」
・「Cさんが店舗SNSに当日の営業有無を投稿」
また、オーナーや店長が不在でも判断・対応できる体制を整えておくこともポイント。あらかじめ指示を出せるスタッフを決めておけば、万が一のときも混乱を防げるでしょう。
■システムやデータのバックアップ

万が一の浸水や停電に備えて、日頃から重要な業務データはあらかじめバックアップを取っておく必要があります。特に、在庫管理・顧客情報・従業員情報などのデータは、定期的に保存する仕組みを整えることが大切です。
バックアップ先としては、パソコンや外付けHDDだけでなく、Google ドライブやDropboxなどのクラウドサービスなどを併用するのもおすすめです。店舗内の機器に障害があっても、外部からデータへアクセスできるため、復旧もスムーズです。
■万一の損害に備える保険加入
建物の破損や設備の損壊に備えて、現在加入している火災保険の内容を見直しておくことも欠かせません。特に、風災や水災などが補償対象になっているか、看板・シャッター・外壁などの修理費用がカバーされるかを事前に確認しておくと安心です。
また、冷蔵庫や製造機器などの店舗設備の故障に備えて、必要に応じて機械保険などの追加加入も検討しましょう。
被害を受けたあとに「保険でカバーされなかった……」とならないよう、契約内容は定期的に見直しておくことが重要です。
営業再開をスムーズに!クーポン配信で巻き返しを

天候が回復したあとの集客対策も、台風への備えのひとつ。営業再開のタイミングを逃さずに来店を促す、効果的な施策を用意しておきましょう。
たとえば、au PAY グロースパック クーポン(有料)なら、スマホやタブレットから簡単にクーポンを作成・配信できます。位置情報に基づいて近隣ユーザーに絞って届けられるため、営業再開直後の集客にも柔軟に対応可能です。たとえば、以下のようなクーポン条件は、営業再開のタイミングに効果的でしょう。
・「夕刻から使える本日限定10%OFF」
→ 営業再開後すぐの来店を後押し
・「税込2,000円以上の購入で500円OFF」
→ 台風後のまとめ買い需要に対応
シーンに応じた条件設定が、集客チャンスを逃さないポイントです。
備えるだけで終わらない、営業再開まで見据えた対策を
台風の被害を最小限に抑えるには、設備の点検や営業判断の明確化など、ハードとソフトの両面からの備えが欠かせません。さらに、営業再開の際にはクーポン配信などを活用し、タイミングを逃さず集客につなげることも重要です。慌てず対応できる体制を整えておくことで、お客さまからの信頼と売上の両方を守ることができるでしょう。