動線の重要性を理解する

お客さまの動きを左右する動線設計は、売上に大きく関わる重要な要素。まずは、動線の役割と重要性を整理します。
■そもそも店舗の動線とは?
店舗の動線とは、お客さまがお店に入ってから出るまでにたどる移動ルートのことを指します。単なる通路の確保ではなく、「どのように商品を見せ、どこで足を止めてもらうか」といった視点で空間を構成する“見えない設計”が動線の本質です。
動線は、お客さまの心理や行動を左右する重要な要素であり、購買体験そのものをデザインする土台ともいえるでしょう。
■動線が購買行動に与える影響
お客さまの目に留まりやすい商品、歩きやすさ、通り抜けやすさなどは、購買意欲を左右する要因です。動線の設計がよく考えられている店舗では、常にお客さまの目線を引くように商品が陳列されているため回遊性が高まり、予定していなかった商品を手に取る「非計画購買」も増加する傾向があります。
また、快適に買い物ができることで満足度が上がり、結果として売上向上やリピーター獲得にもつながるのです。
今すぐできる!店舗の動線の改善アイデア
動線の大切さを理解したところで、次は実際の改善に取り組んでみましょう。ここでは、小さな工夫からレイアウトの見直しまで、取り入れやすい動線改善のアイデアを紹介します。
■お店の奥まで導く動線をつくる
物販店においては、回遊性のある動線が売上向上のカギになります。まずは、店舗規模に応じて無理のない範囲で移動しやすいスペースを確保し、入口から奥へと自然に誘導できるレイアウトを意識しましょう。
たとえば、あえて奥のエリアに人気商品を配置することで、来店客は店内を巡りながら、さまざまな商品に目を向けるようになるはずです。また、店内中央の陳列台を一部撤去するのも手。奥の売り場まで視線が通ることで、目的の商品の場所を把握しやすくなるだけでなく、より多くの商品が自然と目に入りやすくなります。
■視線を誘導し、立ち止まってもらう

お客さまに店内で立ち止まってもらうためには、「目に入りやすい場所」に注目を集める工夫が必要です。たとえば、入口付近や通路の曲がり角に季節の商品やPOPを設置すると、自然と視線が集まりやすくなります。
また、目線の高さに商品を配置し、“おすすめ”などのラベルを添えると、通路途中でも目に留まりやすく、立ち止まってもらえる可能性も高まります。他には、「父の日ギフト」や「夏の必需品」などテーマをもたせた小さな特設コーナーも、視線を引くきっかけになるでしょう。
■レジ前での“ついで買い”を狙う
レジ前は、お客さまが会計の準備をしたり、順番を待ったりと、手持ち無沙汰になりやすい場所。だからこそ、ちょっとした買い足しを促すには絶好のポイントといえます。
このスペースには、価格が手頃で目を引く商品を並べるのが効果的です。たとえば、パッケージの色が鮮やかな菓子類や雑貨類、POPで「季節限定」などと明記した商品など、思わず手に取りたくなるアイテムが向いています。特に、レジ待ちの列の導線上に配置すれば、自然と“ついで買い”を促しやすくなります。
■レジ周りの流れを整え、会計をスムーズに
レジ周辺の動線がスムーズかどうかは、店舗全体の印象や満足度にも直結します。並ぶ位置がわかりづらかったり、通路が狭かったりすると、混雑やストレスの原因に。POPやフロアサインで並び方や順路を明確に示すことで、こうした混乱を防ぐことができます。
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■“人の強み”で動線の弱点をカバーする

動線を工夫しても、スペースや構造の制約から、どうしても動きづらさが残ることも。そんな場面で頼りになるのが、スタッフによるさりげない声かけやご案内です。たとえば、「よろしければ奥に〇〇もご用意しています」などと案内することで、自然と奥に足を運んでもらえる可能性が高まるでしょう。
また、試食や試着の一声、“顔が見える接客”など、レイアウトでは補えない部分をスタッフの対応でカバーすることができるのです。
店舗の動線設計における注意点

動線を最適化すると、売上アップの向上などが期待できますが、その一方で見落とされがちな落とし穴も。ここでは、店舗の動線を設計・改善するうえで注意しておきたいポイントを解説します。
■スタッフ動線との分離
お客さまの動線ばかりに注目すると、スタッフの作業で通路をふさいでしまうことがあります。そうならないためにも、品出しや清掃の時間帯を営業前後に設定するなど、スタッフの作業が接客の妨げにならないようにする工夫が必要です。
さらに、バックヤードやレジ裏から商品補充ができる補助通路を確保しておけば、スタッフが店内を横切るような状況を避けられ、お客さまにとってもストレスの少ない環境をつくれるでしょう。
■安全性とバリアフリーの考慮
誰もが安心して利用できる店内環境を整えることは、動線設計において欠かせない視点。たとえば、段差にはスロープを設置し、ベビーカーや車いすでも通行しやすい通路幅を確保すれば、高齢者や子ども連れのお客さまも快適に店内を移動できます。また、通路に商品や什器がはみ出さないようにするだけでも、安全性は大きく高まります。
視覚的なデザインや雰囲気だけでなく、安全面への配慮も、現代の店舗づくりにおいては重要な要素です。
■レイアウト変更への柔軟性
季節商品やキャンペーンにあわせて売り場を変える場面は多くありますが、レイアウトに柔軟性がないと、動線が乱れたり、陳列の変更に手間取ったりする原因になります。
そうした場面に備えて、可動式の什器などを活用し、変更に対応しやすい売り場づくりを意識することが大切です。一方で、メインの通路や回遊ルートはなるべく固定しておくことで、部分的な変更でも全体の動線を乱さずに運営できます。
動線設計+αの工夫で、購買体験をさらに豊かに

店舗の動線を整え“買いやすいお店”ができあがったら、次に意識したいのは“買った後”の体験です。お客さまが気持ちよく買い物を終え、「また来たい」と感じるような仕掛けをさりげなく取り入れることで、購買体験はさらに豊かになります。
たとえば、会計時に次回使える電子クーポンを案内するのは、効果的な方法です。『au PAY グロースパッククーポン』なら、利用期間や曜日、金額条件、リピーター限定など、細かな設定が可能で、店舗の目的に合わせて柔軟に活用できます。月額利用料は550円(税込)、クーポンが利用されるごとにかかる費用は1回22円(税込)と、コスト面でも導入しやすいのが特長。「次回500円オフ」や「特定曜日限定の割引」などの特典を取り入れることで、次回の来店につなげることができるでしょう。
見えない“動き”が売上を変える
売上や顧客体験を高めるには、商品や価格だけでなく、「お客さまがどう動いて、どこで立ち止まるか」という視点が欠かせません。限られたスペースでも、回遊しやすいレイアウトや視線誘導、レジ周りの設計、スタッフのひと工夫で、お客さまの動き方は大きく変わります。まずは身近な部分から動線を見直してみましょう。