飲食店で「キャッシュレスで支払いたい」顧客は52.9%
飲食店がキャッシュレス決済の導入を考える際、最初に気になるのが「どれくらいニーズがあるのか」という点です。導入したところで利用客がいなければ、せっかくの時間と労力が無駄になってしまいます。
飲食店でのキャッシュレス決済のニーズについては、さまざまなアンケートや調査が行われています。例えば、ホットペッパーグルメ外食総研が2019年に行った調査では、飲食店で「キャッシュレス決済で支払いたい」と回答した人の割合は52.9%という結果が出ています。「現金以外では支払いをしない」という方は19.0%なので、キャッシュレス派の方が多くなっています。さらに「今後キャッシュレス決済を利用したい」と回答した人は78.8%。将来的にはキャッシュレス派がさらに2割増えることが予想されます。
キャッシュレス決済は利便性が高く、すでに多くの人に利用されています。行政側の後押しもキャッシュレス化の流れを促進しています。2019年10月から2020年6月にはキャッシュレス・ポイント還元事業が実施され、2022年にはマイナポイント第2弾も始まります。
飲食店でもキャッシュレス決済を取り扱っていないと、「このお店では現金しか使えないから他に行こう」と機会損失になってしまうかもしれません。
au PAYも対象!マイナポイント第二弾は消費者にも加盟店にもメリット
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/238マイナンバーカードやキャッシュレス決済の普及を目的に実施されるマイナポイント事業。2022年1月から、マイナポイント第二弾が始まっています。au PAYも対象なので、お客さまにおトクにお買いものをしていただくチャンスです。
多くの飲食店が既にキャッシュレス決済を導入している
経済産業省が実施した統計によると、調査対象の飲食店の約85.4%がすでにキャッシュレス決済を導入しています。飲食店のキャッシュレス決済の導入内容は下記の通りです。
【飲食店のキャッシュレス決済導入状況】
クレジットカード:58.3%
電子マネー:33.2%
QRコード決済:68.4%
注目すべきは、飲食店ではクレジットカードよりQRコード決済の方が導入率が高いことです。その理由として、QRコード決済の導入ハードルの低さが関係していると考えられます。これらを踏まえて、次項ではキャッシュレス決済の種類別の特徴を解説します。
飲食店で導入したいキャッシュレス3種類
飲食店で導入したいキャッシュレス3種類
■クレジットカード
「クレジットカード」は、日本で最も利用者の多いキャッシュレス決済です。VISAやMastercardなど国際ブランドがついたものが主流で、利用したら後日指定口座から引き落とされる仕組みです。また、同じクレジットカードでも、女性向けの保険が充実しているもの、投資信託の積立買付ができるものなど、機能の差別化が進んでいます。
飲食店でクレジットカードを導入するには、カードを読み取る専用の端末が必要です。端末は高いものだと数万円するケースもあり、小規模なカフェやレストランだと導入のハードルが高いかもしれません。一方で、最も普及しているキャッシュレス決済であるため、顧客側の需要は高く、お店の利便性向上にはつながりやすいといえます。
■電子マネー
「電子マネー」は、交通系の「Suica」や「PASMO」、流通系の「WAON」などに代表されるキャッシュレス決済です。
ユーザーの支払い方法には、事前にチャージして使う「前払い」とクレジットカードのように後で一括引き落としされる「後払い」、銀行口座に紐づける「即時払い」などがあります。前払いの電子マネーは審査が不要で誰でも使えるので、若年層にも人気のキャッシュレス決済です。
電子マネーを飲食店で導入するにはクレジットカード同様、専用の読み取り端末が必要になります。
■QRコード決済
「QRコード決済」は、QRコード(二次元バーコード)の技術を活用した決済方法で、スマートフォンひとつでお買い物ができるため「スマホ決済」とも呼ばれています。クレジットカードや電子マネーのように物理的なカードも必要ありません。10代からシニア世代まで幅広い年代に利用されています。
飲食店でQRコード決済を導入する場合、大きく2種類の方法があります。お店側が顧客のスマホに提示されたQRコードを読み取る方法と、お店側がQRコードを掲示し顧客がスマホで読み取る方法です。
後者ならお店専用のQRコードを印刷して、レジ周りに掲示しておくだけで導入できます。導入費用がかからない点がQRコード決済の大きな特徴です。お店側でQRコードを読み取る場合でも、高価な読取端末の導入は不要で、一般的なスマホやタブレットがあればOKです。
飲食店でQRコード決済を導入する割合が高い理由は、クレジットカード決済のように読取端末が不要で、無料で導入できるためと考えられます。
飲食店でキャッシュレス決済を導入するメリット
続いて、飲食店でキャッシュレス決済を導入するメリットをみていきましょう。
■スムーズな会計ができる!テーブル会計との相性も◎
キャッシュレス決済は、お札や小銭を数える手間がないためスピーディに会計を済ませられます。また、最近ではテーブル会計を行うお店も多くなってきています。
テーブル会計の場合、現金だと「会計金額をお客さまに提示」→「現金を受け取り、レジへ行く」→「お釣りとレシートをもって再びテーブルに戻る」という動きが必要です。一方、QRコード決済なら「お店のQRコードを提示する」もしくは「お客さまが提示したQRコードをお店のスマホで読み込む」だけで会計終了です。
キャッシュレス決済を導入すれば、現金のやり取りが減り、お金やお釣りの確認の手間も省けます。人的なミスが発生する余地が限りなく少なくなるのも大きなメリットです。
■複数の支払い方法に対応することで顧客の満足度が上がる
クレジットカード会社やQRコード決済サービス各社は、それぞれ独自のポイント還元キャンペーンを行っています。現金決済より確実におトクですが、お店側が対応するキャッシュレス決済を導入している必要があります。そのため、複数の支払い方法を用意しておくことは、顧客満足度の向上につながります。
■キャッシュレス決済は飲食店の客単価アップにつながる
新型コロナウイルス感染症の影響で外食や会食を控える人が増える中、特に飲食店では顧客一人ひとりの客単価を上げることの重要性が増しています。
キャッシュレス決済の導入は客単価アップにもつながる取り組みです。キャッシュレス決済なら、手持ちを気にせず料理やドリンクを注文できます。
電通・NCB Lab.の調査によると、キャッシュレス導入後に売り上げが伸びたと回答した事業所は半数以上を超えています。その中でも「明確に伸びた」と感じる事業者は14%にも上ります。キャッシュレス決済では決済手数料がかかることもありますが、うまくその特性を活かせば売り上げアップで相殺することもできるでしょう。
キャッシュレス決済は、カードやスマホひとつで支払いができ、ユーザーはポイント還元も受けられます。そして、お店側にもさまざまなメリットをもたらします。「客単価アップ」もそのひとつ。一般論の後、キャッシュレス決済を活用して、客単価を上げる方法をご紹介します。
■新型コロナウイルス感染症の対策になる
2019年初頭から流行している新型コロナウイルス感染症は、変異株の流行などによって終息のめどは見ていません。飲食店は、三密を避けるためほかの業種より対策が求められる業態です。
そして、キャッシュレス決済もお店の衛生改善ができる工夫のひとつです。特にキャッシュレス決済の中でも、QRコード決済やタッチで決済可能な電子マネーなら、従業員とお客さまが接触することは一切ありません。
お客さまにうつさないのはもちろんのこと、従業員から感染者を出さないためにも、キャッシュレス決済が役立ちます。
新型コロナウイルスが飲食店に与える影響とキャッシュレス決済が衛生対策になる理由
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/1現在も続く新型コロナウイルス感染症対策で、一時は全国に緊急事態宣言が発令されるなど、飲食業界や観光業界は特に大きなダメージを受けました。各店では、こまめな消毒や衝立の設置、営業時間や滞在時間の短縮など、安全・安心な営業継続のため努力を続けています。au PAYなどのキャッシュレス決済は、不衛生な現金を取り扱わないため、店員・お客さま双方の新型コロナウイルス感染症の予防に役立つ対策の一つです。本記事ではキャッシュレス決済のひとつであるQRコード決済を中心にコロナウイルス感染症対策としてご紹介していきます。
飲食店でキャッシュレス決済を導入する前に知っておきたいデメリット
メリットを理解したところで、今度はキャッシュレス決済のデメリットを紹介していきます。導入する前に知っておくと、自分のお店に合ったキャッシュレス決済が見つかるので、ぜひチェックしておきましょう。
■資金繰りを考える必要がある
キャッシュレス決済は現金と違い、実際に手元にお金が入ってくるタイミングが遅くなります。入金サイクルは決済サービスによっても異なりますが、月に1回しか売り上げが入金されないキャッシュレス決済も少なくありません。そうなると売り上げをすぐに現金化できず、キャッシュフローを圧迫してしまう可能性があることを知っておきましょう。
資金繰りに懸念があるお店は、振り込みスケジュールが柔軟なサービスを選ぶのがおすすめです。例えばQRコード決済「au PAY」の場合、入金サイクルを月1回、2回、早期振込サービスの中から選択できます。早期振込サービスを利用すれば、現金が必要になったときにすぐに入金されるので安心です。
au PAYの手数料と入金サイクルは?今なら導入費用・決済手数料・入金手数料引き続き無料
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/2au PAYなどのQRコード決済を導入すると、新しい顧客層を取り込めたり、現金の管理が不要で感染症対策になるなど、多くのメリットがあります。導入費用や決済手数料に懸念のある方や、複数のキャッシュレス決済サービスと比較したい方向けに、au PAYを導入した際の導入費用・決済手数料や入金サイクルについて解説します。
■決済手数料・入金手数料がかかることがある
2つ目のデメリットは、キャッシュレス決済を利用する際には決済手数料・入金手数料がかかるという点です。こちらも決済サービスによって料率は異なりますが、平均すると3%ほどの決済手数料がかかります。この決済手数料はキャッシュレス決済を利用し続ける限りかかる費用なので、小さなお店にとっては負担になってしまいます。
ただ、キャッシュレス決済サービスの中には、決済手数料・入金手数料を「キャンペーン期間中、無料」としているところもあります。手数料がネックなのであれば、一度そういったキャッシュレス決済を試験導入してみて様子をみるのもいいでしょう。
なお、au PAYは、2022年9月30日まで決済手数料を無料にするキャンペーンを実施しています。また、入金手数料も金融機関を問わず無料です。通常、早期振込サービスには手数料がかかりますが、こちらも現在のコロナ禍を考慮して無料となっています。決済手数料・入金手数料が無料のサービスを選ぶことで、店舗側の負担を最小限に抑えられます。
QRコード決済とクレジットカード導入はどちらがよい?クレカでは読取端末導入費用と決済手数料がハードルに
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/48QRコード決済とクレジットカード決済はともに広く利用されているキャッシュレス決済。クレジットカード決済の導入にあたっては、読取端末導入費用と高い決済手数料がハードルとなっていますが、導入費用・決済手数料とも無料のQRコード決済が最近伸びています。QRコード決済とクレジットカード決済の特徴とメリット・デメリットの比較、導入の準備や費用面の違いについて、詳しく説明します。
現金の取り扱いが有料化する流れも
キャッシュレス決済の決済手数料を理由に導入してこなかったお店は少なくないでしょう。ただ、今後は現金でも各種手数料が発生するかもしれません。
例えば、2022年1月17日から、ゆうちょ銀行の窓口やATMでは一部の現金入出金に手数料がかかるようになりました。各銀行もサービスの有料化を続々と進めており、通帳の有料化も積極的に進められています。
近い将来、お客さんから受け取った現金の口座振り込み、釣り銭準備のための硬貨出金にも手数料がかかるようになるかもしれません。そうなれば、「現金だから無料」という定説も崩れていくでしょう。そういった社会動向も考慮しながら、お店のキャッシュレス化の可否を判断しましょう。
すでに話題になっているように、2022年1月17日からゆうちょ銀行で現金取り扱いが有料化されました。硬貨を窓口やATMで預け入れる際に、枚数に応じて手数料がかかるようになります。金融機関の支店が削減されていることなど、現金決済をめぐるコストについて改めて考えてみましょう。