キャッシュレス決済の導入効果、どう測る?
■キャッシュレス決済導入前のハードル
日本でもっとも普及しているキャッシュレス決済はクレジットカードですが、主に費用面がハードルとなって、中小店舗や薄利多売の業態では導入が進んできませんでした。費用面とは、数万から必要な読取装置の導入費用と決済の都度かかる決済手数料のことです。
au PAYをはじめとするQRコード決済が急速に普及した理由は、消費者にはポイント還元で現金よりおトクにお買い物ができるメリットを提示するとともに、店舗は導入費用・決済手数料が無料のキャンペーンを打ち出し、クレジットカードのデメリットを解消したからです。
QRコード決済とクレジットカード導入はどちらがよい?クレカでは読取端末導入費用と決済手数料がハードルに
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/48QRコード決済とクレジットカード決済はともに広く利用されているキャッシュレス決済。クレジットカード決済の導入にあたっては、読取端末導入費用と高い決済手数料がハードルとなっていますが、導入費用・決済手数料とも無料のQRコード決済が最近伸びています。QRコード決済とクレジットカード決済の特徴とメリット・デメリットの比較、導入の準備や費用面の違いについて、詳しく説明します。
QRコード決済の利用率は2021年に54%!大台を超え主要な決済方法として普及
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/66新しい決済方法として急速に普及するQRコード決済。2021年4月の調査では利用率54%と過去最高を記録し、主要なキャッシュレス決済として定着しています。その他のキャッシュレス決済と比べても伸びが大きく、今後クレジットカードに次ぐ決済方法になると予想されます。
■経済産業省が出しているキャッシュレス決済のメリットを自社にも当てはめてみる
経済産業省では、キャッシュレス化による店舗側メリットを「見える化」する調査を検討しています。その資料によれば、キャッシュレス決済の導入によるメリットは以下のとおりです。
キャッシュレス決済を導入済の店舗であれば、これらの項目を社内のデータに当てはめてみることで、効果測定できます。
キャッシュレス決済のメリット一覧
経済産業省のキャッシュレス推進室が担当しているキャッシュレス決済の店舗調査に関する資料によれば、キャッシュレス決済のメリットは以下のとおりです。
■売上の拡大
1.客単価増
2.新規顧客拡⼤
3.来店回数向上
4.ポイント等による新たな販売促進
■費⽤の削減
5.業務効率化
5.1 店内・店外における現⾦移動
5.2 ⽇次売上集計
5.3 ⽇次実績レポートの作成・連携
5.4 ⾦融機関での売上⾦振込
5.5 実績確認(⽉次・年次)
6. 未回収リスクの低減
7. 現⾦取扱リスクの低減
8. ⽀払の迅速化
9. 衛⽣⾯の向上
キャッシュレス決済の効果として計測しやすい効果
キャッシュレス決済の効果として挙げられているもののうち、定量的に効果を計測しやすい項目について、解説していきます。
■キャッシュレス決済で期待できる「客単価増」
キャッシュレス決済の導入で期待できる「客単価増」は、特にクレジットカードのメリットとしてよく知られています。現金で持ち歩かないような高額商品の決済や、後払い・分割払いによってお買い物のハードルが下がるためです。
一方、その他のQRコード決済や電子マネー決済では、事前にチャージする前払方式が主でですが、オートチャージで後払いに対応したサービスもあります。系列カードと提携するとポイントがたまりやすい仕組みになっていることが多いため、この場合もクレジットカードに近い客単価増が期待できます。
キャッシュレス決済は、カードやスマホひとつで支払いができ、ユーザーはポイント還元も受けられます。そして、お店側にもさまざまなメリットをもたらします。「客単価アップ」もそのひとつ。一般論の後、キャッシュレス決済を活用して、客単価を上げる方法をご紹介します。
■キャッシュレス決済で期待できる「新規顧客拡大」
次項の「ポイント等による新たな販売促進」とも絡みますが、キャッシュレス決済導入による新規顧客拡大は、導入目的としてよく聞かれます。
キャッシュレス決済が使える店舗であることが来店動機になるのは、貯めたポイントの利用先あるいはキャンペーンの利用先として、使える店舗を探す消費者行動があるからです。
例えば、ポイント還元率がアップするキャンペーンでは、地域や業態、金額などの条件が付くことがあります。決済サービスの公式ページ等で対象店が紹介されていることが多いので、そうした認知を通じて、新規顧客が来店するきっかけになります。
「新規顧客拡大」の効果を確認するには、接客時に聞いたり、来店動機のアンケートを取るなどの方法があります。
■キャッシュレス決済で期待できる「ポイント等による新たな販売促進」
大企業と違って、中小店舗では独自に販促を行う経営資源がないこともあります。キャッシュレス決済の大きなメリットは、ポイント還元等で現金よりおトクにお買い物できることです。
QRコード決済ではポイント還元率20%等のキャンペーンも行われていますが、こうしたキャンペーンの原資は店舗負担ではありません。キャンペーンによる来店、あるいはキャンペーンでおトクにお買い物できることによる客単価増が、キャッシュレス決済で期待できる「ポイント等による新たな販売促進」になります。
キャッシュレス決済はクレジットカード/電子マネー/QRコード決済など、現金を使わない決済方法を指します。キャッシュレス決済は、ポイント還元分お得にお買い物できる点が特徴であり、現金の持ち歩きが不要、支出管理がしやすいなどのメリットもあります。そこで今回は、「現金vsキャッシュレス決済」をテーマに、さまざまな観点から両者を比較していきます。
最大20%還元も!au PAYのさまざまなキャンペーン【2020-2021】
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/31携帯大手のKDDIが提供するQRコード決済サービス「au PAY」。スマートフォンだけで支払いができるキャッシュレス決済のひとつで、使い方も簡単。au PAY アプリをダウンロードして、登録・設定をするだけで誰でも利用できます。 経営母体が大きいメリットとして、au PAYの豊富なキャンペーンが挙げられます。「三太郎の日」をはじめ、「たぬきの大恩返し」など、個性的で還元率も高いキャンペーンを随時実施しています。ここでは、そんなau PAYの最新キャンペーン情報をまとめてお伝えします。
■キャッシュレス決済で期待できる「業務効率化」
キャッシュレス決済を導入する効果には、売上拡大のほかに業務効率化による工数削減・費用削減という要素もあり、効果計測しやすい分野です。
閉店後に行うレジ締めやそれに伴う「⽇次売上集計・違算⾦確認」やその後の「⽇次実績レポートの作成・連携」などに、各店舗でどのくらい時間がかかっているでしょうか。
野村総合研究所の資料によると、レジ1台あたりの「レジ現金残高の確認作業」平均時間は25分。これに売上集計や両替、釣り銭の用意などの作業をくわえると、日々そうとうな時間を現金にまつわる業務に割いていることがわかります。この業務の原価はほとんどが人件費といっても差し支えないでしょう。
■キャッシュレス決済で期待できる「現⾦取扱リスクの低減」
キャッシュレス決済の導入で、現金決済より盗難・紛失のリスクや違算⾦の発生頻度が減少します。
盗難・紛失は、頻度こそ高くないかもしれませんが、金額的な被害や対応にかかる工数を考えれば、起きる機会自体をなくしていく対策が有効です。
■キャッシュレス決済で期待できる「衛⽣⾯の向上」
大勢が触る現金が不衛生であることは以前から知られていましたが、キャッシュレス決済の導入によって、非接触型のキャッシュレス決済が注目されています。キャッシュレス決済のなかでは、クレジットカードは物理的な接触が発生しますが、タッチ型のICカードやQRコード決済では完全に非接触です。
新型コロナウイルス感染症の影響が収まらないなか、従業員・顧客両方の安心・安全のため、キャッシュレス決済の導入が有効です。物理的にソーシャルディスタンスを保てることに加え、新型コロナウイルス感染症対策に積極的な店舗という「安心」の面でも、顧客にアピールできます。
新型コロナウイルスが飲食店に与える影響とキャッシュレス決済が衛生対策になる理由
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/1現在も続く新型コロナウイルス感染症対策で、一時は全国に緊急事態宣言が発令されるなど、飲食業界や観光業界は特に大きなダメージを受けました。各店では、こまめな消毒や衝立の設置、営業時間や滞在時間の短縮など、安全・安心な営業継続のため努力を続けています。au PAYなどのキャッシュレス決済は、不衛生な現金を取り扱わないため、店員・お客さま双方の新型コロナウイルス感染症の予防に役立つ対策の一つです。本記事ではキャッシュレス決済のひとつであるQRコード決済を中心にコロナウイルス感染症対策としてご紹介していきます。
まとめ
クレジットカード決済に加え、QRコード決済が急速に普及しつつある日本。QRコード決済は、導入費用・決済手数料が無料のキャンペーンを実施したことでキャッシュレス決済導入のハードルを下げ、中小店舗でも導入が進んでいます。
こうしたキャッシュレス決済導入の効果は、売上増加と費用削減に分けられ、特に業務効率化による費用削減は、従来かかっていた工数が減ったりなくなったりするため、計算しやすい部分です。
経済産業省がキャッシュレス決済の導入効果の「見える化」として検討している項目を元に、自社で当てはまる項目を検証してみましょう。