QR決済市場が過去最高の4兆円超!市場規模は年々拡大
各社が参入し「○○PAY」が乱立した2019年は「キャッシュレス元年」と呼ばれ、おトクなポイント還元キャンペーンによって、QRコード決済の認知度は大いに高まりました。
そもそも、日本に先行してQRコード決済が大きなシェアを持っているのが「中国」です。2004年には「Alipay」がリリースされ、2013年には「WeChat Pay」がサービス開始。この両者は中国のキャッシュレス決済2大勢力となり、QRコード決済市場も2014年に約22.6兆元(約384兆円)だったモバイル決済額は、2017年には約202.9元(約3,446兆円)まで増加しました。
中国では、クレジットカードの普及率が低かったこと、クレジットカードを手に入れられない貧困層が多くいたこと、そして国がキャッシュレス決済を強く推進したことなどを背景に、QRコード決済が急速に普及したと考えられています。
その後、日本でも2010年代後半からQRコード決済サービスが登場するようになり、徐々にユーザー数・加盟店数ともに増えていくようになります。2019年には政府によって「キャッシュレス・ポイント還元事業」が行われ、使える人・使える場所の両方が増大する成果を得ました。QRコード決済は、クレジットカード決済より導入ハードルが低く、中小規模店舗の加盟店数も急増しました。
キャッシュレス推進協議会の発表によれば、2020年のQRコード決済市場は4兆2,000億円。この数字は過去最高を記録し、前年の2019年と比較すると4倍近く伸びています。
クレジットカードや電子マネーより伸び率が高いQRコード決済
QRコード決済市場は約4兆円。クレジットカードの市場規模は約61兆円と推計されています。それには及ばないもののデビットカードの市場規模(2兆円)はすでに超えています。また、電子マネー6兆円にも迫る勢いでQRコード決済は成長を続けています。ここで注目すべきは、QRコード決済普及率の伸び率です。
インフキュリオンが行った調査によると、2019年3月から2021年4月の間に、QRコード決済の普及率は12%から54%へと急増しています。特に若い世代で普及し、2年ほどの間に、普及率が4倍以上にも伸びました。クレジットカードや電子マネーと比較しても、10%以上普及率が伸びたのはQRコード決済だけです。
QRコード決済市場は2024年には10兆円市場との予測も
2021年秋に、PayPayを始めとするQRコード決済大手が、これまで無料にしていた決済手数料の有料化を開始しました。これからのQRコード決済市場はどうなっていくのでしょうか。
一方で、QRコード決済市場は今後も伸びていくというのが大方の予想です。矢野経済研究所では、2024年には取扱高ベースで10兆規模までQRコード決済市場は拡大し続けると予測しています。さらに、日本能率協会総合研究所の予測でも、QRコード決済市場は2023年には約8兆円まで拡大すると予測しています。
QRコード決済の市場規模が伸びている理由
すでにクレジットカードが広く普及していた日本で、なぜ今QRコード決済が伸びているのでしょうか。QRコード決済市場が伸びる理由を解説していきます。
■QRコード決済の市場規模が成長する社会的背景
多くの加盟店・利用者が利用するようになったQRコード決済普及の背景には、政府や自治体によるキャッシュレス決済推進の動きが大きく関わっています。クレジットカード文化がある海外と比べ、日本は現金文化とも言われますが、日本政府もキャッシュレス決済化を推進しています。国では、現在約30%以下にとどまっているキャッシュレス決済比率を、2025年までに80%まで引き上げる方針を掲げています。
政府もキャッシュレスを活用した事業を行ってきて、2019年に行われた「キャッシュレス・ポイント還元事業」のほか、2020年にはキャッシュレス決済をマイナーバーカードに紐づけるとポイント還元を受けられる「マイナポイント事業」も行われました。「マイナポイント事業」は、還元率が25%で最大5,000円分のポイントが還元される事業で、還元率が高いことからも多くの注目を集めました。
また、新型コロナウイルス感染症の蔓延もQRコード決済が広く普及するようになった要因です。同じキャッシュレス決済でもクレジットカードの場合、物理的なカードを必要とし、場合によってはクレジットカードの受け渡しも行われます。他方、QRコード決済はスマホや専用端末でQRコードを読み取るだけで支払いが可能です。完全非接触で決済が行えることから、衛生意識の高まりとともに利用する人が多くなっています。
新型コロナウイルス感染症の影響で低迷する地元経済の支援のため、各自治体で行われているポイント還元キャンペーンでも、au PAYをはじめとするQRコード決済が活用されています。
■ユーザーにとってQRコード決済は利用するメリットが多い
こうした社会的背景に加えて、QRコード決済はユーザー側にとっても直接的なメリットをもたらします。QRコード決済サービス各社が行う高還元なキャンペーンに加え、近年は利便性向上のためのアプリ開発も盛んに進められています。
QRコード決済アプリ内に飲食店の事前注文やタクシーの予約など、決済以外の機能を搭載する取り組みも見られ、利用できるシーンが広がっています。
利用するためのハードルという面では、QRコード決済はクレジットカードのように厳しい審査がなく、年齢制限を設けているアプリもほとんどありません。スマートフォンにアプリをダウンロードし各種情報を設定するだけで利用可能なため、誰もがアクセスできるキャッシュレス決済といえるでしょう。
■加盟店にとっても売上向上や業務負担削減につながる
加盟店にとってはキャッシュレス決済を導入することで、売上アップ、レジ業務の簡素化、お店の衛生環境の向上などが見込めます。日本クレジットカード協会が発表した「キャッシュレス社会の実現に向けた調査報告書」によれば、回答者の約半数が「ポイントがつくかどうかで購入する店舗が変わる」と答えています。
つまりキャッシュレス決済をお店で使えるようにすることで顧客獲得・売上向上につながります。逆に、キャッシュレス決済に対応しないままにしておくと、競合店に顧客が流れる機会損失につながります。
また、お店のキャッシュレス化は現金管理の手間を削減することにもつながります。経済産業省の資料によれば、レジ1台当たりのレジ締め作業は平均25分かかるとされており、現金比率が下がればおのずと作業時間の短縮になるでしょう。
そのほかにもキャッシュレス決済は現金と違い、紛失や盗難のリスクが低く、キャッシュレス決済比率が高まればお釣りを用意する頻度も少なくて済みます。現金管理にまつわる業務は細かいものを足していくと、案外時間がかかるものです。業務効率を上げるためにも、キャッシュレス決済を導入することはとても有効だと考えられています。
さらにQRコード決済の場合、専用の読み取り端末を用意することなく導入ができるため、費用面に大きな優位性をもっています。これまで大規模店舗を中心にキャッシュレス決済の導入が進んでいましたが、QRコード決済の登場によりすそ野が広がりより多くのお店でキャッシュレス決済が使えるようになってきています。
このように、社会的な背景やユーザー・お店双方にとってさまざまなメリットがあることから、QRコード決済がここまで成長し、さらに市場規模も今後さらに拡大していくと考えられているのです。
決済手数料有料化の動きも?au PAYは決済手数料無料キャンペーンを1年間延長
QRコード決済がある程度普及した2021年秋には、PayPayが10月1日以降の決済手数料を有料化することを発表するなど、大きな動きが出ています。
これに対しau PAYでは、当初9月末までとしていた決済手数料無料期間を1年間延長することを決定しました。導入費用と入金手数料も一切かからないので、2022年9月30日までは導入費用・決済手数料・入金手数料すべて0円で利用できます。
この無料期間延長の対象には契約の新規・既存は問いません。売上規模などの条件もないので、お店の「キャッシュレス化のはじめの一歩」にはぴったりです。
また、au PAYは有料後の決済手数料を2.6%に設定しています。経済産業省の「キャッシュレス決済 実態調査アンケート」によれば、クレジットカードの手数料率は3%台が主流です。電子マネーにおいても半数以上を3%台が占めており、QRコード決済でもその傾向は同様です(キャンペーン実施により0%が最多。その次に3%前半が多い)。
au PAYは他のキャッシュレス決済サービスの決済手数料と比較ししても低めに設定されているので、お店の経済的な負担を抑えられます。
まとめ
市場が急拡大しているQRコード決済は、今後も伸び続け、2024年には10兆円規模になると見込まれています。日々のお買い物ではもちろん、アプリ機能の改良により利便性が向上すれば、ユーザーがQRコード決済を使う機会はより増えていくでしょう。
すでにご説明したようにQRコード決済市場は今後も拡大し、ユーザー数はさらに増えていくと予想されます。そこでQRコード決済に対応していないお店となると、新規顧客獲得が難しくなるだけでなく、近辺のライバル店に顧客を取られてしまうことにもなりかねません。
au PAYなら、決済手数料無料期間が1年延長されたため、導入費用・決済手数料・入金手数料が実質0円で始められます。au PAYを入れておけば良かった、と後悔する前に、これを機会にぜひ一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。