季節を先取りした店舗経営の効果とは?
お正月やバレンタインデー、ゴールデンウィーク、ハロウィン、クリスマスなど、年間を通してさまざまな季節のイベントがありますが、それらを活用してキャンペーン・セールなどを行うお店は多いはず。
このように、季節のイベントに合わせて集客・販促を行うことを「シーズナルマーケティング(ホリデーマーケティング)」と呼びます。シーズナルマーケティングの主な効果は次の3つです。
■顧客の関心・需要を効率良く集められる
イベントに関連した商品・サービスなどは、その時期に需要が高まる傾向にあります。例えば、ハロウィン前には仮装関連のアイテムが欲しい人が増えたり、寒い時期に防寒グッズや鍋関連の商品を求める人が増えたりします。お客さまの関心や需要が高まるタイミングに合わせて施策を打つことで、効率良く販促を行えるでしょう。
また、イベントの特別感や期間限定であることで興味を引き、来店ハードルを下げて集客につなげられるというメリットもあります。
■競合店舗との差別化が図りやすい
季節ごとのイベントに合わせた商品やメニュー・キャンペーンに注力することで、競合店舗との差別化を図りやすくなります。
例えば花屋の場合、シンプルに季節の花や植物・ブーケを並べるよりも、細やかにイベントを取り入れていくのが効果的。おなじみの母の日やホワイトデーはもちろんですが、イースターにはエッグやうさぎモチーフの装飾、ハロウィンにはオレンジ・紫の花にカボチャの装飾を添えた花束や寄せ植えを店頭に並べるなど、イベントを上手に活用することでお客さまの関心を集め続けやすくなります。
■売り上げを安定させやすい
前述したように、お客さまの需要は季節やイベントごとに変動していくので、1年をイベント軸で見ることで、売り上げをある程度予測することが可能です。さらに、季節ごとの気温や天候の変化でもお客さまのニーズを予測することができます。
イベントや季節の変わり目の前に、先手を打ってモノやサービス・人材を確保しておけば、イベントが近づいて高まった関心・需要を最大限に刈り取ることができるのです。
シーズナルマーケティングの具体的な方法とは?
個人経営の店舗では、どのようにシーズナルマーケティングを実践すればいいのでしょうか。「初めてシーズナルマーケティングに挑戦する」「上手な取り入れ方が分からない」という方に向けて、具体的なアクションを紹介します。
■1〜2カ月前から準備を始める
集客を最大化させたい時期・イベントに狙いを定めたら、その1〜2カ月前から準備をしておく必要があります。
春(3〜5月)に売りたい……1〜2月ごろから準備・展開を
春は出会いと別れの季節であり、新入学や就職・転居などにまつわる施策を打つのが効果的なタイミング。さらに、以下のように伝統行事やイベントも多い時期です。
・3月3日:ひな祭り
ひな祭りにちなんだ限定メニューや、「お子さま限定〇円OFF」「女子会限定コース」といった施策がおすすめです。
・3月14日:ホワイトデー
この時期はバレンタインデーのお返しとしてのギフト需要が高まります。お菓子やアクセサリーなどのホワイトデー向けギフトアイテムのほか、美容・リラクゼーション系サロンの場合はホワイトデー限定ギフトプランなどを準備してみては。
・3月末~4月上旬:イースター
イースターエッグにちなんだ限定メニューや、子ども向けの商品・キャンペーンを用意するのがおすすめです。
・5月の第2日曜:母の日
同じくギフト向けアイテムの需要が高まる時期。また、近年は「母」本人をターゲットにした施策も増えています。母の日限定の値下げや限定商品、自分向けギフトを準備するのが効果的です。
夏(6〜8月)に売りたい……4〜5月ごろから準備・展開を
祝日が比較的少なく梅雨も含まれるこの時期。客足が遠のきがちだからこそ、集客のために以下のような季節のイベントを活用しましょう。
・6月の第3日曜日:父の日
母の日と同様にギフト需要が高まりますが、特にお酒や洋服・健康グッズなどが人気です。
・7月7日:七夕
七夕の集客には参加型イベントがおすすめ。店内に笹や短冊などを用意し、願いごとを書いてもらうと、七夕らしい雰囲気とともにお客さまとコミュニケーションを取れる機会を創出できます。
・8月中旬:お盆
お盆の時期は消費が落ち込むかと思いきや、帰省のタイミングで祖父母がお孫さんと買い物をする「孫消費」が増加するタイミング。お孫さん向けの商品を売り込めるチャンスとして、キャンペーンやセール施策を計画してみては。
秋(9〜11月)に売りたい……7〜8月ごろから準備・展開を
イベントや行事がめじろ押しのこの時期。その分イベントごとの準備を早めに行い、波に乗り遅れないようにする工夫が大切です。
・9月の第3月曜日:敬老の日
おじいさん・おばあさん向けギフト需要が高まる時期。ほかにも、グルメや園芸・カラオケ・景勝地などシニア世代が興味を持ちそうなイベントも相性が良いでしょう。
・10月31日:ハロウィン
近年は秋の一大イベントとして販促・集客の大きなチャンスに。限定商品やキャンペーンはもちろん、フォトスポットの設置やお菓子の配布もおすすめです。
・紅葉
紅葉にちなんだ限定メニューやパッケージの展開が効果的。また、近隣に紅葉スポットがある店舗は、散策ついでの来店訴求としてポスターや看板を設置するなど、ハイシーズンを活用しない手はありません。
冬(12〜2月)に売りたい……10〜11月ごろから準備・展開を
気温が下がり地域によっては積雪も見られ、人出が減りやすい時期。しかし、見逃せないイベントは盛りだくさんです。
・12月25日:クリスマス
冬のビッグイベントといえばクリスマス。プレゼント向けアイテムをはじめ、飲食店ではパーティー向けプランの需要が高まります。また、お子さま向けの塗り絵や工作といった体験型イベントの実施もおすすめ。
・年末年始
クリスマスが過ぎてもセールやキャンペーンを打ちやすい年末年始が続きます。なかでも年始の福袋は、店舗のカテゴリーや規模を問わず実施しやすいでしょう。
・成人の日
成人式に向けて高まる着付け・ヘアメイク需要を刈り取るキャンペーンやメニューは、特に早めの準備が肝心。また飲食店などには「新成人応援〇%OFF」「成人式向けコース」といった施策もおすすめです。
クリスマス・年始商戦到来! 商機を逃さない販促・集客施策のポイントとは?
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/3840年の瀬が近づき、クリスマス・年始商戦はもう目前。そこで今回は、これからの時期の販促で押さえておきたいポイントや、今からでも取り組めるアイデア、さらに集客アップに期待できるクーポン施策をご紹介します。「店舗をオープンしてから初めての年末年始を迎える」「この機会を集客・販促に活かしたい」という方は必見です。
■天気予報をこまめにチェック
お客さまの短期的な需要の動向を予測するには、天気予報のチェックも欠かせません。代表的な天気予報サイトはこちらの3つです。いずれも、約1週間先までの予報を把握できます。
・気象庁
・tenki.jp
・ウェザーニュース
1週間以上、または数カ月以上先の天気を把握したい場合は、気象庁サイトから見られる「過去の気象データ検索」が便利です。あくまで過去のデータなのでその年と合致するわけではありませんが、ある程度の参考になるでしょう。
■季節を先取りしたキャンペーン
前述のとおり、季節ごとにたくさんあるイベントは集客・販促のチャンスの宝庫。そのチャンスを逃さないためにも、季節を先取りしたキャンペーン展開が必要です。ここでは飲食店を例に、秋から冬にかけての施策スケジュールを見てみましょう。
1月上旬 | お正月施策終了、バレンタインデー施策の準備スタート | |
1月中旬 | 節分・バレンタインデーの限定メニューを告知 | |
2月上旬 | バレンタインデー限定メニューを展開、並行してホワイトデー施策の準備スタート | |
2月下旬 | ホワイトデー限定メニューを告知、卒業生応援施策の準備 | |
3月上旬 | ホワイトデー限定メニューを展開 |
このように、キャンペーン施策をスタートするタイミングは、実際のイベントや行事のピークよりも早いタイミングでスタートするのが定石です。その理由は「この店舗にはこんな季節商品・サービスがある」とお客さまに他店より早く“認知”してもらうため。
たとえスタート時には売り上げにつながらなかったとしても、いち早く気付いてもらい「そういえばあのお店で売っていたな」と想起してもらうことで、再来店・売り上げアップのチャンスをものにすることができるのです。
シーズナルマーケティングの注意点
シーズナルマーケティングには多くのメリットがある一方、注意しなければならない点もあります。
■予測やタイミングが外れると在庫過多となってしまう
気候や天候はある程度予測できるとはいえ、事前に予測していたよりも暑かった・寒かった・悪天候が続いたなど、イレギュラーな状況も起こりがち。需要の高い時期を狙って大量に商品を発注したタイミングで天候の予想を外してしまうと、一気に多くの在庫を抱えてしまうリスクがあります。
在庫過多に陥ってしまうと予定していた売上が立たないばかりか、商品の品質劣化による廃棄、倉庫費をはじめとした管理費の増大など余計なコストまでかかってしまう悪循環に。季節限定のキャンペーンだからと期待を膨らませすぎず、適正在庫数を把握したうえで発注するように徹底することが肝要です。
■やりっぱなしはNG、必ず振り返りを
通常業務に加えてイベントに合わせた施策が立て込むと、準備ばかりに追われがちですが、イベント終了後には振り返りの作業が必要不可欠。せっかく定着したお客さまのニーズやタイミングとずれた内容の施策を行ってしまっているリスクを減らしていくためです。計画した施策の中でどの部分がうまくいき、どの部分に改善点があるのかを正しく振り返り、分析することで、次回以降のイベント施策のブラッシュアップにつなげられます。
具体的には、売上データや来客数・在庫状況の推移を実施前後で比較したり、顧客アンケートを行っていた場合には回答内容を集計し、どんなフィードバックが寄せられているのかを分析したりするのが効果的でしょう。
「au PAY」でシーズナルマーケティングの成功を底上げ
多くのお客さまが訪れる時期には、イベントやキャンペーンのほかに、キャッシュレス決済導入や電子クーポン配信も大きく役立ちます。
■au PAYのキャッシュレス決済
お客さまにとってキャッシュレス決済が導入されているお店は、複数の決済手段が選べるというメリットがあります。これは、季節限定商品・サービスがふと目に留まった場合に、「試したいけど手持ちのお金が足りない……」と購入を諦めてしまう機会損失を防ぐことに効果的です。さらに、店舗側は会計の効率が上がり、回転率アップに期待できます。
キャッシュレス決済導入のメリット・デメリット!自分のお店にも導入したほうがいい?
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/1649現金を使わずに支払うキャッシュレス決済のお店側のメリット・デメリットについて。2023年8月に一般社団法人キャッシュレス推進協議会より公表された、「キャッシュレス・ロードマップ 2023」によると、2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%に達し、2025年6月までに4割程度とする政府目標の達成も目前となっています。 本記事では、キャッシュレス化の進行状況や、お店が導入するメリット・デメリットを解説していきます。本記事を参考に、自分のお店にあうキャッシュレス決済を選択してみてください。
■au PAY グロースパッククーポン
前述のとおり、シーズナルマーケティングは実施のタイミングが重要。「今だ!」というタイミングですぐにクーポンを配信できる「au PAY グロースパッククーポン(有料)」が便利です。
例えば、紅葉シーズン限定メニューを計画していた場合に、「思ったよりも早く見ごろを迎えてしまって、今すぐ限定メニュー発売に合わせたクーポンを配信したい!」など、当初の予測から少しズレが生じてしまった時にこそ力を発揮します。
さらに、配信したクーポンの利用データは蓄積され、手軽に振り返りを行うことも可能。どのシーズナルマーケティングが成功したのか簡単に分析しやすいのも、大きな魅力の一つです。
au PAY グロースパッククーポンの導入を検討されているなら、資料請求を試してみてはいかがでしょうか。資料では、ぴったりの販促方法が分かる「カンタン診断」をはじめ、「デジタル販促のコツ」「au PAY グロースパッククーポンの効果的な活用方法」などを分かりやすくご紹介しています。無料で取得できますので、お気軽にお申し込みください。
計画的なシーズナルマーケティングが店舗経営の成功につながる
今回は、季節ごとのイベントや行事に合わせたシーズナルマーケティングの活用方法について解説しました。イベントの波に乗り遅れず、他店舗よりも早いタイミングでお客さまの目に留まるためには、早めの準備と実施が大切。上手に活用して、店舗経営を成功へ導きましょう。