住民税の支払い方法は2つ
住民税は、お住まいの都道府県・市区町村に納付する地方税です。住民税の金額は、前年所得に応じた「所得割」と、定額の「均等割」を合算した額となります。
会社員のような給与所得者の場合は「特別徴収」で給与から天引きされるため、「住民税についてあまりよく知らない」という方は少なくありません。
まずは、「特別徴収」と「普通徴収」という住民税の2種類の納付方法について簡単におさらいしていきましょう。
■住民税が給与から天引きされる「特別徴収」
特別徴収の対象は、主にサラリーマンや公務員などの給与所得者や年金受給者の方が該当します。
給与所得者は、原則として毎月の給与から住民税が天引きされ、これを給与支払者(事業主)がまとめて納める仕組みです。
納付回数は6月~翌年5月までの年12回で、事業主はすべての従業員に対して特別徴収を行う義務があります。
年金受給者の場合は原則、年6回の年金支給時に天引きされます。
なお、特別徴収の場合は天引きとなるため、住民税をキャッシュレス決済で支払うことはできません。
■住民税を自分で支払う「普通徴収」
普通徴収の対象は、主に給与所得者ではない個人事業主や無職の方が該当します。
普通徴収の場合、市区町村から納税通知書(納付書)が送付され、この納付書を使って自分で支払います。
支払い方法は、金融機関やコンビニでの窓口納税のほか、口座振替やQRコード決済で支払うことも可能です。
納期は一般的に、「6月・8月・10月・1月」の4期にわたり(地域によって若干異なる)、一括納税にも対応しています。
キャッシュレス決済で住民税を支払う4つの方法
続いて、住民税をキャッシュレス決済で支払う方法を見ていきましょう。キャッシュレス決済はクレジットカード決済やQRコード決済など、複数の決済方法の総称で、それぞれ支払い方法の詳細が異なります。
キャッシュレス決済での支払い方法は、主に以下の4つです。
・ダイレクト納付
・インターネットバンキング
・クレジットカード決済
・QRコード決済(スマホアプリ)
繰り返しになりますが、住民税をキャッシュレス決済で支払えるのは普通徴収のみとなる点にご注意ください。
■口座引落としによる「ダイレクト納付」
ダイレクト納付は、国税電子申告・納税システムを利用して事前に申請した預金口座から引き落としで税金を納める方法です。
所得税や法人税などの国税は「e-Tax(イータックス)」、住民税や事業税などの地方税は「eLTAX(エルタックス)」を利用します。
事前手続を一度すれば、自宅に居ながらにして即日納付できたり、納付日を指定して支払ったりできます。
なお、住民税の場合は「eLTAX 地方税ポータルシステム」から申し込みを行います。
あらかじめ税務署や金融機関などに利用開始届出の提出が必要となるので、利用を検討している方は準備しておきましょう。
■インターネットバンキング
インターネットバンキングは、「Pay-easy(ペイジー)」などのシステムを通じて税金を支払う方法です。
普段利用しているインターネットバンキングにログインしたら、請求書に記載されている収納機関番号などを確認・入力して支払いを完了させます。
くわしくは「Pay-easy(ペイジー)」公式サイトの「ペイジーの使い方」を参考にしてください。「Pay-easy(ペイジー)」が利用できる金融機関はこちらから検索できます。
■クレジットカード決済
2023年4月より地方税共同機構(eLTAX)を介して、全国の自治体でクレジットカード納付が可能となりました。
住民税をクレジットカードで支払いたい方は「地方税お支払サイト」にアクセスしましょう。
《支払い手順》
〈ステップ1〉地方税お支払サイトでeL-QRを読み取る、またはeL番号を入力する
〈ステップ2〉「お支払い方法」に「クレジットカード」を指定する
〈ステップ3〉メールアドレスを入力すると、確認コード(数字6桁)が届くのでコードを入力して次へ進む
〈ステップ4〉「F-REGI公金支払いサイト」に遷移するので、画面の案内に従って支払いを完了させる
なお、「F-REGI公金支払い」サイトでは、数十円~数百円程度のシステム利用料が発生します(システム利用料の試算はこちら)。また、対応しているクレジットカードのブランドは以下の通りです。
【クレジットカード各種対応ブランド】
・VISA
・Mastercard
・JCB
・American Express
・Diners Club
■QRコード決済(スマホアプリ)
2023年4月からは地方税統一QRコード(eL-QR)を活用した地方税の納付も開始されています。
これにより、スマホ決済アプリから納付書のQRコードを読み取って住民税を支払えるようになりました。
なお、対応しているQRコード決済サービス一例と手順は以下の通りです。
・au PAY
・ファミペイ
・PayPay
・d払い
・楽天ペイ など
※上記以外のアプリ一覧はこちら
《支払い手順》
〈ステップ1〉利用するQRコード決済アプリをスマホにダウンロードする
〈ステップ2〉納付書の表面に印刷されているQRコードをアプリで読み取る
〈ステップ3〉アプリ専用画面の案内に従って支払いを完了させる
キャッシュレス決済で住民税を支払うメリット
これまで納税といえば現金納付が一般的でしたが、キャッシュレス決済で支払うメリットを整理しましょう。
■現金を用意しなくて済む
キャッシュレス納付であれば、支払いの際に現金を用意する必要がありません。
手持ちの現金がなくても支払えるので、ATMや銀行に行ってお金を引き出す際の手数料も不要です。
また、現金を持ち歩いて紛失したり、盗まれたりする心配がなくなるのもメリットといえるでしょう。
■いつでもオンラインで支払える
キャッシュレス決済なら、パソコンやスマホさえあれば、窓口に足を運ぶことなくいつでも住民税を支払えます。
窓口の受付時間を気にする必要がなく、自分の好きなタイミングで納付できるので、忙しい方や、期限が迫って急いで支払いたい場合にも安心です。
■ポイント還元を受けられる
住民税の支払いでポイント還元のチャンスを得られる点も、キャッシュレス納付のメリットです。
税金の支払いに対して直接ポイントが付与されるサービスは少ないですが、チャージ額に対してはポイントが付与されるケースがあります。
たとえばau PAYの場合、au PAY ゴールドカードからのチャージで1%のPontaポイント還元を受けられます。
また、毎月5・8・15・25日にau PAY(コード支払い/請求書支払い)を利用すると、最大3,000Pontaポイントがもらえるたぬきの抽選会に参加できます。
税金の支払いも抽選対象なので、住民税をau PAYで支払うなら「毎月5の付く日と8日」がおすすめです。
キャッシュレス決済で住民税を支払う際の注意点
キャッシュレス決済で住民税を支払う際は、デメリットもあります。注意点もしっかり理解したうえで、キャッシュレス決済で支払うかどうかを決めましょう。
■キャッシュレス決済での支払いには領収書が発行されない
キャッシュレス決済での支払いでは、原則として領収書(納税証明書)が発行されません。
どうしても領収書が必要な方は、お近くのコンビニや金融機関、税務署等の窓口で支払うようにしましょう。
あとから納税証明書を請求することもできますが、発行に時間がかかり手数料も発生します。
■手数料がかかる場合がある
キャッシュレス決済での支払いでは、手数料がかかってしまうケースがある点にも注意しましょう。
特に、地方税お支払サイトでクレジットカード払いを選択した場合、システム利用料が発生します。
手数料は納付金額に応じて変動します。最初の1万円までは40円(税込)で、たとえば納付金額2万円の場合の手数料は123円(税込)となります。
住民税をキャッシュレス決済で支払うならQRコード決済がおすすめ
「ポイントをためたいけど、手数料は嫌だ」という方は、QRコード決済で住民税を支払いましょう。
QRコード決済なら手数料がかからず、事前に利用開始届出を提出する必要もありません。
スマホで納付書のQRコードを読み取るだけなので、QRコード決済初心者の方でも安心して納税できます。
さらに、住民税以外にも自動車税や固定資産税などをQRコード決済で支払えます。
まだキャッシュレス納付をしたことがないという方は、ぜひ次からはQRコード決済で納税をしてみてください。
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