シニア層を集客したほうがいい理由
これからの時代、なぜシニア層の集客が店舗にとって必要となるのでしょうか? まずはその理由を、調査結果をもとに2つの観点からチェックしておきましょう。
■人口割合の増加
内閣府の「令和5年版高齢社会白書※」によると、令和4年の65歳以上人口は3,624万人。総人口に占める割合(高齢化率)は29.0%です。
さらに、この高齢化率は令和19年には33.3%となり、「国民の3人に1人が65歳以上」になると見込まれています。
つまり、日本の消費者人口において高齢者が占める割合は現時点でも非常に高く、今後ますますその割合が高くなっていくことから、高齢者(=シニア層)を重点的に集客するのは、経営において当然の判断といえるでしょう。
※出典:「令和5年版高齢社会白書(全体版)」内閣府調査
■購買力の高さ
次に、総務省統計局による家計調査報告の「世帯主の年齢階級別の1世帯当たり貯蓄現在高※」を見てみましょう。
世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高、負債保有世帯の割合 (二人以上の世帯)-2023年-
この調査によると、「50歳以上の各年齢階級では貯蓄現在高が負債現在高を上回っている」「70歳以上の世帯の純貯蓄額がもっとも多い」ということがわかります。つまり、70歳以上のシニア層がもっとも経済的に余裕があるということです。
また、シニア層は比較的自由な時間が多いのも特徴です。一般的に、「経済的な余裕」と「時間の余裕」は購買力に大きく作用すると言われているため、集客に力を入れることで、店舗の売上アップに一定の効果が見込めることでしょう。
※出典:「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」(総務省統計局)
シニア層を集客するために押さえておきたいポイント
■ターゲットを絞る
一口に「シニア層」といっても、その特徴はさまざまです。日本SPセンター シニアマーケティング研究室Webサイト※では、シニア層を以下の4つに分類しています。
1.アクティブシニア:健康に自信を持っており、仕事、学びや、社会との交流にも積極的な、就労しているシニア
2.ディフェンシブシニア:健康に問題はないが自信があるわけでもない、堅実な暮らしぶりをしているシニア
3.ギャップシニア:身体機能に何らかの不自由が発生している、非就労のシニア
4.ケアシニア:介護認定を受けており、相対的に交流や社会生活の価値が一層高まっている非就労のシニア
上記4タイプのうちのどの層をターゲットに設定するかによって、行うべき施策は異なります。
たとえば、活動的な「アクティブシニア」は、体験型のプロモーションに参加してくれたり、サンプルを手に取ってくれる可能性が高い傾向にあります。堅実な「ディフェンシブシニア」は、費用がかからないプロモーションであれば参加してくれるかもしれません。
つまり、それぞれのターゲット層に合った施策を選ぶことが重要となります。自店の商品やサービスをどんな人に購入してほしいのか、まずはターゲットをはっきりさせましょう。
※出典:(株)日本SPセンター シニアマーケティング研究室Webサイト
■興味・関心を知る
シニア層ならではの興味や関心を調査することも、集客のポイントです。
「シニアの生活意識調査2024」(ソニー生命調べ) によると、シニアの現在の楽しみのトップ5は、「旅行」「テレビ/ドラマ」「グルメ」「映画」「読書」という結果になっています。
たとえば飲食店なら、シニア向けの食事会を企画するような施策が考えられるでしょう。また、地域の観光スポットとコラボしたスタンプラリーを実施したり、新聞のテレビ欄を見ていることを見込んで折込チラシを入れたりするなどの施策も効果的です。
シニア層を集客する具体的な方法
デジタル集客が主流になりつつある昨今ですが、シニア層の中には、スマホやパソコンなどのデジタル機器を使用しない方も大勢います。デジタルとアナログ、2つのアプローチで、シニア層に店舗に訪れてもらうための効果的な集客方法をご紹介します。
■フリーペーパー
デジタル化が進んだ現在においても、慣れ親しんだ紙媒体はシニア層にとって手に取りやすいもの。スーパーや商業施設などに置かれているフリーペーパーは、お得な情報を無料で得られるため根強い人気があります。
フリーペーパーの配布にはいくつかの方法があり、以下の4つが一般的です。
・駅等のラックに設置
・新聞折り込みによる配布
・ポスティングによる配布
・特定施設での配布
フリーペーパーへの出稿を検討する際は、freepapers.jpなどのサービスを利用するのがおすすめです。全国・地元で親しまれているフリーペーパーを活用し、店舗情報や商品のスピーディーな告知をサポートをしてくれます。
ほかにも地域コミュニティを活用する方法もあります。同じ商店街の印刷所や商工会議所などに相談することで、地域に密着した情報や協力を得られる可能性があるでしょう。また、インターネットでフリーペーパーの情報を探す際は、「フリーペーパー [地域名(県・市・町名等)] 広告 シニア層」のようなキーワードを使用するとよいでしょう。
フリーペーパーに記事や広告を掲載することで、店舗のことをシニア層に知ってもらうきっかけになります。特に、地域に密着した情報を提供することができるため、趣味の教室やスポーツクラブなどの集客におすすめです。
■SNS
昨今のシニア層は、デジタルに慣れ親しんだ「デジタルシニア」と呼ばれる人々が増えています。デジタルシニアはSNSを積極的に活用するため、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)やLINE公式アカウントなどを使った集客も効果的です。さらに、スマートフォンの普及に伴い、YouTubeなどの動画プラットフォームを閲覧するシニア層も増加傾向にあります。
紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。
こうした多様なチャネルを活用することで、デジタルシニアとの接点を増やし、より効果的な集客が期待できます。 SNS活用を含むデジタル販促については、以下の記事でもくわしく紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。
インターネットの普及にともなって、商品やサービスの情報を事前にオンラインでチェックする人が増えるなど、消費者の購買行動は大きく変化しています。この変化に合わせ、チラシなどのアナログ販促からデジタル販促も活用する企業が増えています。 デジタル販促では、ターゲットを絞ることができる上、リアルタイムの情報発信や効果測定もしやすい点が魅力です。本記事では、デジタル販促の基礎知識からおすすめ手法、成功のコツまでを解説します。デジタル販促も取り入れて、売上アップを目指しましょう!
■自店のホームページ
シニアの中には、インターネットの検索エンジンを使って情報収集を行う方も多く、自店のホームページで有益な情報を発信していれば、検索流入からの認知拡大も見込めます。
ホームページ内は、自店の商品をアピールする絶好のチャンスです。そのため、商品や価格表といった詳細な情報をわかりやすくまとめておくことで、お客さまが欲しい商品を見つけ出し、それを目的に来店してくれるかもしれません。
ホームページを自前で手軽に作成したい場合、以下のようなホームページ作成ソフトを使うとよいでしょう。
・SIRIUS2(シリウス2)
・自分で更新できる最短ホームページテンプレート
これらのソフトは、初心者や高齢者でも扱いやすく設計されており、専門的な知識がなくてもホームページを作成することができます。
他にもおすすめなのがCMSです。「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略で、Webページの作成や、テキストや画像といったWebコンテンツの管理を簡単に行えます。代表的なツールには以下のようなものがあります。
・Jimdo(ジンドゥー)
・Wix(ウィックス)
・WordPress(ワードプレス)
ホームページをゼロから作成しなくても、飲食店や美容室の場合は、食べログやぐるなび、ホットペッパービューティーなどのポータルサイトに登録・掲載することもできます。これらのサービスには店舗情報やメニュー、写真などを掲載でき、多くの利用者の目に触れる機会が得られるでしょう。無料掲載を受け付けているサービスもあるので、積極的に活用しましょう。
また、Googleビジネスプロフィールの活用も有効です。Googleマップや検索結果に店舗情報を表示させることができ、ホームページと同じような集客効果を期待できます。無料で利用できるため、ぜひ活用してみてください。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の使い方
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/304Googleの検索結果に表示される店舗情報は自社で管理しましょう!店舗情報は第三者でも登録できるため、不正確な情報で機会損失になっている場合があります。「オーナー確認」を受け自社で管理する方法と、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の使い方について。
■キャッシュレス決済
デジタルシニアが増加している昨今、スマホで使えるキャッシュレス決済を導入することは集客においても有効です。
株式会社DIGITALIOが運営するデジタルギフト「デジコ」による調査結果によると 、調査が実施された2024年7月時点で、シニア層の73.7%が直近1カ月以内にキャッシュレス決済を利用しています。また、シニア層の51.7%が「キャッシュレス決済を現金決済よりも多く利用している」と回答しており、その普及率の高さがうかがえます。
キャッシュレス決済を導入しているお店は、若者のみならず、シニア層にとっても便利といえるでしょう。
■クーポン
商品やサービスをお得に購入できるクーポン。簡単で手軽に利用できるクーポンは、シニア層にも受け入れられやすいです。
クーポンには主に紙のクーポンとデジタルクーポンの2種類があり、それぞれに特徴があります。
紙のクーポン
メリット:
・シニア層にとって馴染みやすく、使い方が直感的
・インターネットやスマートフォンを使用しない層にもアプローチ可能
・手元に残るため、忘れずに使用できる
デメリット:
・印刷や配布にコストがかかる
・使用状況の追跡や分析が難しい
デジタルクーポン
メリット:
・配信コストが低く、即時に大量配布が可能
・使用状況のリアルタイム分析が可能
・顧客の行動データを収集し、マーケティングに活用できる
デメリット:
・スマートフォンやインターネット接続が必要
・セキュリティに関して懸念がある
デジタルシニアにはスマホアプリで配信できるデジタルクーポンが喜ばれるでしょう。クーポンを発行できるサービスに加入すると、より多くのお客さまの目に触れることが可能です。
たとえば、au PAYでは加盟店向けに「au PAY グロースパック クーポン 」というサービスを提供しています。
au PAY グロースパック クーポンでは、加盟店自らがクーポンを自由に作成して即時配信できるサービスです。月額利用料550円(税込)、クーポン利用1回ごとに22円(税込)で利用でき、お店の近くにいるお客さまのau PAY アプリ内にクーポンが表示されるため、顧客獲得のきっかけになります。
「au PAY グロースパッククーポン」の詳しい解説は、こちらのページに掲載していますので、ぜひご覧ください。
au PAY グロースパッククーポン 月額利用料が初月無料!|au PAY
https://media.aupay.wallet.auone.jp/lp/growthpack_coupon/au PAYグロースパッククーポンとはau PAY加盟店のみなさまの集客・売上アップを支援し、アプリ上で店舗のクーポンを配信できるサービスです。お申し込みからクーポン作成までカンタン3STEP。申し込み初月は無料でご利用いただけます。
シニア層の心をつかんで集客につなげよう
店舗経営の安定に欠かせないシニア層。この年代ならではのニーズを理解したうえで、フリーペーパーやSNS、クーポンなど、アナログ・デジタル問わずさまざまな手法を組み合わせて、効果的な戦略を立てることが重要です。本記事を参考に、シニア層のお客さまが満足するような施策を取り入れていきましょう。