ネット普及にともなう消費者行動の変化
インターネットの普及により、消費者の購買行動は大きく変化しています。
かつては、「注意(Attention)→関心(Interest)→欲求(Desire)→記憶(Memory)→行動(Action)」というAIDMAの法則(アイドマ)が購買行動のモデルとされていました。
しかし、インターネットの普及により、「注意(Attention)→関心(Interest)→検索(Search)→行動(Action)→情報共有(Share)」というAISASの法則(アイサス)が購買行動の新たなモデルとして提唱されるようになりました。なおAISASの法則は、電通の登録商標です。
商品やサービスに興味を持った消費者は、ネット検索で情報を集め、オンラインで口コミをチェックします。実際の購買に至った後は、口コミをSNSなどで共有する傾向も見られます。
店舗の販促もこうした購買行動の変化に対応し、デジタル販促を通じて消費者の認知や関心を獲得していく手法が有効です。
デジタル販促とは?
「デジタル販促」とは、インターネットやデジタル技術を駆使して行う販売促進活動のことです。
デジタル販促では、主にインターネット広告や、SNS・オンラインメディアなどを介して配布されるデジタルクーポンなどを用いて、プロモーションを行います。
一方、チラシやポスター、紙クーポンなどの販促活動は「アナログ販促」と呼ばれています。
デジタル販促のメリット!アナログ販促にはない特徴
それでは、デジタル販促にはどのような特徴があるのでしょうか。アナログ販促と比較しながら、デジタル販促のメリットを見てみましょう。
■デジタル販促はスピーディでタイムリーな情報発信が可能
デジタル販促の強みの一つは、アナログ販促と比べ素早く情報を発信できる点です。
たとえば、急な天候悪化で空席が予想される飲食店の場合、従来のチラシの印刷・配布では周知が間に合いません。デジタル販促であれば、雨の日の特別サービスを告知するデジタルクーポンを発行するなど、急な集客需要に対応できます。
従来のアナログ販促ではカバーできなかった、即時性ある情報発信をタイムリーにできる点が、デジタル販促の強みと言えるでしょう。
■デジタル販促ならデータの収集・分析が容易
デジタル販促のもう一つの強みは、顧客データの収集・分析のしやすさです。
Webサイトのアクセス解析、SNSの反応分析、オンラインクーポンの利用状況など、顧客の行動履歴をデジタルデータとして自動的に蓄積できます。
こうしたデータを分析することで、顧客のペルソナ分析、購買行動の予測、リピーター顧客の抽出など、中長期的なマーケティング戦略の立案に役立てられます。
アナログ販促に比べ、デジタル販促ではより多くの顧客データを効率的に収集・分析できる点が大きなメリットと言えるでしょう。
■SNSを使うデジタル販促では、顧客の反応を速やかにとらえられる
デジタル販促を行う際のメリットの一つは、顧客の反応をダイレクトに、そして速やかに捉えられる点です。特にSNSを利用したマーケティングでは、投稿に対するコメントやシェアなどを通じて、顧客の生の声をリアルタイムで受け取れます。
こうした反応把握は、アナログ販促では難しかった部分です。たとえば、チラシの効果測定は配布枚数や来店数など限定的で、顧客の興味関心は来店時のアンケートなどで間接的に把握するしかありませんでした。
SNSで顧客の反応が即座に得られる点の活用方法としては、キャンペーンの説明を補足して未然に炎上を防いだり、好意的な口コミを公式SNSで取り上げることでさらなる拡散につなげたり、A案とB案ならどちらが好き?とコメントを誘う形でキャンペーンを実施するなどがあります。
■デジタル販促なら費用を抑えながら販促できる
一般にアナログ販促より費用を抑えられる点も、デジタル販促の大きなメリットです。
アナログ販促のチラシやポスターでは、デザイン費用や印刷費用がかかり、配布するのにも人件費がかかります。
その点、デジタル販促であれば物理的な用意が不要な分、同じ人数に届けるコストは安価なことが多いでしょう。
ただし、大事なのは販促の効果です。チラシやインターネット広告にはそれぞれ反応率の相場があり、目的に応じた販促ツールを使うことが求められます。
おすすめデジタル販促方法5選
ここで、デジタルなツールを活用した販促方法を5つ厳選してご紹介します。
「デジタル販促にチャレンジしてみたいけど何をしていいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
■デジタルチラシを配信する
デジタルチラシは、専用アプリやWebサイトを通じて、おトク情報や新商品の案内などをお客さまに届ける販促手法です。
配信方法としては、「自社サイト」「メール・SNS」「配信ツール」などが挙げられます。
デジタルチラシの配信ツールのなかには、チラシの作成から配信までをまとめて行ってくれるサービスもあります。
また、GPSの位置情報を活用して、お店近くにいるユーザーにリアルタイムでチラシを配信することも可能です。
印刷や配布にかかる手間を省けるうえ、閲覧数や利用数の分析もできるので、販促効果の測定もしやすくなります。
たとえば、「Shufoo!」や「トクバイ」などのデジタルチラシサービスを利用すれば、簡単操作で自店のチラシを作成・配信できます。
料金システムは、定額制や従量課金制などサービスごとに異なり、予算やビジネスの内容に合ったものを選ぶといいでしょう。
■キャンペーンやデジタルクーポンをターゲットに届ける
新商品の発売キャンペーンや季節のクーポンなどは、ターゲットを絞って配信するのが効果的です。
FacebookやX(旧Twitter)、LINEなどのSNS広告では、ユーザーの属性や興味関心に合わせて広告を表示する機能があります。
たとえば、新メニューの割引クーポンを主婦層に配信したり、学生向けの特典を大学生に届けたりと、ピンポイントでアプローチが可能です。
また、デジタルクーポンツールを利用するのもおすすめです。
近年ではお店独自にクーポンを作成して、好きなタイミングで配信できるサービスが増えています。
au PAYの加盟店向けサービス「au PAY グロースパック クーポン」もそのひとつ。月額550円(税込)、クーポン利用1回ごと22円(税込)の利用料でお店独自のクーポンを配信できます。
利用状況や閲覧数もダッシュボードで可視化できるので、さらなる集客に向けた販促戦略の立案にも役立つでしょう。
「au PAY グロースパック クーポン」については以下の記事でもくわしく紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。
「au PAY グロースパック」とは?au PAYの加盟店向け新サービスを徹底解説
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/7132022年10月から、au PAYに新たな加盟店向け集客支援サービスが加わりました。その名も「au PAY グロースパック」。加盟店が自由にクーポンの値引き額や利用可能時間を設定し、即座に発行できる新サービスです。
■店舗SNSアカウントのフォロワーを増やす
店舗の公式SNSアカウントを活用するのも立派な販促方法です。
フォロワー数を増やすためには、店内POPやレシート、商品パッケージなどにアカウント情報を掲載し、お客さまにフォローを促しましょう。また、フォロワーを増やす広告を出す方法もあります。
フォロワーを増やす投稿を考える際、どのようなお客さまに情報を届けたいのか、ターゲットを意識することが大事です。
たとえば、ターゲットに対する情報発信のヒントになるのが雑誌です。ターゲット属性が読者層の雑誌を読むと、写真の雰囲気や文章のトンマナなど、いろいろと参考になるはずです。
また、SNS上では、お店の日常やスタッフの様子をアップして、親しみやすい情報発信を心がけるのもおすすめです。
投票機能を活用して新商品のネーミングを募集するなど、双方向コミュニケーションも意識してファンを増やしていきましょう。
■ポータルサイトに登録・出稿する
地域の飲食店情報などを掲載しているポータルサイトも見逃せません。
「Google ビジネス プロフィール(旧Google マイビジネス)」のスポット情報は、Google関連サービスとして検索結果上部に掲載されるため、積極的に整備すると良いでしょう。
Googleのスポット情報は第三者でも登録できるため、営業情報が古かったり間違っていることがあります。知らないうちに、機会損失や顧客の悪印象につながってしまう原因となり得ます。
そのほかにも、業界・業態ごとにさまざまなポータルサイトがあります。
無料掲載を受け付けているサービスも多いので、お店の知名度アップのために積極的に利用しましょう。
・Google ビジネス プロフィール
・食べログ
・ホットペッパービューティー
・グーネット中古車、など
■メールマーケティングツールを活用してニュースレターを配信する
メールマーケティングツールを使えば、オリジナルのニュースレターをお客さまに配信できます。
会員登録制度と組み合わせ、お誕生日クーポンなどの特典メールを自動配信するのもよいでしょう。
配信頻度や内容によっては、お客さまの購買行動を分析するデータとしても活用可能です。
「お客さまにとって本当に価値ある情報は何か?」を考えながら、継続的なコミュニケーションを図っていくことが肝要です。
なお、Googleはスパム対策強化の一環で、1日5000通以上Gmail宛てに送る場合、必要な設定を行わないとメールが届かなくなることを発表しています。
これは業務でやり取りされるメールを含めた総数でのカウントのため、大量のメール発信は、メルマガ配信サービスの利用を検討するとよいでしょう。
Gmailへのメールが届かなくなる? 2024年6月までにやるべき3つの対応 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2024/04/03/467242024年2月1日以降、Googleは1日あたり5000件以上送るメール送信者に対して要件を強化。「メール送信者のガイドライン」をWACULの安藤氏にわかりやすく解説してもらった。
デジタル販促を利用するコツと注意点
最後に、デジタル販促をより効果的に実践していくためのポイントをご紹介します。
次に解説するコツと注意点を頭に入れておくと、より効果的な販促戦略を立てられるでしょう。
■導入目的を明確にする
デジタル販促ツールを導入する前に、まずは目的を明確にすることが大切です。
「新規客の獲得」「リピーターの増加」「ブランドイメージの向上」など、具体的な目標を設定しましょう。
漠然と始めても効果は上がりません。自店の強みや顧客ニーズを分析し、達成したいゴールをしっかりと定めることが成功の鍵を握ります。
また、目的に合わせて適切なツールを選ぶことも重要です。
SNS、デジタルチラシ、デジタルクーポンなど、多様な販促チャネルのなかから自店に最適なものを見極めていきましょう。
■スモールスタートを心がける
デジタル販促でありがちな失敗は、予算を投じてすぐに大きな成果を狙うことです。しかし、初めて使うツールに大きな投資をすることはリスクが高く、期待した効果が得られないこともあるでしょう。
このような失敗を避けるためには、スモールスタートで小さくはじめるのがおすすめです。たとえば、限られた地域や顧客層に向けてキャンペーンを実施し、反応を見ながら徐々に範囲を広げていきます。
見栄えがする写真があるならInstagram運用に注力してみる、デジタルクーポンに興味があれば、試しにお店のクーポンをオンラインで配信してみるといった具合です。
小さくはじめるスモールスタートで様子を見つつ、徐々にデジタル販促を取り入れていきましょう。
■アナログ販促と組み合わせる
デジタル販促を取り入れたからといって、アナログ販促をすべてやめる必要はありません。
むしろデジタルとアナログの両方の強みを生かし、組み合わせて活用するのが効果的です。
たとえば、新製品発売時には、SNSやWebサイトで興味・関心を持ってもらうデジタル販促と、店頭でのPOPや試供品の配布、イベントの開催といったアナログ販促を組み合わせることで、購買意欲を高められます。
オンライン・オフライン双方でお客さまとの接点をもち、「販促全体の最適化」を目指しましょう。
まとめ
デジタル販促はスピーディーでタイムリーな情報発信が可能、効果測定がしやすいなど、アナログ販促にはないメリットがたくさんあります。
本記事で紹介したデジタルツールを、自店の目的や強みに合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか。
なお、au PAYでは月額550円(税込)、クーポン利用1回ごと22円(税込)の利用料でお店独自のクーポンを配信できる「au PAY グロースパック クーポン」を提供しています。
お店の近くにいるau PAYユーザーに対して即時にクーポンを配信できるので、新規顧客獲得のきっかけにもなります。ぜひ導入をご検討ください。