「キャッシュレス・消費者還元事業(キャッシュレス・ポイント還元事業)」とは?
「キャッシュレス・消費者還元事業」は、消費税率引上げのタイミングで開始された事業です。2019年10月から2020年6月の実施期間中に、消費者が対象店舗でキャッシュレス=現金以外の方法でお買い物すると、最大5%のポイント還元が行われました。
政府がこの「キャッシュレス・消費者還元事業」を行った理由には、まず2019年10月に実施された消費増税による負担感を減らし、消費者の消費を促す目的がありました。過去2回の消費増税では、毎回一時的な消費の落ち込みにより景気が悪化する傾向がみられました。そこで、期間限定のポイント還元事業を実施することで、消費を喚起し、経済活動の落ち込みを防ごうとしたものです。
もうひとつの目的は、キャッシュレス決済の普及推進です。海外ではキャッシュレス化が進んでいて、キャッシュレス推進協議会発表の「キャッシュレス・ロードマップ 2020」によれば、2017年の日本のキャッシュレス決済比率が21.4%である一方で、70〜90%台の中韓を始め、アメリカは45.5%、イギリスは56.1%など多くの先進国で40%を超えています。
現在は新型コロナウイルス感染症の影響もあるとはいえ、政府がすすめる観光立国やオリンピックなどに伴う訪日観光客の増加を踏まえると、日本もキャッシュレス化をすすめ、インバウンド需要を取り込もうという意図がありました。
現金での支払いに代わる方法として注目を集める「キャッシュレス決済」。キャッシュレス決済とは現金を使わずに決済することで、代表的な種類としてクレジットカードや電子マネー、QRコード決済などがあります。 この記事では、キャッシュレス決済の概要や、注目を集める背景、さらには世界各国のキャッシュレス事情などをまとめてご紹介していきます。
■消費者側から見た「キャッシュレス・消費者還元事業」のメリットと効果
消費者にとっては、ポイント還元でお得にお買い物できる、わかりやすいメリットがありました。対象店舗でキャッシュレス決済を利用すればポイントが付与され、事前の手続きも不要という、消費者には簡単な仕組みでした。
また日本では従来、高額決済でクレジットカードを使い、少額決済は現金という傾向がありましたが、「キャッシュレス・消費者還元事業」では中小店舗も多数参加し、QRコード決済も盛り上がったことから、少額決済でもキャッシュレス決済を使う習慣が浸透するきっかけとなりました。
■店舗側から見た「キャッシュレス・消費者還元事業」のメリットと効果
店舗側のメリットとしては、「キャッシュレス・消費者還元事業」に参加することで、集客や売上拡大の効果がありました。事業者側は事前に加盟登録申請をする必要がありましたが、ポイント還元のコスト負担は一切なく、キャッシュレス決済導入の補助も充実しているというメリットがありました。
「キャッシュレス・消費者還元事業」の効果は?全国中小店舗の過半数が参加し、売上拡大にも貢献
「キャッシュレス・消費者還元事業」は、主に中小企業を対象とした事業です。経済産業省によれば、2020年6月時点の加盟店登録数は約115万店。制度の対象になりうる中小店舗は約200万店あると推計されていたので、全国の中小店舗の過半数が参加したことになります。これは、事前の目標を大きく上回る結果となりました。
一般に、中小店舗でクレジットカードなどのキャッシュレス決済を導入する際のハードルとして決済端末の設備投資があげられます。しかし、この「キャッシュレス・消費者還元事業」では、中小企業がキャッシュレス決済端末導入をするときに、補助が出て店舗は無料でキャッシュレス決済環境を整えられました。
また高い決済手数料も中小店舗の負担感となるデメリットでしたが、開催期間中の決済手数料の一部を国が負担したため、多くの店舗が参加できたのです。
登録決済事業者のキャッシュレス決済総額は、2019年10月1日~2020年6月22日までで約11兆7,000億円。ポイント還元額は約4,870億円にも上りました。事業終了後の調査では、参加店の4割前後が売上拡大したと回答、9割前後の店舗がキャッシュレス決済を継続する意向で、8割前後の利用者が事業終了後もキャッシュレス決済の利用意向ありなど、全体にポジティブな結果が出ています。
キャッシュレス決済を「使えるお店」と「使える人」の両方が増えた「キャッシュレス・消費者還元事業」は、大きな成功を収めたと評価されています。
少額決済の決済方法として普及するQRコード決済
スマホがあれば決済できるQRコード決済は、財布から現金やカードの出し入れが必要なく、その利便性により人気が高まっています。クレジットカードのように厳しい審査がないことから、若年層の利用が多いのも特徴です。
また、新型コロナウイルス感染症の影響で、現金やカードの受け渡しがない非接触型のQRコード決済は、衛生面でも注目されています。
キャッシュレス決済にもクレジットカード、電子マネー、QRコード決済など色々種類があります。一番普及しているのはクレジットカードですが、店舗側の視点で見ると1台10〜20万円かかる読取端末の負担や、中小店舗ほど高い決済手数料などが導入のハードルになっていました。
これに対して、au PAYをはじめとするQRコード決済サービスでは、初期費用が無料だったり、決済手数料が無料または安かったりと、クレジットカードと比べコスト的な優位性があります。KDDIのau PAYなら、金融機関を問わず入金手数料が無料と、さらに店舗に嬉しいシステムになっています。
au PAYでは利用するごとにPontaポイントがたまるので、au PAYが使えるお店やPontaポイントがつかえるお店が選ばれやすく、集客やリピーター獲得につながるメリットがあります。
2017年から2018年にかけ、大企業各社がスマホを使ったQRコード決済に参入し、さまざまなキャンペーンを通じて急速に普及が進んでいます。2018年では24.1%だったキャッシュレス比率ですが、政府が従来の計画を先倒しして「キャッシュレス比率を2025年末までに40%に高める」 との目標を立てるなど、今後もキャッシュレス化が進むと見られます。クレジットカード決済とQRコード決済それぞれの特徴と違い、au PAYならではのメリットについて解説します。
au PAYをはじめ、ここ数年で急速に普及したキャッシュレス決済。キャッシュレス決済は、店舗にも消費者にも多くのメリットをもたらします。この記事ではau PAYの特徴と、導入した店舗にとってのメリット・デメリットについて説明します。
新たに実施中の「マイナポイント事業」にも期待!
「キャッシュレス・消費者還元事業」に続き、「マイナポイント事業」がスタートしています。マイナポイント事業の目的は、マイナンバーカードの普及とキャッシュレス決済の基盤構築です。総務省が実施する事業で、対象期間は2020年9月から2021年3月までの予定です。
消費者がマイナポイント事業を利用するには、au PAYなどのQRコード決済やクレジットカードなど、マイナポイント事業に対応したキャッシュレス決済サービスをひとつ選ぶ必要があります。そして、登録したキャッシュレス決済サービスにお金をチャージしたり、お買い物したりすると、利用金額の25%のポイントがもらえる仕組みです(一人あたり上限5,000円分まで)。
なお、これらは現金では還元されません。また「マイナポイント」と呼ばれる国独自のポイントがあるわけではなく、例えばau PAYでは「au PAY 残高」としてチャージされます。
■消費者が「マイナポイント事業」を利用するために必要な準備
「キャッシュレス・消費者還元事業」と異なり、消費者が「マイナポイント事業」を利用するには、自分で利用手続きをする必要があります。
・マイナンバーカードを取得し、キャッシュレス決済IDを取得する
・対象キャッシュレス決済サービスからひとつ選ぶ
・マイナポイント事業の「予約・申し込み」を済ませる
という申込みのステップがあります。
マイナンバーカードを巡っては、2021年3月より健康保険証として利用できるようになり、さらには運転免許証一体型にすることも検討されています。「どうせカードを取得するなら」と、25%の還元が受けられる今のうちにマイナンバーカード取得・キャッシュレス決済の利用を始める人も多いでしょう。
■店舗が「マイナポイント事業」を利用するために必要な準備
店舗側で必要な準備としては、「マイナポイント事業」に対応したau PAYなどのキャッシュレス決済サービスの導入で、「キャッシュレス・消費者還元事業」のように個別に国へ届け出る必要はありません。
「キャッシュレス・消費者還元事業」で大きな効果があったことから、後続の「マイナポイント事業」にも集客や売上拡大の期待がかかっています。「キャッシュレス・消費者還元事業」では全国の中小店舗の過半数が参加したとされ、競合店がキャッシュレス決済に対応しているなら、機会損失にならないよう、今すぐキャッシュレス決済の導入を検討することをおすすめします。
■マイナポイントに対応したキャッシュレス決済サービス
マイナポイントに対応したキャッシュレス決済サービスには、クレジットカードのほか、QRコード決済の「au PAY」や電子マネー「PASMO」などがあります。au PAYなどのQRコード決済は、初期費用や決済手数料が無料の所が多いため、クレジットカードより費用的なメリットがあります。
消費者側は一度マイナポイントを登録してしまうと、すでに登録したキャッシュレス決済サービスは変更できません。そのため、店舗側は消費者に人気のあるキャッシュレス決済を導入すると、マイナポイントの恩恵をより多く享受できるでしょう。
au PAYは通信大手のKDDIが運営し、会員数約3,330万人(2023年10月時点)、1億人超えの会員基盤を持つ共通ポイントプログラム「Ponta」 を有するQRコード決済の大手サービスの一角です。
KDDIの「au PAY」は、スマホだけで支払いができるキャッシュレス決済サービス。au PAYユーザーにとって一番の魅力はPontaポイントでお買い物できたり、提携社でお買い物をするとPontaポイントがたまる点ではないでしょうか。さらに「三太郎の日」などのキャンペーンを利用すれば、お得にお買い物や食事ができます。 さらにau PAYは、2020年9月から始まる政府の「マイナポイント事業」にも対応しています。au PAYでの利用を申し込めば、独自の1,000ポイントにくわえて最大5,000円分のポイントが還元されます。この記事では、マイナポイント事業の概要や申し込み方法、キャッシュレス決済の種類、利用時の注意点などを紹介します。
Go Toキャンペーンでも電子決済が使われている!?
新型コロナウイルス感染症による消費の落ち込みを受け実施されているGo Toキャンペーン。ここでも、QRコード決済が利用されているのをご存じでしょうか。Go Toキャンペーンは、旅費を援助する「Go To Travel」、食事代を援助する「Go To Eat」、エンターテイメント鑑賞料金を援助する「Go To Event」などのキャンペーンの総称です。
Go To Travelキャンペーンはもっとも早い2020年7月22日からスタートしています。これは国内旅行を対象に旅行代金の35%が割引され、さらに15%相当額を地域共通クーポンとして旅行者に配布する事業です。旅行者は「実質50%OFF」の旅行支援を受けられます。
このGo To Travelキャンペーンで旅行者がもらえる15%相当額のクーポンには、「紙クーポン」と「電子クーポン」があります。電子クーポンではQRコード決済が採用されています。
電子クーポンを使う消費者は、スマホ画面上で利用金額を選び、お店側が用意したQRコードを自分でスキャンするだけで、クーポンを使用できます。Go To EventやGo To商店街でも、電子クーポンの発行が想定されています。今後、QRコード決済の活用はいろいろなシーンで見られるかもしれません。
Go To Travelキャンペーンは、すでに多くの人に利用されています。それを通じてQRコード決済に初めて触れるという方も少なくないでしょう。利用者・店舗双方に使いやすいQRコード決済は、一層身近なものになっていくのかもしれません。
まとめ
「キャッシュレス・消費者還元事業」は、消費者側へはキャッシュレス決済利用を促進し、お店側にはキャッシュレス基盤の構築を促しました。多くの中小店舗がキャッシュレス決済導入に踏み出し、消費者もQRコード決済を始めとする「現金を使わないお買い物」をするようになりました。
「マイナポイント事業」でも、同様の成果が期待され、またGo Toキャンペーンの電子クーポンのように、QRコード決済は消費者にとってより身近なキャッシュレス決済になっていきます。
日本政府は2019年の「成長戦略フォローアップ」で、2025年までにキャッシュレス決済化比率を現在の倍である4割程度にする目標で、今後もキャッシュレス決済化を推進する方針を打ち出しています。
まだキャッシュレス決済を導入していない店舗の方も、ぜひau PAYの導入を検討してみませんか?2022年9月30日まで導入費用・決済手数料・振込手数料すべて無料と、導入しやすい環境が整っています。