急拡大するQRコード決済サービス市場
国内のQRコード決済サービス市場は、急速に拡大しています。矢野経済研究所の調査では、2018年度に3,042億円だったQRコード決済サービスの市場規模は、2019年度に1兆円を超え、2024年には市場規模が約5倍に膨らむと予想されています。
QRコード決済の加盟店になることで、年々増え続けるQRコード決済ユーザーへのアピールにつながります。また、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点でもメリットがあり、非接触で会計ができるQRコード決済を導入することは、お客さまや従業員の安心にもつながるでしょう。
QRコード決済市場は4兆円超!今後数年で10兆円規模に成長の予測も
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/67QRコード決済の市場が急拡大!2020年のQRコード決済各社の取扱高をまとめたところ、前年比4倍の4兆円超に達したことがわかりました。さらに、矢野経済研究所では今後のQRコード決済市場について、2024年には10兆円規模に達すると予測しています。日常の消費に加え、コロナ対策の自治体キャンペーンでもQRコード決済が活用されるなど、利用シーンが広がっています。
QRコード決済サービス主要6社のユーザー数を比較
QRコード決済サービスのユーザー数は以下の通りです。いずれのサービスも利用者数・登録者数が1,000万人を超えていて、3,000万人以上の5社が大手を形成しています。
名称 | ユーザー数(降順) | 補足 |
---|---|---|
PayPay | 4,230万人(2021年9月時点) | アカウント登録を行ったユーザー数の累計 |
LINE Pay | 4,000万人(2021年6月時点) | |
d払い | 3,943万人(2021年9月時点) | d払いアプリダウンロード数とd払い(iD)会員数 |
au PAY | 3,460万人(2021年9月時点) | au PAYとau PAYカードの合計会員数 |
メルペイ | 1,135万人(2021年9月時点) | メルペイ「電子マネー」の登録を行ったユーザーと「メルペイコード決済」「ネット決済」「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」等の利用者の合計(重複を除く) |
楽天ペイ | 非公開 |
【事業者・店舗向け】QRコード決済サービスを選ぶ際のポイント
QRコード決済各社のユーザー数がわかったところで、QRコード決済選びのポイントをお伝えしていきます。お店で導入するサービスを検討する際にはユーザー数だけでなく、使える場所や手数料、サポート体制なども事前に確認しておきましょう。
■ユーザー数とキャンペーンの実施数
QRコード決済のユーザー数は、サービスを選ぶときのひとつの基準となります。QRコード決済ユーザーは、意図的にそのサービスが利用できるお店に足を運ぶ傾向にあります。そのため、導入するQRコード決済のユーザー数は、将来お店に訪れる潜在客の数ともいえます。
なお、先に紹介した各社のユーザー数はいずれも、登録者の累計数です。日常的に利用している「アクティブユーザー」とは必ずしも一致しないことを理解しておきましょう。
その意味では、ユーザー数に加えて「キャンペーンの豊富さ」も重要です。ポイントの還元率が上がるキャンペーンは、ユーザーの消費を促します。キャンペーンは、非アクティブユーザーが実際にQRコード決済を利用するきっかけにもなります。キャンペーンが定期的に開催されるQRコード決済サービスを導入しておくことで、売り上げアップが期待できるでしょう。
QRコード決済主要6社の使えるお店を比較!加盟店数の規模は?
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/44QRコードをスマホで読み取るだけで決済できる「QRコード決済」。その手軽さやおトクにお買い物できる特徴から、ユーザー数・加盟店数とも増えています。QRコード決済の導入にあたっては、導入費用や決済手数料などコスト面も大事ですが、集客効果も大事。加盟店と使える場所が多いQRコード決済には、よりユーザーが集まることが期待されます。この記事では、主要なQRコード決済サービスの加盟店数とユーザー数を比較します。
■決済手数料・入金手数料
QRコード決済は、初期費用無料で導入できます。専用端末を用意しなくてはいけないクレジットカードや電子マネーよりも、手軽に始められるキャッシュレス決済手段といえるでしょう。
一方で、決済手数料は他の決済手段同様、QRコード決済でもかかる場合があります。QRコード決済は2018年ごろからさまざまなサービスが登場しています。QRコード決済サービス各社は多くのお店に導入してもらえるよう、「決済手数料が無料になる期間」を設けていました。ただそれも一巡し、2021年中ごろから決済手数料の有料化に踏み切るところも出てきています。
導入するQRコード決済を選ぶ際には、決済手数料の体系がどのようになっているのかを必ず確認しましょう。また同時に、入金手数料や入金サイクルについてもチェックすることをおすすめします。
2021年最新版 QRコード決済各社還元率を比較!おトクなキャンペーン情報も
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/63主要なキャッシュレス決済として定着してきたQRコード決済。暗証番号やサインなども不要で、ポイント還元を通じて現金よりオトクにお買い物できます。利用者もどのQRコード決済サービスがおすすめなのか知りたい所でしょう。また、QRコード決済の導入を検討しているお店にとっても、よく使われているサービスを選ぶことが大事です。今回は、2021年8月時点の、QRコード決済サービス各社の還元率とキャンペーンを比較していきます。
■サポート体制やセキュリティ
サポート体制やセキュリティも大切なポイントです。
不明点や問題が発生したときに、パソコンやデジタルツールに詳しくない方がその問題を自力で解決するのは簡単ではありません。そのため、もし技術面で不安があるのであれば、サポート体制が充実しているサービスを選ぶようにしましょう。
また、セキュリティ面では、「2段階認証」や「通信の暗号化」の仕組みを設けているところなどを選ぶといいでしょう。
各社から参入が相次ぎ、急速に普及が進むQRコード決済。au PAYは、通信大手のKDDIが運営するQR決済サービスです。au PAYでは、加盟店さま向け<a href="https://biz.aupay.wallet.auone.jp/">公式サイト</a>で安全・安心対策として「現金不要」「24時間のサポート」「2段階認証」の3つを掲げています。本記事ではau PAYの安全・安心対策の中身について解説します。
QRコード決済サービス主要6社のユーザー数と特徴
ここでは、冒頭で紹介した人気のQRコード決済サービス6社をさらに詳しく紹介していきます。
■au PAY
ユーザー数:2,700万人(2021年10月時点)
導入費用:無料
決済手数料:2022年9月30日まで無料
ポイントの種類:Pontaポイント
「au PAY」は、通信事業者のKDDIが運営するQRコード決済サービスです。ユーザーがau PAYの利用でためられるのは「Pontaポイント」。Pontaポイントは株式会社ロイヤリティ・マーケティングが運営する共通ポイントです。提携社も多く、この大きな会員基盤は、加盟店にとっても魅力です。
また、au PAYは導入費用が無料なのはもちろんのこと、決済手数料が2022年9月30日までかからないのも特徴です(通常時は2.6%)。さらに、入金手数料は振込先の金融機関を問わず、無料となっています。新たに指定銀行口座を開設する必要がなく、お手持ちの口座でスムーズに導入できるでしょう。
また、au PAYは費用面に優れることに加えて、キャンペーンも豊富です。大小さまざまな還元キャンペーンを実施しており、商店街や市区町村などエリア限定の企画も行っています。
また、「24時間サポートサービス」や「2段階認証」も取り入れており、初めてQRコード決済を導入するという事業者の方でも安心して利用できるでしょう。
■PayPay
ユーザー数:4,230万人(2021年9月時点)
導入費用:無料
決済手数料:1.6%もしくは1.98%
ポイントの種類:PayPayボーナス
国内最大級のユーザー数を誇るQRコード決済「PayPay」は、知名度が高く誰もが一度は聞いたことのあるサービスでしょう。国内の加盟店も300万店舗越えと、多くの場所で使える点がユーザーにとってのメリットです。ユーザーは「PayPayボーナス」と呼ばれるポイントをためられます。
PayPayも導入費用は無料で、還元率20%など大規模なキャンペーンを積極的に実施しているので顧客集客や売り上げアップが期待できます。かつては決済手数料が無料でしたが、2021年10月1日から有料となっています。
「PayPayマイストア ライトプラン」に加入するかどうかで、決済手数料率は変わります。PayPayマイストア ライトプランとは、店舗情報の掲載や独自クーポンの発行などができるサービスです。
加入には1,980円の月額利用料がかかり、プラン加入した場合の決済手数料率は1.6%。未加入の場合はそれよりも料率が高くなり1.98%です。ちなみに、PayPayを通じた月間売上が約50万円になると、加入と未加入の手数料が同じくらいになります。
■LINE Pay
ユーザー数:4,000万人(2021年6月時点)
導入費用:無料
決済手数料:1.98%
ポイントの種類:LINEポイント
「LINE Pay」は、コミュニケーションアプリ「LINE」のQRコード決済サービスです。すでにLINEを持っている人なら登録後、すぐに利用開始できます。2021年6月時点のユーザー数は約4,000万人。
LINE Payは、au PAYやPayPayと比較すると、キャンペーンの種類や頻度は少ないかもしれません。ただ一方で、加盟店になるメリットのひとつに、LINEを通じた顧客接点をつくれる点が挙げられます。決済をしたユーザーに対して店舗アカウントの友達追加を促すことができ、お客さんがお店のアカウントを友達追加してくれれば、お得なキャンペーン情報などを送れます。
なお、導入費用や入金手数料は無料で、決済手数料は1.98%となっています。
■楽天ペイ
ユーザー数:非公開
導入費用:無料
決済手数料:2022年9月30日まで手数料全額キャッシュバック(新規申し込みに限る)
ポイントの種類:楽天ポイント
「楽天ペイ」は、楽天グループのQRコード決済サービスです。楽天ペイのみのユーザー数は公開されていませんが、楽天カードの利用者は2020年6月に2,000万人を突破し、楽天会員数は1億人を超えています。楽天ペイの利用で「楽天ポイント」がたまり、たまったポイントは次回の楽天ペイの支払いやインターネットショッピングサイト「楽天市場」などで利用できます。
楽天ペイを導入する場合、初期費用は無料です。決済手数料は2022年9月30日まで全額キャッシュバックキャンペーンが行われています(通常時は3.24%)。また、カードリーダーをプレゼントするキャンペーンも実施しており、これを利用することでQRコード決済だけでなく主要ブランドのクレジットカードや電子マネーにも対応できます。
■d払い
ユーザー数:3,943万人(2021年9月時点)
導入費用:無料
決済手数料:2022年9月30日まで無料(新規申し込みに限る)
ポイントの種類:dポイント
「d払い」は、NTTドコモが提供しているQRコード決済サービスです。ドコモのスマホユーザーでなくても利用することができます。2021年9月時点のユーザー数は3,943万人。2020年9月時点でのユーザー数は2,999万人だったので、約1年で31%と大幅に増加しています。ユーザーがためられるポイントは「dポイント」で、たまったポイントは次回のお買い物や、携帯料金の支払いなどに利用できます。
d払いを導入する場合の費用は他のQRコード決済同様、初期費用はかかりません。決済手数料は新規申し込みに限り、2022年9月30日まで無料です(通常時は2.6%)。
■メルペイ
ユーザー数:1,000万人(2021年4月時点)
導入費用:無料
決済手数料:2022年9月30日まで無料(新規申し込みに限る)
ポイントの種類:メルペイポイント
「メルペイ」は、「株式会社メルペイ」が運営するQRコード決済サービスです。フリマアプリ「メルカリ」での売り上げをメルペイでそのまま利用できるため、メルカリを利用しているユーザーに人気の決済手段です。
メルペイはd払いとの提携をしているため、サービスの共通化が進められています。そのため、メルペイの加盟店申し込みをするとd払いも使えるようになります。また、決済手数料は従来1.5%でしたが、提携後はd払いと同じ2.6%に変更となっています。また、決済手数料は2022年9月30日まで無料になるd払いのキャンペーンが適用されます。
まとめ
今回は、QRコード決済主要6社のユーザー数と特徴を比較しました。QRコード決済市場は年々拡大しており、どのサービスも軒並みユーザー数を伸ばしています。
また、QRコード決済の導入を考える際には、ユーザー数やキャンペーンの豊富さ、決済手数料の有無などを総合的に判断するのがおすすめです。ある会社がキャンペーンを実施したとき、対抗キャンペーンを実施できる経営体力があるかが問われつつあります。
その点では携帯電話会社が運営する「PayPay」「d払い」「au PAY」が選択肢になってきます。各社とも導入費用は無料ですが、PayPayは2021年10月1日から決済手数料無料に踏み切りました。
QRコード決済をこれから導入するのであれば、2022年9月30日まで決済手数料無料キャンペーンを延長したau PAYがおすすめです。