ハロウィンの市場規模とその背景
ハロウィンは秋の10月31日に行われるイベントで、繁華街にあふれる仮装した若者が報道されるようになった頃からマーケティングに取り入れる企業が増え、現在は秋の恒例イベントとして日本全国に定着しています。
■外国人や若者のお祭りから全国的なイベントに定着した経緯
日本のハロウィンは、存在は知られていたものの、恒例行事として全国的に定着したのはここ10年ほどのこと。
例えば、CCCMKホールディングスの調査によれば、2022年には30歳以下の7割が「ハロウィンは恒例行事として定着している」と回答しています。
元々ハロウィンの本場アメリカでは、子供たちが仮装して「トリック・オア・トリート」と言いながらお菓子を求める家々を訪れるイベントです。かぼちゃをくり抜いて顔を彫ったランタン「ジャック・オー・ランタン」などの装飾もおなじみではないでしょうか。
このほかハロウィンでは、家族や友人とのパーティーやパレード、さまざまなコンテストなどが行われ、文化的祭典として広く祝われています。
一方、日本では六本木で外国人を中心に仮装パーティーが開かれたりしていましたが、繁華街が仮装した若者で混雑するニュースが報道されるようになったのが2010年代のこと。
若者にはInsta映えを求める流れやSNSの普及があり、子どもたちは2013年のディズニー映画「アナと雪の女王」の大ヒットで、コスプレ経験がある層が増えたことから、ファミリー層でもイベントとして取り入れられるようになりました。
コロナ禍前のハロウィン市場規模はバレンタイ並みの約1155億円!!
新型コロナウイルス感染症の影響で、人々が集まったり街頭に繰り出したりが難しくなったものの、コロナ禍前の2019年、日本記念日協会が推計したハロウィンの市場規模は約1155億円と、バレンタイン並みの一大イベントに成長しました。
コスプレだけでこの市場規模にはならないため、各地の菓子メーカー、ホテルやレストランやカフェ、テーマパーク、商店街、それにネット通販会社などが10月下旬の一大イベントとして売上、集客を図ろうとさまざまな企画を用意した結果の数字と考えられます。
販促イベントとしてのハロウィンの特徴
ハロウィンという販促イベントが企業側から歓迎されている理由の一つは、商材を比較的選ばないところにあります。例えば、バレンタインはチョコレートがメインというイメージが強いため、ほかの商材やスイーツ以外の業態へ広げづらい部分があります。
一方、ハロウィンは日本ではコスプレ・お菓子・パーティくらいのふんわりしたイメージのため、様々な業態・商材でマーケティング可能です。
項目 | ハロウィン | バレンタイン |
---|---|---|
ターゲット層 | 子供から大人まで幅広い | 恋人、友人、同僚を対象とした特定の層 |
商品の多様性 | コスチューム、お菓子、デコレーションなど多岐にわたる | チョコレートやスイーツが中心 |
イベント性 | パーティーや仮装大会などのイベントが多い | 贈り物の交換が中心 |
期間 | 10月末に集中、プロモーションは数週間前から | 2月14日がピーク、数週間前から準備・選び |
飲食店の集客施策として、卒業式やクリスマスなどイベント用の特別なメニューやサービスを提供するのは、よくある施策の一つ。こうした年間行事は事前に準備しやすい販促イベントと言えるでしょう。そこで、今回は飲食店で行えるイベントを季節ごと、年間通じて紹介します。
ハロウィンを販促に取り入れた具体的な事例
■カフェやレストランがハロウィンメニューを提供する例
季節のメニューとして、ハロウィン色の飲み物やデザートを提供するカフェやレストランも増加。特に、SNS映えするようなビジュアルのものは、多くの客を引きつけています。
例えば、スターバックスがかぼちゃ味のラテを出したり、クリスピー・クリーム・ドーナツがモンスター柄のドーナツを出したりした例があります。
スタッフがコスプレすることで雰囲気を出すことも、イベント感の盛り上げには役立つかもしれません。
■テーマパークがハロウィンイベントを実施する例
仮装パーティや仮装行列は、テーマパークのイベントと相性がよく、ブーム以前からイベントとして取り入れられてきました。
例えば、ディズニーランドではスペシャルイベントとしてハロウィン企画を行っていて、特別なパレードに加え、ディズニーキャラクターのフル仮装で入園可能にするなど、お客も一体となって楽しめるイベントを考えています。
関西のUSJでは、昼は家族向けにキャラクターコラボで明るく、夜は若者向けにゾンビでホラーな味付けをするなど、ターゲット層を意識した差別化をはかっています。
■雑貨やアクセサリーでのハロウィン対応例
ハロウィンは街に繰り出すだけでなく、少人数でのパーティなども視野に入ってきます。そうすると、雰囲気を出すために自宅に飾り付けをする需要が出てきます。
雑貨屋アクセサリーのモチーフとしては、魔女の帽子やコウモリ、幽霊、かぼちゃなどを取り入れることが考えられるでしょう。
また、パーティ需要を取り込む意味では、飲食店がテイクアウトでハロウィンセットを作ることも有効です。
■アパレルメーカーがハロウィン要素を取り入れる例
ハロウィンのコスプレは、量販店で安価な商品が出回っています。ただハロウィン商品を出しただけでは、売れ残りのリスクも考えられる分野です。
どう付加価値をつけ差別化するかの工夫が必要で、例えば人気キャタクターやブランドとコラボレーションすることで限定感を出し、ファンやコレクター層にアプローチする方法があります。
また、日常使い可能なデザインにしたり、事前オーダー制にすることで売れ残りリスクを低減できる部分もあるでしょう。
■メーカーによるハロウィン限定商品
大手メーカーやブランドもハロウィンを活用したプロモーションが増えています。季節限定商品としてハロウィンをテーマにした製品を展開することで、消費者の関心を引きつける試みが行われています。
例えば、食品メーカーでは、ハロウィンをテーマにした限定パッケージのお菓子や、特別なフレーバーを投入しています。同じ商品でもパッケージを変えることで季節感を出したり、ハロウィンパーティ需要を取り込める効果が期待されます。
また、化粧品メーカーや生活用品ブランドでは、ハロウィンデザインの限定パッケージや特別セットを提供しています。これにより、ハロウィンの期間だけでなく、シーズン前後の売上も伸ばすことができるでしょう。
資生堂では、美容部員がインフルエンサーとなってメイク例をInstagramやYouTube、TikTokなどに投稿しています。ハロウィンで映えるメイク例を投稿するなど、大手企業も流行を敏感に取り入れている様子が伺えます。
ハロウィン商戦を意識したau PAY グロースパックの活用方法
au PAY 加盟店様向けの集客支援サービス「au PAY グロースパック」も、ハロウィン商戦で活用したいツールの一つです。月額利用料は550円(税込)。
もし店舗が繁華街にあるなら、店舗周辺にいるau PAY会員にクーポンを配信することで、入れる店舗を探しているお客さんにアピールできます。
混雑具合や天気は直前あるいは当日にならないとわかりませんが、「au PAY グロースパック」なら即時配信可能です。
「au PAY グロースパック」に加入いただくと、店舗情報の背景画像・ジャンル別ロゴ・店舗紹介文・クーポン表示など、店舗情報を充実させられます。
ハロウィンをテーマにした背景画像や店舗紹介文に差し替えることで、ほかの掲載店舗と差別化をはかれます。
「au PAY グロースパック」の機能や使い方は、以下の記事をご確認ください。
「au PAY グロースパック」とは?au PAYの加盟店向け新サービスを徹底解説
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/7132022年10月から、au PAYに新たな加盟店向け集客支援サービスが加わりました。その名も「au PAY グロースパック」。加盟店が自由にクーポンの値引き額や利用可能時間を設定し、即座に発行できる新サービスです。
周りの好事例を観察して、自社のハロウィン販促に取り入れよう
ハロウィンというイベントはコロナ禍前に日本の恒例行事として定着し、バレンタイン並みの市場規模ポテンシャルを示しました。
ハロウィンという販促機会に注目した多様な業界、ブランドからの独自の取り組みや商品が毎年登場し、消費者の注目を集めています。
これらの好事例を観察することで、個店であっても、自社の商品やサービスにどのようにハロウィンを取り入れるかのヒントを得ることができます。
例えば、売り場の装飾からパッケージデザイン、特別なキャンペーンやイベント、メニュー構成などです。こうした他社の成功事例を参考にしながら、自社のブランドや商品に合った独自のハロウィン販促を考えてみませんか。