改めて振り返る、セールの定義と目的

「他のお店でもやっているから」「割引すれば売れるだろう」と、なんとなくセールを実施していませんか? セールは、その本質を理解し、明確な目的を持って実施してこそ効果を発揮します。まずはセールの定義と、主なセールの種類、それぞれの目的について改めて理解しましょう。
■「セール」とは?
セール(SALE)とは、特定の商品やサービスを、通常価格よりも割引して販売するプロモーション手法のこと。バーゲンや特売などと呼ばれることもあり、期間や数量を限定して実施されるのが一般的です。特に、季節の変わり目やイベントのタイミングでよく行われ、多くの店舗が在庫処分や来店促進のために活用しています。
■主なセールの種類・目的
店舗によって異なりますが、代表的なセールは以下の3種類です。
クリアランスセール
在庫一掃のために行われるセール。特に、シーズンの変わり目や商品の入れ替え時期に合わせて実施されることが一般的です。売れ残った商品を効率的に売り切り、新商品を導入するスペースや資金を確保できます。
決算セール
企業の決算期(多くは3月や9月)に合わせて実施されるセール。決算期末までに売上目標を達成させることと、在庫商品を来期まで持ち越さないための在庫処分を主な目的としています。
タイムセール
時間を限定して商品価格を割り引く手法。短期集中での集客・売上アップを目的としています。「〇時までの限定価格」「本日の〇時間限り」のように時間を指定することで「今買わないと損だ!」と顧客の購買意欲を強く刺激します。
この他にも、バレンタインデーやハロウィン、クリスマス、お正月といった季節のイベントや、創業記念日、祝日などに合わせて多種多様なテーマのセールが実施されています。
割引することがなぜお店の利益につながるのかについて、さらに詳しく知りたい場合はこちらの記事もチェックしてみてください。

お店の利益につながるカラクリとは?セール・クーポンがあえておトクを提供する理由
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/1543スーパーや小売ではセールやクーポン配信による販促をみかけますが、割引や値引きを提供することが、なぜお店の利益につながるのでしょうか。その構造について考えてみましょう。 この記事ではセールやクーポン配信の目的や、利益を出す方法について解説します。また、au PAYの加盟店様向けにクーポンの割引額設定の試算方法もご紹介します。
こんな時こそセールが効果的! 実施すべき条件

セールによる割引はやみくもに行うのではなく、明確な戦略に基づいて実施することで効果が格段に高まります。ここでは、特にセールが効果を発揮しやすい条件をご紹介します。
■条件①在庫処分や商品の入れ替えをしたい場合
季節の変わり目や新商品の導入前など、売れ残ってしまった商品や型落ち品の在庫を抱えている場合、セールは非常に効果的です。目的は、これらの在庫を早期に現金化し、新たな商品の仕入れや保管コストの削減につなげること。
特に、足が早い生鮮食品や、流行の移り変わりが激しいアパレル商品などでは、時間とともに価値が下がる傾向にあるため、セールによって早めに売り切ることが重要になります。
■条件②新商品・新サービスの認知を拡大させたい場合
新商品や新サービスの発売時にも、セールは有効な戦略です。まずは「お試し価格」として通常よりもお得な価格で提供することで初回購入のハードルを下げ、リピーター獲得へつなげることができます。ただし、あくまでも購入のきっかけづくりとしての期間限定セールにしましょう。
■条件③閑散期のテコ入れをしたい場合
来店客数が減少しやすい時期・時間帯に、テコ入れとしてセールを実施するのも効果的。
例えば、ランチとディナーの間に来客数が減る飲食店の場合は、ランチタイム後限定の「ケーキ&ドリンクセット100円引きセール」、宿泊・観光業など繁忙期と閑散期の差が大きい業種の場合は「オフシーズン限定セール」などを実施すると、閑散期の売上を補填できます。
■効果を最大化するなら「au PAY グロースパッククーポン」
セールの効果を最大化させるには、au PAYユーザーに向けて電子クーポンを配信できる「au PAY グロースパッククーポン(有料)」の活用がおすすめ。施策に合わせて自由にクーポンを作成し、好きな時にすぐに配信できるため、売上に直結させやすいのが大きな魅力です。
例えば、「夏の最終クリアランスセール実施中! このクーポンご提示でさらに〇〇%OFF」のように、セールと連動させたクーポンを配信することで、割引以上の特別な「お得感」を演出でき、集客と売上アップが狙えます。
「セールはしない」という選択も戦略のひとつ
このように、セールには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。場合によっては「あえてセールを実施しない」という選択肢が、長期的な視点で店舗のブランド価値を高め、安定した売上を築く戦略となることも。セールを実施しない戦略についても見ていきましょう。
■セールによるデメリット

セールは短期的な売上増に期待できる反面、使い方を誤ると以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
利益率の低下
商品を割引して販売すれば、当然のことながら1商品・1サービスあたりの利益は減少します。セールに頼りすぎると、通常の利益率では売上が立てられず、結果的に自らの首を締めることになりかねません。
安売りによるブランド価値の低下
セールを行う前に、「価格訴求がブランドイメージを壊さないか」という観点も考慮してみましょう。頻繁なセールや過度の割引は、「いつも安売りしているチープな店」というイメージを与えてしまうことも。お店や商品のブランディングと、販促・集客のバランスを上手に取ることが大切です。
顧客の値下げ待ちの習慣化
お客さまがセールに慣れてしまい「どうせすぐセールになるだろう」と思われてしまうと、セール期間以外には商品を購入しなくなる“値下げ待ち”の習慣がついてしまう恐れも。セール期間外の売上減少につながり、店舗経営を不安定にさせる要因になります。
■セールをしない効果とは?

あえてセールを実施しないことによる効果は、主に以下の3つが挙げられます。
①プレミアム感の演出
商品を常に通常価格で販売することは、商品・サービスの希少性や特別感を強調する効果があります。「安売りしない価値がある」といった上質感のあるブランドイメージを顧客に強く印象づけ、結果的に「このお店の商品だから買いたい」という購買意欲を醸成できます。
②品質・サービスの差別化
セールによる価格競争には参加せず、商品の品質や店舗独自のサービス、空間演出に注力することで、他店との明確な差別化を図れます。
具体的には、オーダーメイドの商品に特化する、専門知識を持つスタッフによる質の高い接客を提供する、店内の雰囲気を特別に演出するなど。顧客満足度や体験価値が高まり、“安さ”ではなく“質”で選ばれるお店として認知されやすくなります。
③常連客の信頼維持
一時的な割引ではなく安定した価格・サービスを提供し続けることは、常連客の信頼を維持することに効果的です。頻繁なセールは、いつも通常価格で購入してくれる常連客にとっては「損をした」と感じさせてしまう可能性も。セールによる一時的な客層の低下を防ぐことで、常連客に安心感を与え、長期的な顧客関係を築くことができます。
この場合は、「au PAY グロースパッククーポン(有料)」の活用が特におすすめです。「日頃の感謝を込めて。1カ月以内にご利用いただいたお客さま限定〇〇%OFFクーポン」のように、リピーターに絞ったクーポン施策を行うのも良いでしょう。
新規顧客獲得のための割引ではなく、既存顧客への感謝とロイヤリティ向上に焦点を当てることで、ブランド価値を損なわずに販促を行うことができます。
自店舗の状況や目的を見極めて、独自のセール戦略を立てよう
しっかりと的を定めて計画されたセールは、お店にとって非常に効果的な販促・集客施策となり得ます。ただ安いからではなく、お客さまの意思で選ばれるお店になるために、自店舗ならではのセール戦略を練り直してみてはいかがでしょうか。