飲食店が集客できない3つの原因
「販促や集客企画をやっても集客につながらない」と頭を抱える飲食経営者の方も少なくありません。
その理由はさまざまですが、ここでは代表的な原因を3つ紹介します。
■店舗に関するインターネット上の検索上位サイトにお店情報がない・間違っている
mov社の2023年6月の消費者向けアンケート調査によると、お店検索ではGoogle検索が主流な一方、飲食店に限定するとZ世代ではGoogle マップ、30代以上ではグルメサイトがよく使われていることがわかりました。
これらの検索結果上位に出てくる食べログやGoogle マップのスポット情報は、第三者でも登録できる仕組みで、営業情報が間違っていたり、古い状態のままのことがあります。
食べログやGoogle マップの営業情報が間違っているために、お客さまが来てみたら休日だったなどの機会損失が、知らず知らずのうちに起きている可能性があるのです。
食べログやGoogle マップのスポット情報を自店で管理していない場合、アカウントを作って無料の範囲でも最低限の情報である営業情報は最新状態にすることをおすすめします。
正確な情報を発信することが、集客の第一歩となるでしょう。
■お客さま目線でのアピールができていない
自店の強みを発信する際、お客さまが理解し、共感できる形で伝えることが重要です。
たとえば、「うちの料理は絶品です!」だけでは、お客さまにとって具体性に欠け、心に響きません。「ソファ席があります」ではなく、「窓際のソファ席は記念日利用にも最適!」など、利用シーンを連想してもらうなどの方法もあります。
自店の強みを探るには、他店の情報を参考にするのも一つの方法です。同業態の人気店やネット検索で上位に表示されるお店を見てみましょう。
• メニューの特徴や価格帯
• 店舗の雰囲気やサービススタイル
• 集客に成功しているポイント
など、自店との違いを比較してみてください。
他店の優れた点は取り入れつつ、自店ならではの魅力を掘り下げてお客様にアピールしていきましょう。
■ターゲットが明確になっていない
経営を続けていくうちに、当初想定していたターゲットとは異なる客層が中心になり、サービスとのミスマッチが生じることがあります。
そんな時は、改めて自店のコンセプトを見つめ直し、現状の利用客層を分析することから始めましょう。
そのうえで、ターゲットとするお客さまが求めるサービスを洗い出し、それに合わせた施策を実行していきます。
具体的には、以下のようなステップで進めていくのがおすすめです。
1.自店のコンセプトを再確認する
2.現状の利用客層を分析し、ターゲットを明確にする
3.ターゲットが求めるサービスを洗い出す
4.メニュー、価格、店内環境、接客など、各要素をターゲットに合わせて改善する
ターゲットのニーズに合わせてサービスを進化させることで、顧客満足度の向上と、リピーター獲得につなげていきましょう。
飲食店の集客アイデア10選
ここからは、SNSの活用、ターゲット層への特化、地域密着型の取り組みなど、多岐にわたる集客のアイデアをご紹介します。これらを元に、自店に合った集客戦略を見つけていきましょう。
■MEO対策でGoogle マップからの集客力を高めるアイデア
MEO対策とは「Map Engine Optimization」(マップ検索エンジン最適化)の略で、Google マップの検索結果で自店舗を上位に表示させるための施策です。
MEO対策の基本は、Google マップ上の自店情報を正確かつ充実した内容にすること。店名、住所、営業時間、電話番号などの基本情報はもちろん、店舗の詳細説明や写真、メニュー、口コミへの返信なども重要です。
なお、飲食店には「上位掲載を請け負う」などと営業してくる業者もいますが、やらせの口コミ等はGoogle側の規約で禁止されていて、ペナルティを受けることがあるため、ご注意ください。
Google マップで上位に表示された場合の効果としては、「笹塚 ピザ」という検索キーワードで3位以内に表示され(2022年11月時点)、検索表示回数や電話予約数が大幅に増加した「Dining&Bar笹塚ピザcamp」の例などがあります。
笹塚のMEO対策事例【Dining&Bar笹塚ピザcamp様】経路案内は670%UP!
https://smart-meo.com/case-study/camp/笹塚にあるダイニングバーの「笹塚ピザcamp」様のMEO事例です。笹塚ピザcamp様では2022年11月から対策を開始され、10ヶ月間安定して数値が伸びており、中でも経路案内や電話など集客に繋がるアクションが増加を続けています。
■お店の想いを伝える「note」の活用アイデア
飲食店の情報発信では、公式サイトやSNSの活用が一般的ですが、「note」というメディアプラットフォームの利用も増えています。
「note」は書くことに特化したシンプルな機能が特徴。お店のこだわりや想い、ストーリーなどを、読み手に伝わりやすい形で発信できます。
また、月額会費制のコミュニティが作れる機能を使えば、店主のエッセイや割引特典など、ファンとのつながりを感じられるコミュニティも作れます。
たとえば、東京のカフェ「kenohi」のページでは、サービス内容や特典が異なる会費プランを作って会員を募集しています(2024年3月時点)。常連さんやお店のファンと、店舗以外の場でも結びつきを強化している例です。
kenohiのお仲間|kenohi店主ひかる/一人時間に寄り添う喫茶食堂
https://note.com/0915hikaru/membership/join一人時間に寄り添う喫茶食堂kenohi や店主の私を ・純粋に応援したい、支援したい ・もっと知りたい、聞きたい と思ってくださる方向けのメンバーシップです。 メンバー限定にて、週に一度エッセイを投稿しています。
月額会費制のコミュニティが手軽につくれる「サークル」機能がスタートしました|note公式
https://note.com/info/n/n3820f314922dnoteの新機能「サークル」が、本日2月5日にスタートしました。 サークルでは、あらゆるジャンルのクリエイターが自分のコミュニティやサークルを手軽に月額会費制ではじめられます。参加するメンバーは交流したり、限定の情報を得たりできます。 「サークル」とは ファンがサークルメンバーとなって支援する月額会費制の機能です。いままでnoteは、読者が毎月一定数の記事を購読できる「定期購読マガジン」の機能でクリエイターがファンと継続してつながる支援をしてきました。「定期購読マガジン」は一定ペースでの記事公開を対価にしているため、執筆が得意なクリエイターを中心に利用いただいています。 サ
■「映え」を意識したメニュー開発とInstagram投稿のアイデア
SNSの普及により、「映える」「シェアしたくなる」メニューを求めるお客さまが増えています。
特にInstagramは写真や動画投稿に特化したSNSで、フォトジェニックな料理の写真が次々とシェアされていきます。
お店の認知度アップや集客のチャンスにもなるため、「映え」を意識したメニュー開発にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「映え」メニューとは、思わず写真を撮りたくなる、SNSでシェアしたくなる料理のこと。パンケーキやかき氷のブームにはじまり、とろけるチーズが魅力の韓国料理チーズタッカルビなど、動画で映える料理も人気となりました。
韓国料理「チーズタッカルビ」
メニューが用意できたら、お店のアカウントで手本的な写真を掲載して真似してもらったり、上手に撮ってくれたお客さまから許諾をもらって再アップするなどの工夫も可能です。
映えメニューのアイデアを実践している事例としては、大坂の「個室 くずし肉割烹 とろにく」があります。「自慢したくなる肉居酒屋」をコンセプトに、肉ずしや肉ケーキなど、肉料理を活かしたフォトジェニックなメニューで、Instagramを賑わせています。
個室 くずし肉割烹 とろにく (@kyobashi_toroniku)
https://www.instagram.com/kyobashi_toroniku/11K Followers, 7,089 Following, 577 Posts - See Instagram photos and videos from 個室 くずし肉割烹 とろにく (@kyobashi_toroniku)
■クラウドファンディングで話題性と顧客づくりを両立するアイデア
飲食店にとって、初期の顧客獲得は大きな課題です。その課題に対し、クラウドファンディングと連動した会員制の導入が注目されています。
まず、お店のコンセプトや提供価値に共感してくれる支援者を、クラウドファンディングで募ります。用意する特典としては、予約の優先枠確保、特別メニューの提供、サイン入りのグッズプレゼントなど、支援者だけが体験できる価値を用意します。
クラウドファンディングで「何万円の出資を集めたあのお店」「会員募集が即完売!」などの話題性は、後々まで注目店としてのPRに活用でき、また会員制があることで、最初から安定した集客が期待できます。
以下のページで、完全会員制の焼かない焼肉屋「29ON」が、どのようにクラウドファンディングを活用したか、紹介されています。
データ・ドリブンかつ業界初の飲食店ビジネスモデルづくりに取り組むスタートアップ、favy(ファビー)の儲かる仕組みを解き明かす特集の1回目。完全会員制レストランの「29ON(ニクオン)」や日本初の定額制コーヒースタンド「coffee mafia(コーヒーマフィア)」など、新たなビジネスモデルを次々に成功させてきた同社の強さの源泉は、ネット通販並みのデータ活用によるマーケティング手法を飲食業界に持ち込んだことにあった。
■「選ぶ楽しさ」で差別化するアイデア
ファッションや雑貨で「1000通り以上の組み合わせが可能!」といった謳い文句を見たことはありませんか?飲食店のメニューに「選ぶ楽しさ」を取り入れるのは、満足度と集客力を高める効果的なアイデアです。
トッピングを自由に選べるピザ、具材を選べるオムライスなど、お客さまが自分だけのオリジナルメニューを作れる仕組みは、他店にない独自性を打ち出せます。
また、「選ぶ楽しさ」は、SNSでの拡散効果も期待できます。自分だけのオリジナルメニューは、シェアしたくなる話題性があります。
参考になる事例としては、東京・渋谷の居酒屋「UOHIDE渋谷Udagawa」の名物メニュー「おちょこ丼ランチ」が挙げられます。
一口サイズのおちょこ丼を複数種類の中から自由に選べるスタイルで、「日本流行丼大賞2022・特別賞」も受賞。SNSで話題を集め、集客力アップに成功した事例です。
株式会社KayaGroupのプレスリリース(2022年12月5日 10時25分)日本流行丼大賞2022・特別賞に『おちょこ丼』が受賞!
■子ども向け体験イベントで家族連れを呼び込むアイデア
子ども向けの体験イベントを開催するのは、家族連れの集客に効果的なアイデアです。
子ども向けの体験イベントは、リピート客の獲得にもつながります。楽しい思い出が結びついたお店には、また行きたいと思ってもらえる可能性が高いからです。
名古屋市を中心に複数店舗を展開する「ステーキのあさくま」では、「1日コックさん体験」という無料のキッズプログラムを行っています(2024年3月時点)。
子どもたちがシェフと一緒にステーキを焼き、家族に提供するという内容で、料理の楽しさを体験できる機会を提供。家族連れの集客とリピート率アップに成功している事例だと言えるでしょう。
キッズ★体験|ステーキ&ハンバーグのあさくま|1948年創業で全国65店舗以上を展開中
https://www.asakuma.co.jp/kids.htmlコーンスープやハンバーグでおなじみの「ステーキのあさくま」公式サイト。全国に65店舗以上展開する1948年創業の老舗ステーキレストランです。
■SNSで海外からの集客を図るアイデア
訪日外国人観光客の取り込みを狙うなら、SNSを活用した情報発信と、来店客との積極的なコミュニケーションが鍵を握ります。
外国人フォロワーを増やすことはもちろん、記念写真を一緒に撮ってSNSに投稿してもらったり、お店のハッシュタグを使ってもらったりすることで、口コミでの拡散効果が期待できます。
また、外国語対応スタッフの配置やジェスチャーを交えたコミュニケーションなど、店舗でのホスピタリティあふれる接客も大切です。
渋谷の「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS」は、わずか5坪ほどの小さなお店ながら、Instagramを通じた外国人フォロワーとのコミュニケーションと、手厚い接客で海外からの観光客を集客している例です。
2年後のTOKYO2020に向けて、各社インバウンド戦略に力を入れつつも、まだまだ成功のロールモデルが少ないのが日本の現状です。そんな中、渋谷の道玄坂に、外国人のお客さんが絶えないお店があります。その名は「ABOUT LIFE COFFEE...
■「おひとりさま向けプラン」で1人客を取り込むアイデア
焼肉店等、複数人前提なことが多い業態では、「おひとりさま向けプラン」を用意することが、「1人でも歓迎」というメッセージを発信することにつながります。
プランには、1人分の量に調整したメニューや、複数の料理を少しずつ楽しめるコースなどがおすすめ。1人でも入りやすい雰囲気づくりを心がけることも大切です。
たとえば札幌の「ジンギスカンひげのうし南5条店」では、おひとりさま向けのコースメニューを用意しグルメサイトでもそのことをアピールしています(2024年3月時点)。
■「キッズデー」の設定でファミリー層を取り込むアイデア
子連れでの外食は、他のお客さまへの配慮や、子ども向けのメニューやサービスがあるか不安を感じるファミリー層も多いもの。そんな不安を解消し、「子連れ大歓迎」というメッセージを発信するのが「キッズデー」の役割です。
キッズデーには、子ども向けのメニューやサービスを用意し、家族みんなで楽しめる特別な日として演出。通常営業日とは異なる特別感を出すことで、ファミリー層の来店を促すことができます。
青山の「レストラン タニ」では、毎週土日祝はキッズデーとして予約制のキッズプレートのメニューを設け、子連れ家族にやさしいサービスを提供しています(2024年3月時点)。
SPECIAL MENU | キッズデー | レストラン・タニ Restaurant TANI | 南青山 フレンチレストラン
http://www.restaurant-tani.com/special/kids.htmlSPECIAL MENU | レストラン・タニ Restaurant TANI。外苑前駅から徒歩3分、表参道駅から徒歩8分の南青山フレンチレストラン。
■デジタルクーポンを活用して集客力を高めるアイデア
チラシやクーポンの配布は集客に効果的ですが、印刷や配布に時間やコストがかかるのが難点でした。そこで注目したいのが、スマートフォンアプリで配信するデジタルクーポンです。
デジタルクーポンなら、印刷コストをかけず早ければ即日配信でき、利用状況の把握や効果測定も容易です。
たとえば、au PAYのau PAY グロースパッククーポンでは月550円(税込)、配布1回あたり22円(税込)と安価にau PAY アプリでクーポンを配布でき、急にできた空席や天候悪化の際に、状況に応じてクーポンを即時発行するなど、紙ベースではできなかった新しい使い方も可能です。
横浜市の「緑山ハーブガーデン ナチュラパス」では、au PAYアプリのクーポン配信サービスを活用し、集客力の向上につなげています。
au PAY グロースパック クーポン導入事例「緑山ハーブガーデン ナチュラパス」様
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/1507au PAY アプリにau PAY加盟店様のクーポンを掲載できるサービス「au PAY グロースパック クーポン」。チラシ配布等の販促方法より安価で、必要な時にすぐ発行できる特徴があります。自然があふれる場所で「ハーブと食事が楽しめる」をコンセプトに、約150種類のハーブや小果樹などの苗販売とカフェを展開する、横浜市の「緑山ハーブガーデン ナチュラパス」様に「au PAYグロースパック クーポン」の活用方法についてお話をお伺いしました。
「au PAY グロースパック」とは?au PAYの加盟店向け新サービスを徹底解説
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/7132022年10月から、au PAYに新たな加盟店向け集客支援サービスが加わりました。その名も「au PAY グロースパック」。加盟店が自由にクーポンの値引き額や利用可能時間を設定し、即座に発行できる新サービスです。
au PAY グロースパック クーポン 月額利用料が初月無料!|au PAY
au PAYとは、業界トップクラスで店舗様に導入されている会員数が約3,000万超のスマホ決済サービスです。導入費用、入金手数料が0円。導入はかんたん、QRコードを店頭に設置するだけ。最短1週間で利用できるようになります。
まとめ
飲食店の集客には、ネット上での積極的な情報発信やお店の強みを活かすことが重要です。
本記事では、「MEO対策」「note活用」「映えメニュー×Instagram」「クラウドファンディング」「選ぶ楽しさの提供」「子ども向けイベント」「SNSでの海外集客」「おひとりさま向けプラン」「キッズデー設定」「デジタルクーポン活用」の10のアイデアを紹介しました。
これらのアイデアはいずれも、お店の特徴を最大限に活かした集客方法です。また、無料で使えるデジタルツールも増えているので、デジタル販促初心者の方でも取り組みやすくなっています。ぜひ参考にして、新たな集客手法にチャレンジしてみてください。