キャッシュレス決済の種類と特徴
キャッシュレス決済とは、その名の通りお札や小銭などの現金を使用せずに決済を行うことです。キャッシュレス決済には主に4種類ありますが、お金の流れの面からそれぞれの特徴を確認しましょう。
●クレジットカード
●デビットカード
●QRコード決済
●電子マネー
店舗に対しては、各サービスごとの入金サイクルに沿って後ほど入金が行われる点は、どのキャッシュレス決済でも同じですが、ユーザーから見ると大きく「前払い」「即時払い」「後払い」に分かれます。
クレジットカード
クレジットカードは、日本国内のキャッシュレス決済の中で最も普及している決済手段です。お客さまに対しては、毎月定められた日にクレジットカード事業者がまとめて登録口座から引き落とします。そのためクレジットカードは、「後払い」方式のキャッシュレス決済とも呼ばれます。
デビットカード
デビットカードはクレジットカード同様、キャッシュレス決済でお買い物できるカードです。クレジットカードと異なる点は、店舗やオンラインショップで決済を行うと、紐づけておいた銀行口座から即座に請求額が引き落とされます。
こうした特徴から「即時払い」のキャッシュレス決済と呼ばれ、クレジットカードと比較すると審査は厳しくなく、収入がない学生や主婦の方でも持てることが特徴です。デビットカードでは、銀行口座にある金額以上のお買い物ができないため、使いすぎる心配もありません。
QRコード決済
QRコード決済は、スマートフォンを活用したキャッシュレス決済です。お客さまがスマートフォンのアプリ上で提示するQRコードを店舗の端末で読み取ったり、店舗に掲示されているQRコードをお客さまがアプリで読み込んだりすることで決済ができます。
カードを受け渡すなどの必要がないので、非接触型決済方法として新型コロナウイルス感染症対策としても注目を集めています。導入店もこの数年で急増しており、主要なキャッシュレス決済手段のひとつに成長しました。
基本的に、QRコード決済アプリの残高へ事前にチャージする「前払い」方式ですが、クレジットカードと紐づけて「後払い」ができるQRコード決済サービスもあります。
電子マネー
Suicaなどに代表される電子マネーは、事前に金額をチャージして利用する「前払い」方式のキャッシュレス決済です。Suicaなどの交通系電子カードでは、駅の改札をワンタッチで通れるほか、コンビニや自動販売機などさまざまなところで利用できます。また、交通系の電子マネー以外にも、「WAON」や「nanaco」など主にスーパーやコンビニで利用される流通系電子マネーも普及しています。
「前払い」方式であるため、クレジットカードのような審査がなく誰でも使うことができ、支払い時に暗証番号などを入力する必要もなく、最も気軽に利用できるキャッシュレス決済手段のひとつといえるでしょう。なお、クレジットカードと連携することでオートチャージや後払いに対応した電子マネーもあります。
2019年は「キャッシュレス元年」といわれ、キャッシュレス決済の利用率が高まりました。各社のキャンペーンや、政府の「キャッシュレス・ポイント還元事業」も大きな話題となりました。現金を取り扱わずに決済する「キャッシュレス決済」には、クレジットカード/電子マネー/QRコード決済など、さまざまな種類があります。この記事では、キャッシュレス決済の基礎知識や種類、それぞれの特徴について解説していきます。
キャッシュレス決済の売上は、実際に入金されるまでは売掛金として扱う
店舗側がキャッシュレス決済を導入し運用していく上で、現金決済との違いを抑えておくことが重要です。現金決済と異なりキャッシュレス決済では、キャッシュレス決済事業者や決済代行会社を通して後日、売上金が入金されます。
【売上の流れ】
●現金決済:お客さま→店舗
●キャッシュレス決済:お客さま→キャッシュレス決済事業者(もしくは決済代行会社)→店舗
つまり、店舗でキャッシュレス決済が行われた時点と実際に入金される時点の間に、タイムラグが発生します。売上から入金されるまでのタイムラグの間、売上金は「売掛金」として扱いましょう。
なお、タイムラグの期間はキャッシュレス決済各社で異なり、売上がまとめて翌月に振り込まれる場合や早期振り込みサービスによって数日後に入金される場合などがあります。
キャッシュレス決済の仕訳・会計処理方法
それでは、キャッシュレス決済の仕訳と会計処理の方法を具体的に見ていきましょう。最大のポイントは、売上時と入金時でそれぞれ仕訳するという点です。
■売上時の仕訳
ここでいう「売上時」とは、お客さまが店舗で決済をした日を指します。例えば飲食店で2021年11月1日に顧客が1,000円のランチ代をQRコード決済で支払った場合、店舗側は下のような仕訳処理をします。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
売掛金 | 1,000 | 売上 | 1,000 | 2021年11月1日売上 |
借方の勘定科目には、資産科目である「売掛金」を用います。売掛金とは「売上にかかる債権」という意味で、売上の対価として将来的に金銭を受け取る権利のことです。
普通預金や現金などを使わず「売掛金」になる理由は、キャッシュレス決済の場合、後日キャッシュレス事業者から代金が振り込まれるからです。
■入金時の仕訳
次に入金時の仕訳を見ていきましょう。「入金時」とはお客さまが店舗で決済をし、後日その金額がキャッシュレス事業者(もしくは決済代行業者)から事業用口座に入金された時点を指します。上で紹介した2021年11月1日分のランチ代1,000円が、12月10日に振り込まれたとすると以下のような仕訳処理を行います。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
普通預金 | 1,000 | 売掛金 | 1,000 | 11月分QRコード決済分 |
実際に入金されたときに行う仕訳なので、借方科目には「普通預金」と記録します。このように、キャッシュレス決済では売上時と入金時でそれぞれ仕訳する必要があります。
■一部手数料が差し引かれて入金された場合の仕訳
キャッシュレス決済では、キャッシュレス事業者(もしくは決済代行会社)から決済手数料や入金手数料が差し引かれて入金されることがあります。キャッシュレス決済の手数料率は、キャッシュレス決済サービスや店舗の売上によって異なり、おおよそ3%が相場です。
例えば1,000円分の売上が発生した後、決済手数料が3%差し引かれて代金が入金された場合、下のように仕訳します。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘用 |
---|---|---|---|---|
普通預金 | 970 | 売掛金 | 1,000 | 11月分キャッシュレス決済分 |
手数料 | 30 | 11月分キャッシュレス決済分 |
貸方金額の1,000円の部分は変更せずに、普通預金の借方金額を実際に振り込まれた金額である970円(貸方金額-手数料)に変え、手数料30円を記録します。入金手数料が別途引き落とされた場合も、同様の方法で仕訳を行います。
■お客さまがキャッシュレス決済のポイントで支払った場合の仕訳
QRコード決済などのキャッシュレス決済では、お客さまがたまったポイントを使ってお買い物することがあります。「Pontaポイント」や「楽天ポイント」などが例に挙げられます。これらのポイントを利用してお客さまが支払いを行った場合、店舗側は特別な仕訳は必要ありません。
特別な仕訳が必要ない理由には、これらのポイントはあくまでキャッシュレス決済事業者側が処理をするものだからです。店舗側は、後日決済手数料や入金手数料を引いた売上分を受け取ることができるため、売上金額に影響することはなく、会計処理上は特別な処理をせずとも問題ありません。
キャッシュレス決済の会計処理では売上と入金を把握するのが鍵!
現金決済と異なり、キャッシュレス決済では売上が上がってもすぐに現金は入ってきません。これが事業者から「キャッシュレス決済は面倒」「資金繰りが不安」といわれる理由です。
まず、現金決済は手元に現金があるという意味では安心ですが、人手不足のなか毎日のレジ締めにかかっている人件費が負担になっている店舗も多いはずです。この点ではデータで管理できるキャッシュレス決済にもメリットがあります。
次に入金までのタイムラグについて。キャッシュレス決済では、入金まで一カ月程度タイムラグが発生することがあります。一方で、これらの問題は「普通に売上管理を行えば」解決できるものです。入金日は事前にわかっているので、それを踏まえて資金繰りの計算を行えば問題ありません。
また、月2回の入金や数日以内に入金されるキャッシュレス決済サービスも増えています。キャッシュレス決済を導入したからといって、必ずしも会計処理が面倒になったり資金繰りが悪化したりするわけではありません。
キャッシュレス決済は店舗運営の効率化にもつながる
キャッシュレス決済を導入することで、現金管理の手間が省ける分、業務効率が上がることが期待できます。キャッシュレス決済比率が上がると、店舗で扱う現金が減ります。その結果、営業終了後にレシートと突き合わせながら現金を数えたり、営業前に釣銭の準備をする手間が減る、という流れです。
特にレジ締め業務については、従業員の人件費削減にもつながります。飲食店など閉店後にレジ締めを行うと、深夜労働として割増賃金が発生してしまうケースも見られます。無駄な時間や経費を削減する意味でも、キャッシュレス決済の導入は有効です。
au PAYなら売上管理も楽々!
au PAYは、KDDIが運営するQRコード決済サービスで、ユーザー数は増加傾向にあります。
店舗側は新たに機器などを導入する必要がなく、すでに店舗にあるスキャナーやタブレットを利用できるので、手軽に導入できるキャッシュレス決済手段として人気です。すでに、飲食店や小売店のほか、美容室や床屋、ネイルサロンなど幅広い業種の方に導入いただいています。
店舗でau PAYの決済が行われた場合、決済履歴は管理サイト上ですべて確認できます。取引の詳細確認・払い戻しも管理画面上で完結するので便利です。売上の確認がしやすくなり、経理に費やす時間の節約にもつながります。また、不明点が出てきたときは管理サイトから24時間いつでも質問することができ、サポート体制も万全です。
au PAYは、最短で翌々営業日の振り込みも可能!
資金繰りの面では、au PAYでは入金回数を以下の3つから選べます。
・毎月1回(末日締め→翌月未払い)
・毎月2回(15日締め→翌月15日払い/末日締め→翌月末払い)
・早期振り込みサービス(最短で翌々営業日)
資金が急に必要になった際も、「早期振り込みサービス」を利用すれば最短で翌々営業日に売上が振り込まれます。また、通常振り込みの際に発生する入金手数料はau PAY側が全額負担。早期振り込みサービスは通常1回につき210円(税込)かかりますが、当面無料となっています。
さらに、au PAYは導入手数料・決済手数料も0円になるキャンペーンを開催しています。2022年9月30日まで決済手数料が無料なので、リスクを最小限に店舗のキャッシュレス化を進められます。
まとめ
今回はキャッシュレス決済の仕訳・会計処理方法を解説しました。現金より会計処理が難しいというイメージがもたれがちですが、仕訳方法を2つに分けて行うポイントを理解すれば、後は繰り返しです。また、QRコード決済などのキャッシュレス決済では、管理画面上で売上管理が可能になるため現金管理の手間が省けたり、レジ締めなどの人件費削減も期待できるなど、業務効率化も期待できます。
QRコード決済サービスのau PAYでは、毎月2回の振り込みや早期振り込みサービスを利用できるため、資金繰りへの影響も最小限に抑えられます。さらに今なら導入費用・決済手数料・入金手数料すべて無料で始められるので、これを機にキャッシュレス決済の導入を検討してみてはいかがでしょうか。