自治体のサポートのもと、町ぐるみのキャンペーンを実施!
鰺ヶ沢町は青森県西部に位置し、北は日本海に面し、南は世界自然遺産の白神山地と、雄大な自然に恵まれています。
四季折々の自然を楽しめる鰺ヶ沢町で、ドミナントキャンペーンを企画した背景や、キャンペーン効果、今後の展望などについて、鰺ヶ沢町企画観光課 企画振興班 主事の工藤 啓晃さん、キャンペーンに参加された鰺ヶ沢ショッピングセンター パルを運営する株式会社パル 事務局の市前孝志さんのお二人にお話を伺いました。
日本海に面した青森県西部に位置する鰺ヶ沢町
鰺ヶ沢町民のキャッシュレス決済の推進、町の認知度向上を目指した
鰺ヶ沢ショッピングセンター パルの店頭や店内の各所にキャンペーン告知のポスター等を展開
——ドミナントキャンペーンを実施しようと考えられた理由を教えてください。
工藤さん:鰺ヶ沢町としましては、まず時代の流れも鑑みて町全体のキャッシュレス決済を推進させたい思いがありました。また、鰺ヶ沢町の認知度向上施策という側面に加え、ドミナントキャンペーンに参加いただく企業様の売上アップや宣伝につながることで、少しでも地域経済の活性化を期待して企画をスタートしました。
実施に向けましては、商工会を通じて町内のau PAY加盟店にお声がけをさせていただき、事前説明会を行ったのですが、その結果、企画に賛同いただけたこととKDDI様のバックアップにより、参加いただいた企業様は約50店舗にのぼりました。
市前さん:私どもの「鰺ヶ沢ショッピングセンター パル」にはテナント様が5店舗入っているのですが、このドミナントキャンペーン企画が立ち上がるまで、au PAYに加盟しているのは2店舗だけでした。ただ、今回のキャンペーンの趣旨や、客単価のアップや売上向上につながる可能性を説明したところ、全店舗がau PAYの導入を決め、キャンペーンに参加してくれました。どの店舗も協力的でしたし期待していたのだと思います。
今回のドミナントキャンペーンを担当した鰺ヶ沢町企画観光課の工藤さん
——今回のキャンペーン内容を教えてください。
工藤さん:鰺ヶ沢町のau PAY加盟店の対象店舗にて、1回500円(税込)以上をau PAY(コード支払い)でお支払いいただくと、抽選で5名様に10,000Pontaポイントを、20名様に5,000Pontaポイント、100名様に500Pontaポイントをプレゼントするキャンペーンを実施しました。
市前さん:私ども「鰺ヶ沢ショッピングセンター パル」では、店内各所にキャンペーンのポスターを掲示したり、店頭にフラッグを置いていました。他の店舗も、それぞれの判断でキャンペーン告知をしていたようです。
キャンペーンに協力された株式会社パル 事務局の市前さん
——キャンペーン期間を2024/7/1〜7/31に設定した理由を教えてください。
工藤さん:鰺ヶ沢町観光のトップシーズンが夏場なのですが、特に8月のお盆前後がピークを迎えます。町外からの集客増加を考えたり、より幅広い層に鰺ヶ沢町のドミナントキャンペーンを訴求するならば、ピーク前に実施した方が宣伝効果は高まると考え、7月の1ヶ月間に設定しました。
パル店内の一角にて、商店会の加盟店オーナー向けの「キャッシュレス説明会」を実施
——キャンペーンに向けて、事前に準備されたことがあれば教えてください。
市前さん:私どもショッピングセンター パルでは、各出入口にポスターを掲示し、au PAY決済可能なレジ付近にはスイングPOPを掲示しました。また、キャンペーン期間の最初の土日には、入口付近にブースを設けてKDDI主催によるアプリ導入イベントを実施しました。
工藤さん:それに加えて、KDDIが主催となって、町内の公民館2カ所にてキャッシュレス決済教室を実施していただくなど、手厚いサポートをしていただきました。
利用金額、決済回数ともにアップ、近隣市町村からの誘客にも成功
——今回のドミナントキャンペーンの効果について教えてください。
工藤さん:町民全体のキャッシュレス決済については、少しずつではありますが増加傾向にあります。また、本キャンペーンの報告書からも決済件数が前月比123.1%、ユニークユーザー数が119.8%と増加しました。
さらに、今回ドミナントキャンペーンに参加いただいた加盟店様からは「期間中に来客者や売上がアップした」というお話を頂戴しています。そういう意味においては、想像よりも良い結果につながったと思っています。
市前さん:私どものショッピングセンターに関しては、確実にお客様の数が増えましたね。それと、20km以上離れた近隣の町からau PAYが使えるからという理由で初めて来店された方がいらっしゃいました。
それはたまたまお客様と会話できたことでわかったのですが、他にも同じような方がいらっしゃるのだと思うんです。お客様にしてみれば、au PAYが使えることで、買い物をする場所や店舗の選択肢が増えているのかなと感じましたね。
また、昨年7月とキャンペーン期間となった今年7月のキャッシュレス決済利用者数を比較したところ、本年度は約300人増加していました。全店のキャッシュレス決済数比率を見ても、昨年7月が3.73%だったのに対して4.33%に増加。まだ数字としては大きくありませんが、確実にキャッシュレス決済者は増えています。
工藤さん:近隣市町村に関しては、KDDIさんから居住地別の決済者データをいただいたのですが、利用金額と決済回数ともに町外の方の伸び率が大きかったので、今回のドミナントキャンペーンは他の市町村からの誘客にも効果があったと思います。
これは当初の想定以上で驚きましたし、新たな発見でもありました。外貨の獲得ではありませんが、鰺ヶ沢町民以外からの収入確保にも効果的だと実感しています。
——今後、2回目、3回目のドミナントキャンペーンは検討されていますでしょうか?
工藤さん:あくまでも担当者としての個人的な意見ですが、第2弾・第3弾も行いたいですし、実施時期を変えるなどのトライアルも行ってみたいですね。鰺ヶ沢町にはスキー場がありますのでウインタースポーツ目的の観光客も多いです。今回は夏にドミナントキャンペーンを実施しましたが、冬にやるとどうなのか。そんな実験的な取り組みにも挑戦できたら良いですね。
市前さん:参加店舗からは、ドミナントキャンペーンをできるのであれば年末年始の帰省客が増えるタイミングで実施すれば、効果があるのではないかという意見もありますね。また、「au PAY グロースパック クーポン」を導入している店舗も徐々に増えていますので、うまく相乗効果を生むようなキャンペーンができれば。
私どものショッピングセンターの利用客は高齢者が多いのですが、その割にはキャッシュレス決済を利用される方が多くて、売上的にもキャッシュレス決済が全体の2割程度を占めるようになっているんです。なので、ドミナントキャンペーンのような企画があれば、さらに利用者が増えるような気がしますし、期待もしています。
——ドミナントキャンペーンの実施を検討している商店街、自治体の皆さまへのアドバイスがありましたらメッセージをいただけますでしょうか?
工藤さん:鰺ヶ沢町でのケースですが、想定していた以上に効果があったと感じています。また、特に60歳以上の高齢者もキャッシュレス決済を使いこなしている印象を受けました。これも想定以上でした。なので、高齢化が進む自治体においても検討の余地はあると思います。データ取得の意味合いも込めて、キャンペーンの実施をお勧めします。
JR鰺ヶ沢駅前に店舗を構えるショッピングセンター パル
取材協力
青森県鰺ヶ沢町企画観光課 企画振興班
https://www.town.ajigasawa.lg.jp/index.html
鰺ヶ沢ショッピングセンター パル
https://ajipal.jp/
住所:青森県西津軽郡鰺ヶ沢町舞戸町上富田149-2