2022年のクリスマスのトレンドは?飲食店は何をすべき?
コロナ禍3年目のクリスマス。消費トレンドはどのようになっているのでしょうか。まずはクリスマスのトレンドを確認して、「いま飲食店がすべきこと」を考察していきます。
■2022年トレンドは「おうちクリスマス」と「外出派」に分かれる
大手コンビニのファミリーマートが2022年10月に実施した「クリスマスに関する意識調査」(全国約30,000人を対象)によると、今年のクリスマスの過ごし方として「自宅でクリスマスディナーを食べる」「ホームパーティをする」と回答した割合が約半数を占める結果となりました。
一方で、「レストランなどでクリスマスディナーを食べる」「イルミネーションなどのイベント・ショーを見に行く」など外出派の割合も徐々に増えてきており、2022年のクリスマストレンドは、「おうちクリスマスと外出派の二極化」がキーワードになりそうです。
■コンビニやファストフードもお持ち帰り強化!
友達とワイワイしたり、おうちでまったりと過ごしたりするクリスマスが主流となる今、コンビニやファストフード店もステイホームのニーズを狙った「お持ち帰りメニューの強化」を進めています。
例えば大手コンビニチェーン・セブン‐イレブンは2022年、有名シェフや高級ホテルが監修するケーキを数多くラインナップしています。ケーキ専門店も顔負けのクオリティとなっており、ハレの日にふさわしい本格仕様の商品が並びます。さらに、パーティメニューやワインの品揃えも多く、自宅でクリスマスを過ごす人に向けた商品が充実しています。
また、ファストフードチェーンのケンタッキーフライドチキンも、クリスマス商戦により一層の力を入れています。クリスマスを含むたった7日間(12月20日~26日)の売上は年間売上の5%以上を占めており、ケンタッキーにとってクリスマスは年に一番の書き入れ時です。2022年は定番のオリジナルチキンやパーティバーレルに加えて、国内産銘柄鶏「五穀味鶏」を贅沢に使用した「プレミアムシリーズ」も販売されています。
上記2社とも高付加価値商品の販売に力を入れており、2022年のクリスマスは「“ちょっと贅沢”なテイクアウト」がトレンドといえそうです。
■飲食店は「ハレの日テイクアウト」と「お店でしかできない体験」を用意しよう
飲食店を営業されている事業者の方は、クリスマス商戦の準備は早めにしておくことが大切です。すでにご紹介したように、今年は「おうち派」と「外出派」に分かれることが予想されます。両方のニーズに対応するためにも、特別な日に食べたい「ハレの日テイクアウト」の強化と「そのお店独自の体験・サービス」を提供するのがいいでしょう。
〇「ハレの日テイクアウト」
特別な日に特別なものを食べてお祝いをするというのは、昔からの風習です。クリスマスも同様で、飲食店にとっても売上に大きく直結する大事な日といえるでしょう。クリスマスに食べたい定番の食べ物といえばケーキ、チキン、ピザなどが挙げられます。これらのメニューでテイクアウト対応をすると集客効果が期待できます。
【クリスマスに食べたい人気・定番の食べ物】
・クリスマスケーキ
・ローストチキン
・フライドチキン
・ローストビーフ
・ピザ
・クリームシチュー
・寿司
・唐揚げ
・シャンパン・ワイン
〇「お店でしかできない体験」
店内で飲食をしてくれるお客さんに対しては、そのお店でしか体験できないサービスを提供しましょう。自宅では作るのが難しい豪華な食事、お店でしか味わえないムードや夜景など、飲食店の利点を最大限活かすのがポイントです。
飲食店にとっては、お客さまに来店してもらうことこそが最大の喜びであり、クリスマスは店内に活気を取り戻す絶好の機会となります。感染対策にも細心の注意を払いながら、お客さまに安心・安全に楽しんでもらえるサービスを心がけましょう。
■クリスマス販促のカギは準備とコンセプト
「どういうふうにクリスマス販促を考えればいいのか」「感染再拡大が起こったらどうしよう…」と不安の飲食店も多いのではないでしょうか。しかし、先にお伝えしたテイクアウト強化と店内での顧客体験の強化を同時に行うことで、あらゆる事態に対応するためのリスクヘッジにもなります。
そして、そのためには「準備」がかかせません。企画を考えて、告知を行い、当日を迎える。準備は早ければ早いほうがいいのはもちろんですが、「今からではもう遅い」ということはありません。やる気になれば、3日であなたのお店ならではのクリスマス販促を行うことだって可能です。
さらにクリスマスの販促を行う際、準備と同じくらい大事なのが「コンセプトづくり」です。他店より魅力的なものをどれだけ提供できるかは、顧客を惹きつけるコンセプトにかかっています。
「安くて、おいしい」というコンセプトももちろん魅力的ですが、それだけではコンセプトとして弱く、さらにはハレの日というクリスマスのニーズにもあまり即していません。例えば、子ども連れのファミリーをターゲットとするなら、「ファミリーが楽しめるお店」をコンセプトにします。サンタが登場する店内イベントを実施して、子どもたちにちょっとしたプレゼントを配るのもいいでしょう。
逆に「クリスマスに1人で立ち寄れるお店」をコンセプトとするなら、おひとり様のみ来店可能なイベントを実施するのも効果的かもしれません。工夫次第でいろいろな企画を考えられるので、他店と差別化を図るためにも「どんなクリスマスをお客さんに過ごしてもらいたいのか」「どんなお客さんに来店してもらいたいのか」など、お店ならではのコンセプトを確立させましょう。
飲食店必見!クリスマスの販促アイデア6選
続いて、クリスマスの販促アイデアをご紹介していきます。
■クリスマス限定メニューを用意
普段は提供していないメニューをクリスマス限定メニューとして準備するのは、クリスマス販促の王道です。通常のグランドメニューを提供しているだけであれば、お客さまにとってあえてクリスマスにそのお店を利用する理由はありません。
前述したようなクリスマスに人気の定番メニューなどを用意して、クリスマス感を演出しましょう。たとえフライドチキンやピザなどの定番メニューだとしても、メニュー名に「限定」とつけるだけでもお客さんは「せっかくだから食べたい」と思ってくれるかもしれません。季節の食材や高級食材も使ったりして、商品の付加価値アップを行いましょう。
■SNS映えする店内装飾を施す
せっかくのクリスマスなのでSNS映えするような店内装飾をしてみてはいかがでしょうか。見た目にもおいしいクリスマス限定メニューを用意しても、店内の雰囲気がその料理にマッチしていなければせっかくの価値が半減してしまいます。お客さまが来店したくなるよう、店内を清潔に保ち、クリスマスの雰囲気にあった装飾をしましょう。また店外にもクリスマスツリーやイルミネーションを施すと、通行人へのアピールになります。
■テイクアウト予約や早割キャンペーンを実施する
クリスマス当日のテイクアウトを効率的にオペレーションするためには、今から予約の受付を行うのが良策です。一定数の予約を獲得できれば、仕入や仕込みも無駄なく行えるほか、クリスマス当日のオペレーションもスムーズになるでしょう。当然、売上アップも見込めるので、テイクアウトメニューを用意するのであれば積極的に予約獲得を狙うのがおすすめです。
なお、予約獲得のためには「特典」を用意するといいでしょう。例えば、「5日前までの予約で500円off」といった早割を設けて、お得感があることを消費者に訴えます。
■席数をあえて減らして特別感を演出する
座席数をあえて減らして特別感を演出するのもおすすめです。座席数を減らすことで、一度に受け入れられる客数は減ってしまいます。ただ、客席を少なくすることでお客さまはゆったりと食事を楽しむことができ、一人当たりの店内滞在時間も増えるでしょう。そうなれば客単価アップにつながり、さらには顧客満足度の向上が期待できます。
同時に対応しなくてはいけない客数も減るので、お客さま一人ひとりに対して手厚い接客ができるのもポイントです。お客さま同士の物理的な距離も広がるので、感染対策にもつながるでしょう。
■クリスマス関連ノベルティを用意する
クリスマスといえばプレゼントです。販促の一環として、お店ならではのノベルティやオリジナルグッズを用意してみてはいかがでしょうか。お菓子の詰め合わせ袋、クリスマス仕様のケーキ皿、サンタの置物など、可愛らしくユーモアに富んだものであれば子どもも大喜びすること間違いありません。費用はかかってしまうものの、店名が刻まれているノベルティであればその後の宣伝効果も期待できます。
■クリスマス衣装を着用する
クリスマス期間中には、従業員の制服をクリスマス仕様にするのもおすすめです。サンタやトナカイの衣装を身にまとったり、クリスマスモチーフのアクセサリを付けてみたり、クリスマスを感じられる装いにするとハレの日の特別感をさらに演出できるでしょう。
まとめ
2022年は、「おうち派」と「外出派」がはっきりと分かれるクリスマスになりそうです。飲食店を経営されている方は、おうち派にはテイクアウトメニューを、外出派にはクリスマスならではの店内体験を用意しましょう。
また、クリスマス販促のカギは準備とコンセプトです。早めの準備を心がけ、お店として「どんなお客さんに来店してもらいたいか」「どんなクリスマスを過ごしてもらいたいか」などのコンセプトを明確にしましょう。アイデア次第で費用をかけずに集客することも可能なので、事業者や従業員も楽しみながらクリスマスならではのお店づくりをしてみましょう。