ホワイトデーのギフト戦略で押さえておきたい基本情報

毎年3月14日の「ホワイトデー」は、バレンタインデーにチョコレートやプレゼントを贈られた男性が、そのお返しとして女性にプレゼントを贈る日です。
その起源は1978年、福岡県・博多の菓子店「石村萬盛堂」にあります。女性のお客さまから、「男性からバレンタインデーのお返しがないのは不公平……」という声が上がったことに対して、バレンタインギフトの“お返しの日”を作ろうと「マシュマロデー」を提案したことに由来する、という説が有力です。
そして、バレンタインデーのお返しにお菓子を贈る日として、全国飴菓子工業協同組合が「ホワイトデー」と名付け、1980年に第1回ホワイトデーが開催されました。
なお、このようにホワイトデーは日本発祥の文化であり、欧米ではあまり一般的ではありません。
■ホワイトデーにまつわる顧客の動向
ホワイトデーギフトに対して、消費者はどう行動し、どんなマインドを持っているのでしょうか。
株式会社ロイヤリティ マーケティングが実施した2024年の調査によると、ホワイトデーギフトを渡す相手の人数は1.17人、予算額は2,601円、1人あたり平均は2,218円。さらに、ホワイトデーに贈り物を渡す相手は、「配偶者(39%)」「配偶者以外の家族(15%)」「異性の友人・知人(14%)」の順に多いという結果でした。
また、「渡すものを考える・探すのが面倒」「多くの種類の菓子が並ぶのを見て楽しんでいる」「できる限り渡す人数を減らしたい」などの声も多く、ホワイトデーギフトに頭を悩ませたり、少しネガティブな気持ちを持ったりしている人の割合が高いようです。
(出典:株式会社ロイヤリティ マーケティング「2024年ホワイトデーに関する調査」)
■ホワイトデーギフトの相場
近年のホワイトデーギフト相場について見ていくと、バレンタインデーにもらった贈り物より少し高め、または同額程度の価格をお返しのギフト購入に費やしている傾向があるようです。
バレンタインデーに贈るギフトは2,000~3,000円程度がおおよその相場。そのため4,000~5,000円を目安にするのが良いといわれています。
もちろん、相手との関係性や年齢によって適切な価格は異なります。学生など若年層の場合はもらったものと同じくらいの価格のものを選んだり、同僚や友人へのお返しには同額~1.5倍程度のものを選んだり、シーンによって相場感は変わってきそうです。
ホワイトデーギフトの販促アイデア

店舗の集客・販促にホワイトデー商戦をうまく取り入れるためのアイデアをご紹介します。ホワイトデーでは、バレンタインデーにチョコレートを贈るのが定番であることに比べると、食品・食品以外を問わずさまざまなものをギフトとして贈る傾向があり、幅広いカテゴリーの店舗に商機があるといえるでしょう。
前述の調査結果にあったとおり「何を渡すか考えたり、探したりするのが面倒」という顧客のインサイトに寄り添い、購入者層や贈る相手にぴったりとマッチするホワイトデーギフトを提案することが、集客・販促を成功へと導くカギです。
■相手別のギフト提案

ホワイトデーでは、相手との関係性やどんな気持ちを込めて贈るかによって、選ばれるギフトが変わってきます。ホワイトデーギフトを贈る相手別に、相性の良いギフトをご紹介します。
恋人・配偶者・パートナー
特別な想いのある相手へのギフトは、日頃の感謝と愛情を伝える特別な品を選びたいものです。
定番は、特別な日にふさわしい高級スイーツ。マカロンは「特別な存在」、バウムクーヘンは「幸せがずっと続くように」など、スイーツによって意味が異なることが一般に浸透しています。それぞれの意味を記載した店内POPを設置すれば、特別な相手へのギフトを探しているお客さまの目に留まりやすくなります。
また、雑貨・日用品店の場合は日頃から身に着けやすいアクセサリーや香水、飲食店ならホワイトデーディナープラン、サービス系の店舗なら2人で体験できるリラクゼーションのペアチケットなどの提案もおすすめです。
家族
母親や姉・妹、娘など家族へのギフトは、日頃の感謝の気持ちが伝わるアイテムがマッチします。
雑貨・日用品店なら、入浴剤やカトラリー、タオルなど日常生活になじむもの。食料品店の場合は、家族みんなで和やかに楽しめるスイーツやグルメ。お子さんからの場合は手作り料理やスイーツを振る舞うシーンもありそうです。
同僚や友人
同僚や友人には、気を遣わせないものや、カジュアルに使えるものが好相性です。
食料品店の場合は、お菓子やコーヒー、紅茶など個包装でばらまきやすいもの。雑貨・日用品店は、ハンカチやせっけん、入浴剤など気軽に使えるものを提案すると良いでしょう。
目上の人
職場の人や知人の中でも、目上の人へのギフトは少し傾向が異なり、日頃の感謝と尊敬の気持ちを込められて、かつ気を遣わせない、いわゆる「消えもの」が無難です。
食料品店の場合は、チョコレート、フィナンシェなどの洋菓子や和菓子、紅茶など。雑貨・日用品店は、ハンドクリームや上質な文房具、上質な消耗品などが喜ばれそうです。
以上を踏まえて、POPやチラシ、陳列棚などの売り場づくりに反映させると、ホワイトデーギフトに悩んでいるお客さまの心に響くでしょう。
■価格帯別のラインアップ

贈る相手によってギフトの金額にも差が出てきます。価格帯別にホワイトデー向きのアイテムを紹介します。
1,000円台
職場や友人へのばらまき用ギフトなど、ちょっとしたお礼や義理チョコのお返しに適した価格帯です。
複数の友人・同僚に配る場合は、個包装の焼き菓子やキャンディー、コーヒー、紅茶など、家や職場で気軽に楽しめるものが良さそうです。食品以外なら、使い切りサイズの入浴剤やリップクリーム、ハンドクリームなども定番どころといえます。
2,000~3,000円台
家族や恋人向けのギフトが多い価格帯で、幅広いジャンルや商品から選べそうです。
スイーツなら、少し高級なチョコレートやケーキ、焼き菓子など特別感を演出できるもの。ネックレスやピアスなど普段使いしやすいアクセサリーや、ミニ香水、アロマキャンドルなども人気です。タンブラーやマグカップといった実用性のあるものも良いでしょう。
5,000円以上
恋人・配偶者・パートナーなど特別な人への本命ギフトが増えてくる価格帯です。
食品なら、マカロンやブランドもののチョコレートといった高級スイーツが定番。食品以外の場合は、高級感のあるジュエリーやコスメ、財布・バッグ類のほか、上質なバスソルトやボディケア用品、美容家電やマッサージグッズなど、疲れを癒やすアイテムも人気です。
■駆け込み需要を狙った訴求
ホワイトデーギフトの購入経路は近年、通販サイトなどオンライン経由が増えています。とはいえ「忙しくてギリギリまで用意できなかった」「ネットで探すのが面倒なので自宅や職場近くで購入したい」という需要も見逃せません。
逆に、駆け込み需要は実店舗ならではの大きなチャンスともいえます。店頭POPやSNSなどで、近場ですぐに購入できるメリットを訴求することが効果的です。
■大手ECサイトのホワイトデー特集も参考に
前述のとおり、ホワイトデー商戦は通販サイトが主戦場となりつつある分、各サイトでのホワイトデー特集ページも特色あるものが増えてきています。
大手や人気サイトの施策アイデアは、実店舗の販促・集客に反映できるものも多数。品ぞろえやサイトのデザインに近年のトレンドが反映されたものも多いので、人気サイトをチェックして参考にしてみましょう。
キャッシュレスだけじゃない、販促ツールとしても便利な「au PAY」

ホワイトデー商戦の売上アップには、便利な販促ツールの導入も有効な手段。「au PAY」はレジ精算の効率アップやau経済圏のユーザーを取り込めるメリットがあるのはもちろん、au PAY導入店舗が利用できる「au PAY グロースパック クーポン(有料)」も便利に活用できます。
■集客・リピート率アップに期待できる「au PAY グロースパック クーポン」
ホワイトデー商戦をきっかけに新規顧客を獲得し、さらにリピーター育成につなげたいなら、店舗に合ったクーポン施策を手軽に行える「au PAY グロースパック クーポン」がおすすめ。
例えば、飲食店やサービス業の場合は「ホワイトデー限定コースが〇%OFF」、日用品店なら「ホワイトデーギフト購入で次回使える△円引き券プレゼント」など、店舗のカテゴリーや品ぞろえ、ユーザー層などに合わせたクーポンを好きなタイミングで手軽に配信できます。
1加盟店あたり月額550円(税込)と利用料も手頃。お店の近くにいるユーザーにターゲットを絞れたり、ホワイトデー前日の売れ残り防止にタイムリーなクーポンを配信できたりと、効果的な集客・リピーター獲得のためにフレキシブルに利用できます。
ホワイトデー商戦を売上アップの起爆剤に
今回は、ホワイトデー商戦に備えるための事前知識と、売上アップを狙った具体的な販促アイデアを紹介しました。
バレンタインよりも幅広い商品の需要が高まるホワイトデーギフトは、ぜひ乗り遅れないよう準備したい絶好の商機。店舗に合わせた集客・販促に取り組んで、売上アップはもちろん、新規顧客やリピーター獲得も目指しましょう。