後払い決済とは
「後払い決済」とは、商品やサービスの購入代金を、購入時点ではなく後で支払うキャッシュレス決済全般を指します。 この「後払い決済」のことを海外では一般に「BNPL(Buy Now Pay Later)」と呼びます。
ただし、後払い決済には制度あるいはキャッシュレス決済としての厳密な定義があるわけではないため、人によってどこまでを後払い決済としてみなすかの違いがある点に、注意が必要です。
【後払い決済の分類】
分類 | 特徴 |
---|---|
コンビニ後払い | 狭義の後払い決済はこの「コンビニ後払い」を指す。商品・サービスを受け取った後、指定期日以内にコンビニ等で代金を支払う。 |
クレジットカード | 一括・分割・リボ払いなど後払いの選択肢が多い。 |
キャリア決済 | 月々の通信料金と合算して支払う。 |
後払い設定したQRコード決済 | 前払い方式に分類されることもあるが、クレジットカード連携等で後払い設定できるサービスも多い。 |
ここでは、後払い決済の基本的な概念から、具体的なサービスの特徴までを解説していきます。
■狭義の後払い決済
狭義の後払い決済は、「NP後払い」などの各種「コンビニ後払い」サービスを指します。「コンビニ後払い」は、商品・サービスの提供を受けた後、購入代金をコンビニ・銀行等で支払う仕組みです。請求書は商品に同梱されたり、別途送付されてきます。
「コンビニ後払い」では、事前審査をおこなわず、購入時にリアルタイムで審査・与信する「割賦販売法の適用がない短期間の後払い」を指すことが一般的です。
後払い関係の法規制では、購入から支払いまで2カ月以上かかる場合、割賦販売法の対象となり、利用者の審査や加盟店の調査義務などが課されます。そのため、「コンビニ後払い」では支払期限を原則1カ月以内に設定しています。
「コンビニ後払い」とは、利用者の審査が義務付けられておらず、回収リスクが高くなるところを、5万円等利用上限額を少額に抑えることで、利便性とのバランスを取ったサービスといえるでしょう。
■広義の後払い決済
購入時点ではなく後で支払う決済手段という概念からは、広義の後払い決済にはクレジットカードやキャリア決済、後払い設定したQRコード決済なども該当します。
クレジットカードの後払いでは、利用時には支払いが発生せず、後日まとめて支払います。多くのクレジットカードでは、一括払いのほか、分割払いやリボ払いなどの選択肢があります。
キャリア決済は、KDDIなどの通信事業者から提供される決済方法で、主にオンラインコンテンツの購入やアプリ内課金などで利用されており、月々の通信料金と合算して後払いで決済されます。
QRコード決済の中には、クレジットカードや銀行口座と連携することで、後払いが可能なものもあります。
au PAYでも後払い決済ができる
au PAYの場合の、後払い決済の設定方法について、具体的に見ていきましょう。
au PAYも対応しているQRコード決済は、残高にチャージしてから利用することから、前払い型に分類されることがあります。
しかし、実際にはクレジットカードやキャリア決済と連携させることで、au PAYでも後払いで支払いができます。
QRコード決済でも後払い!?チャージ不要で利用できるスマホ決済を紹介
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/70現金を持ち歩かなくてもお買い物できるキャッシュレス決済。後払いできる決済方法といえばクレジットカードが代表的でしたが、前払い中心のQRコード決済でも後払いに対応しているのをご存じでしょうか。この記事では、au PAYで後払いする方法をご紹介します。au PAYとau PAYカードを連携させることで、ポイントの還元率も上がります。
■au PAYとクレジットカードの連携方法
〈ステップ1〉au PAY アプリを起動し「チャージ」を選択する
〈ステップ2〉「クレジットカード」を選択する
〈ステップ3〉クレジットカード情報を登録する
〈ステップ4〉チャージ金額を入力しチャージする
〈ステップ5〉本人認証して連携完了
■au PAY とキャリア決済の連携方法
auまたはUQ mobileのスマホを使っている方は、au PAYとキャリア決済「auかんたん決済」を連携させることも可能です。
《チャージ方法》
〈ステップ1〉au PAY アプリを起動し「チャージ」を選択する
〈ステップ2〉「au かんたん決済」を選択する
〈ステップ3〉チャージ金額を入力しチャージする
〈ステップ4〉契約時の4ケタの暗証番号を入力して連携完了
QRコード決済は、一般に事前にチャージして決済する前払い方式と説明されます。実際にはau PAYのように、クレジットカードやキャリア決済と連携することで、後払い方式にも対応しています。お店からすると、客単価アップや残高不足による売上機会損失を避けられるメリットがあります。
QRコード決済でも後払い!?チャージ不要で利用できるスマホ決済を紹介
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「コンビニ後払い決済」の審査と利用上限額の与信
「コンビニ後払い決済」では、クレジットカードのように事前審査がないという言い方がされることがあります。しかし、実際には利用のたびに決済代行会社が即時の審査をおこない、その結果にもとづいて利用上限額が設定されます。
クレジットカードの事前審査では勤務先や収入情報など、支払い能力を確認されますが、「コンビニ後払い決済」では本人確認情報などから各社独自の審査がおこなわれます。
また、初期の利用上限額は5万円等低額に設定され、支払い履歴が良好なら徐々に利用上限額を拡大していきます。
この仕組みによって、利用者は自身の支払い能力に応じて「コンビニ後払いケサイ」サービスを活用でき、決済代行会社側も未回収リスクを軽減できるのです。
利用者にとっての「コンビニ後払い決済」
ここからは、狭義の後払い決済である「コンビニ後払い決済」について、くわしく見ていきます。
「コンビニ後払い」は、オンラインで商品を注文し、受け取った後にコンビニエンスストアで支払いができるサービスです。
クレジットカードがなくても利用でき、商品を確認してから支払えるため、「カード情報を入力したくない」「届いた商品が期待通りか心配」といった利用者の悩みを解決します。
商品選択から支払いまでの簡単な流れと、このサービスがどのように私たちの買い物を快適にするのか、詳しく見ていきましょう。
■「コンビニ後払い決済」を利用する流れ
「コンビニ後払い決済」は、主にオンラインショッピングの決済につかわれています。「コンビニ後払い決済」を実際に利用する場合の一般的な流れは、以下のとおりです。
1.利用者が商品やサービスを注文し、支払方法を選択します。このとき、例えば以下の選択肢があります。
・銀行振込
・代金引換
・クレジットカード
・コンビニ後払い決済
・QRコード決済
・キャリア決済
2.「コンビニ後払い決済」を提供する決済代行会社が、即時に与信審査します。この審査は通常、数秒から数分で完了します。
3.審査に通過すると、販売店に通知が行き、商品・サービスの発送や提供が可能になります。
4.利用者は商品やサービスを受け取ります。
5.決済代行会社は、販売店に代金を立て替えて支払います。
6.利用者は、指定された期日までに、コンビニや銀行振込などの方法で支払います。
■主な「コンビニ後払い決済」サービス
利用の流れでは支払い方法の選択肢で「コンビニ後払い決済」を選択しましたが、「コンビニ後払い決済」は複数社から提供されているサービスの総称です。したがって、実際の選択肢は、各社のサービス名になっていることに注意してください。
ここでは、「コンビニ後払い」サービスいくつかを、運営会社や支払い方法、利用上限額、支払い期限などにもとづいて紹介していきます。いずれも2024年8月時点のため、最新の情報は各社公式サイトで詳細をご確認ください。
ネットプロテクションズ社の「NP後払い」
「NP後払い」のコンビニ後払い決済は、2023年3月31日時点で20.3万店舗と導入店舗数が多いことや、「NPポイント」という独自ポイントがたまることが特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | ネットプロテクションズ株式会社 |
支払い方法 | コンビニ、銀行振込、郵便振替、スマホ決済の『請求書払い』機能(LINE Payなど) |
利用上限額 | 55,000円(税込) |
支払期限 | 請求書発行後14日以内 |
公式サイト | https://np-atobarai.jp/ |
GMOペイメントサービスの「GMO後払い」
「GMO後払い」のコンビニ後払い決済は、インターネットサービスを展開するGMOグループのサービスです。「GMO後払い」側で請求書発行・督促業務・入金管理すべてをおこなってくれるため、業務負荷の軽減が期待できます。
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | GMOペイメントサービス株式会社 |
支払い方法 | コンビニ、銀行振込、郵便局、LINE Pay、その他決済アプリ |
利用上限額 | 原則55,000円(税込) |
支払期限 | 請求書発行後14日以内 |
公式サイト | https://www.gmo-ps.com/customer/ |
ペイディ社の「paidy」
「paidy(ペイディ)」のコンビニ後払い決済は、AmazonやQoo10のほか、Visaマークのあるネットショップならどこでも、スマホだけでお買い物ができることが特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | 株式会社Paidy |
支払い方法 | コンビニ払い、銀行振込、口座振替 |
利用上限額 | 利用者により異なる |
支払期限 | 翌月27日まで |
公式サイト | https://paidy.com/ |
■「コンビニ後払い決済」を利用する場合の注意
「コンビニ後払い決済」は、クレジットカードのように事前審査もなく利用のハードルは低いですが、支払い状況等に注意が必要です。
「コンビニ後払い決済」の利用限度額は、支払い状況などから都度審査・与信されるため、未払いや遅延があれば、次回の利用ができなくなったり、利用限度額が上がらなくなることが考えられます。
くわえて、1社あたりの利用限度額は低めですが、複数社のサービスを利用すれば、総額ではご自分の支払い能力を超えてしまう可能性があります。
支払いに無理のない範囲で、計画的に利用しましょう。
また、商品・サービスをキャンセルする場合は、速やかにキャンセル手続きや商品の返送を行いましょう。手続きが不足していたり、商品を返送していなければ、そのまま支払い義務が発生してしまう可能性があります。
事業者にとっての「コンビニ後払い決済」
総務省の「通信利用動向調査(令和5年)」からも明らかなように、オンラインショッピングにおける、コンビニエンスストアでの支払いは、クレジットカードや各種電子マネーについで35%前後と、ニーズが大きいことがわかっています。
※総務省「通信利用動向調査(令和5年)」より
コンビニエンスストアでの支払いのニーズが大きい背景には、学生の方がオンラインで服や雑貨を買うような場合に、クレジットカードを持っていなかったりすることが挙げられます。
一方、事業者としてコンビニエンスストアでの支払いに対応するかは、色々な要素の検討が必要です。たとえば、商品・サービスを先に提供するということは、未回収のリスクが発生するということです。
常時入金確認・督促などの業務が発生する上、事業規模が小さかったり、薄利多売な業態の場合は、そうしたコストの負担が見合わないことも考えられます。
自社で直接コンビニ後払いサービスを提供するのではなく、決済代行業者の「コンビニ後払い決済」サービスを利用するメリットはここにあります。
「コンビニ後払い決済」サービスの場合は、利用者からではなく、決済代行会社から入金される仕組みのため、未回収リスクが保証されるメリットがあります。
また、後払いに対応することで、ショッピングサイトでカートに入れた後で購買をやめてしまう「カゴ落ち」という機会損失が減ることが期待されます。
後払い決済は計画的に利用することが大切
後払い決済といえばかつてはクレジットカードが主流でしたが、近年は決済サービスが多様化しています。
後払い決済を利用することで、オンラインショッピングをより気軽に便利に楽しめます。
ただ、後払い決済は支払いを後回しにできてしまうため、使い過ぎには注意しましょう。
また、事業者にとっては、後払い決済を導入することで売上アップや新規顧客の獲得が期待できます。
今回ご紹介した内容を参考にしながら、後払い決済を上手に使いこなしましょう。