県民割やGo To トラベル再開日や今後期待される観光促進策
2022年1月から実施されていた「まん防」が、2022年3月21日をもってすべての都道府県で解除されました。これに伴い、中断されていた「県民割」や「Go To トラベル」も順次再開される見込みです。
「緊急事態宣言」や「まん防」については、年末に一旦感染状況が落ち着いた後、オミクロン株の感染拡大に伴って各都道府県でまん防が適用されていたものです。
まん防が適用された都道府県では、都道府県知事の判断で、飲食店に対し営業時間の短縮や酒類を提供しないことや、大人数での会食を避けることなどが要請されました。
要請内容については、感染防止対策を講じた「認証店」であるかによって異なります。また、イベントでも人数の上限が5,000人に制限されるなど、イベント・観光業にも影響があるものでした。
「Go To トラベル」の再開時期は未定ですが 、「県民割」の拡大を先行させて様子を見つつ、改めて検討するものと見られます。
新たなGo To トラベルの変更点は?
2021年12月28日から中断されている「Go To トラベル」ですが、今後の実施内容については以下の通り発表されています。2021年実施時との違いとしては、割引率・割引上限額・地域共通クーポンの金額・感染症対策の有無などです。
■割引率
2021年の35%から、30%に変更
■一泊あたりの割引上限額(宿泊付)
2021年の14,000円から、交通付き10,000円、宿泊のみ7,000円に変更
■割引上限額(日帰り)
2021年の7,000円から、3,000円に変更
■一泊あたり地域共通クーポン
2021年の旅行代金の15%から、平日3,000円/休日1,000円に変更(詳細は別途発表予定)に変更
■感染症対策
●ワクチン・検査パッケージの活用
●旅行後、2週間以内に陽性となった際の報告や旅行中の行動履歴の記録
これらの変更の意図については、2021年11月の観光庁で説明されています。割引率の引き下げなど、おトク感が薄れつつある一方、上限を抑えることで高級ホテル等の利用に集中しがちだった実情の改善などが含まれています。
交通費を含む旅行商品で割引上限額を引き上げたことには、交通事業者や地方観光の対策を強化した側面もありそうです。
また、平日の割引率を上げることで、週末に観光地が混み合って密になりやすい状況から分散することが期待されます。
■安全・安心な旅行環境の確保
感染防止対策や、ワクチン・検査パッケージの活用
■中小事業者への配慮
・低価格帯の実質割引額の引き上げ
・団体旅行について、GW後の都道府県の実施において一定の給付枠を割り当て
■旅行需要の平日への分散
・平日は地域共通クーポン券を上乗せ
■地方への観光を支援するための配慮
・交通費を含む旅行商品は割引上限額を引き上げ
■ソフトランディング処置
・割引率の段階的引き下げ
・GW後は都道府県による事業とし、地域の実情に応じて柔軟に割引等を設定
対象が地域ブロックに拡大される「県民割(地域観光事業支援)」
中断されている「Go To トラベル」ですが、「県民割」については各都道府県で順次再開されています。「まん防」解除を受けて、2022年4月からは、地域ブロック内の都道府県の旅行についても県民割の対象となります。
従来県民による県内旅行か、隣接都道府県からの旅行者による県内旅行に限定されていた「県民割」の対象が、2022年4月1日から以下の通り変更されます。大きいのは、全国を6つのブロックに分け、それらの地域ブロック内からの旅行者による県内旅行についても県民割の対象とする点です。
■北海道・東北
北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
■関東
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨
■北陸信越・中部
新潟、富山、石川、長野、福井、岐阜、静岡、愛知、三重
■近畿
滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌
■中国・四国
鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知
■九州・沖縄
福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
なお、2022年3月時点では、東京都は「県民割」に参加していません。
Go To トラベルキャンペーンでQRコードが活躍!
過去のGo To トラベルで付与された地域共通クーポンは、「紙」と「電子」の2種類がありました。電子クーポンには、店の掲示するQRコードを利用者がスマートフォンで読み取って処理する「店舗提示型」が活用されました。
金額としては、1,000円単位で1,000円~5,000円の5種類の電子クーポンが用意され、利用者は専用ページにログインをして使いたい額を選択します。紙クーポンと比べ紛失するリスクがなく、スマートフォンひとつで会計を済ませられる点が大きな特徴です。
Go To トラベルが実施された際、店舗によっては紙クーポンのみ対応し、電子クーポンには未対応のところもあったようです。
「電子クーポンまで対応しきれない」「QRコード決済に慣れていない」などという理由で導入に至らなかった店舗もありますが、電子クーポンに対応していないことで事業者としては機会損失が生まれてしまいます。
各自治体のポイント還元キャンペーンでもQRコード決済が活用されるなど、今後もキャッシュレス決済比率が高まることが予想されます。事業者としても今後に備えてQRコード決済に慣れておくことがおすすめです。