グリーンライフポイントの仕組みとは?
グリーンライフポイントは国の気候変動対策事業のひとつで、脱炭素型のライフスタイルへの転換を進めるため、環境に配慮した製品やサービスを選んだ人にポイントを発行する仕組みです。
まずは仕組みを理解し、私たちの生活にどのような影響があるのかを見ていきましょう。
■グリーンライフポイントは環境省の気候変動対策の一環
気候変動により、国内外でさまざまな気象災害が多発しています。そして、気候変動の原因は温室効果ガスだと考えられており、現在進行形で地球規模での温室効果ガス排出量削減が進められています。
日本では2020年10月、2050年までに「カーボンニュートラル」を目指すことが宣言されました。カーボンニュートラルとは、二酸化炭素に代表される温室効果ガスの「排出量」と森林などによる「吸収量」の合計をゼロにすることを意味する言葉です。
そして、カーボンニュートラルの達成のための方策のひとつが「グリーンライフポイント」事業です。
カーボンニュートラルを達成するためには、日本の温室効果ガス排出量の約6割を占めるといわれる衣食住を中心とした国民のライフスタイル転換が必要です。
グリーンライフポイントのインセンティブによって、ライフスタイル転換が加速することが期待されています。
■グリーンライフポイントでは、環境に配慮した製品・サービスを利用するとポイントがたまる
グリーンライフポイントは、環境に配慮した商品やサービスを利用することでポイントが付与されます。
グリーンライフポイントという独自のポイント制度があるわけではなく、利用した店舗(家電量販店・スーパー・通販サイトなど)それぞれが発行している既存のポイントに、グリーンライフポイントが上乗せされる仕組みです。
付与されたグリーンライフポイントは既存のポイントと同様に利用ができるため、消費者が特別な手続きをする必要はありません。
なお、対象となるのは「グリーンライフポイント」事業に採択された商品・サービスで、要件は以下の通りとなっています。2022年10月時点で34件の商品・サービスが採択されています。
① 温室効果ガス排出量の2030年46%削減、2030年食品ロス半減、ワンウェイプラスチック25%排出抑制等の目標達成に資する環境保全効果を有すること。
② 国民の脱炭素・循環型ライフスタイルへの転換に資する取組であること。
③ 環境配慮製品・サービスの選択等の環境配慮行動に対するポイントの発行数、発行した対象の環境配慮行動、発行した場所及び発行先の人数等並びに二酸化炭素削減効果、食品ロス削減効果及びワンウェイプラスチック排出抑制効果等の環境保全効果に関する目標等記載した事業計画書を提出すること。
④ 補助事業が完了した日からその年度末までの期間及びその後の3年間の期間について、環境配慮行動に対するポイントを継続して発行すること。
くわしくは、環境庁の資料をご確認ください。
グリーンライフポイントの対象となる分野は5つ
カーボンニュートラルを達成するためには、日本の温室効果ガス排出量の約6割を占めるといわれる衣食住を中心とした国民のライフスタイル転換が必要です。そのため、グリーンライフポイントでも衣食住などの5つの分野が対象となっています。
■「衣」分野のグリーンライフポイント対象
ファストファッションに代表されるように世界では多量の衣類が日々、作られては捨てられています。ファッション業界が環境に与える影響は非常に大きく、衣類の大量生産・大量廃棄はとても深刻な問題です。
グリーンライフポイントの対象となる行動としては、再利用可能なサスティナブルファッションや古着を着用したり、サブスクを利用して服を着るなど、廃棄をできるだけ出さないような行動が挙げられます。
【例】
・衣類のリユースやリサイクルを行う
・環境に配慮した製品を購入する
・ファッション関連のサブスクサービスを利用する
■「食」分野のグリーンライフポイント対象
食べきれなかったり、賞味期限が切れたりして廃棄される食品ロスは、燃やされることで大量の温室効果ガスを発生させます。
そのため、賞味期限・消費期限が迫っている食品を購入したり、食べ残した料理を持ち帰るといった行動はグリーンライフポイントの対象となります。
また、食材の輸入・輸送の際に排出されるCO2も大きな問題となっており、なるべく生産地に近い食材を消費する「地産地消」につながる行動に対してもグリーンライフポイントが付与されます。
【例】
・販売期限間際の食品を購入する
・食べ残しの持ち帰る
・地産地消の食材を利用する
■「住」分野のグリーンライフポイント対象
住宅から排出されるCO2削減もグリーンライフポイントの対象です。再生可能エネルギーで自宅の電力をまかなう、省エネ効果の高い家電を購入する、節電を積極的に行う、などの行動に対してグリーンライフポイントが付与されます。
【例】
・再生可能エネルギーを活用した電気に切り替える
・省エネ効果の高い家電を購入する
・自宅に太陽光パネルを導入する
■「循環」分野のグリーンライフポイント対象
地球の限りある資源を有効に活用するためにも、物をなるべく長く使い、使い終わったら資源として新たに循環させることが大切です。
2022年4月1日には「プラスチック資源循環促進法」が施行され、各方面でプラスチック製品の排出削減や再資源化の取り組みも進んでいます。
循環の分野では、コンビニや飲食店でプラスチック製のスプーン・フォーク・ストローの受け取りを拒否したり、簡易包装の商品を購入したりする行動に対してグリーンライフポイントが付与されます。さらに、リユース品の購入、リペア(修理)サービスの利用などもグリーンライフポイントの対象です。
【例】
・プラスチックのカトラリーを使わない
・簡易包装商品を選択する
・ リユース品を購入する
・リペア(修理)サービスを利用する
■「移動」分野のグリーンライフポイント対象
移動の際のCO2削減につながる行動もグリーンライフポイントの対象です。具体的にはカーシェアリングやシェアサイクルの活用などが挙げられます。
カーシェアサービスは都市部を中心に普及が進んでおり、無駄な車の利用が減るため温室効果ガス削減につながると考えられています。
また、自転車はCO2を排出しないことに加えて健康増進にもつながるため、最近ではいろいろなところでシェアサイクルサービスやコミュニティサイクル事業が展開されています。
【例】
・カーシェアを利用する
・シェアサイクルを利用する
au PAYを利用してグリーンライフポイントをためる方法
au PAYを運営するKDDIは、2023年1月10日から「グリーンライフポイント」事業に参画しています。
対象加盟店でau PAYを利用すると通常の2倍Pontaポイントが還元されます。
グリーンライフポイントをもらうためには、毎月エントリー必要です。まだ参加していないau PAYユーザーの方は、以下からエントリーしましょう。
対象加盟店や、各対象加盟店の環境に配慮した取り組みも確認できます。
環境にやさしい取組でPontaポイントがさらにたまる!対象加盟店で、au PAY(コード支払い/ネット支払い)を使ってお買い物すると、1回200円(税込)ごとにPontaポイントを1ポイント還元!
au PAY マーケットでもグリーンライフポイントをためられる
総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」でもグリーンライフポイントがたまります。
au PAY マーケットで販売する「食べて応援 フードロス削減特集」の対象商品を購入するとPontaポイント(au PAY マーケット限定)が還元されます。
日本では年間500万トン以上の食品が廃棄されており、国民一人あたりに換算すると毎日お茶碗1杯が捨てられている計算になります。「食べて応援 フードロス削減特集」では、とある理由から商品が捨てられてしまう「訳あり商品」をおトクな値段で購入できます。
KDDIの気候変動対応の取り組み
KDDIではグリーンライフポイント事業以外にも、CO2排出量削減のさまざまな取り組みを行っています。
中期経営戦略(2022-2024年度)では「カーボンニュートラルの実現」を重要課題として設定し、その実現に向けて新たなICTサービスの提供、社会のCO2排出量削減に貢献していくことを宣言しました。
具体的な取り組みとしてまず、au携帯電話の基地局における消費電力の低減が挙げられます。利用状況に応じAIが電波を停波・発射する技術を用いて、電力使用量を最大50%削減できます。
また、従来よりも高効率で冷却を行う基地局液体冷却機能にて、電力使用量の70%以上削減を目指し、実証実験もスタートしています。その他にも、大型通信局で使用する電力や基地局などで太陽光などの自然エネルギーを活用する取り組みも進んでいます。
まとめ
「グリーンライフポイント」事業は、環境省が行う気候変動対策のひとつです。環境にやさしい商品・サービスや行動に対してポイントが付与され、消費者の私たちはそれを利用することで地球環境保全に貢献できます。
気候変動は着実に進んでおり、これを止めるためには私たち一人ひとりの行動を変えるしか方法はありません。子どもたちの未来のためにも、グリーンライフポイント事業に参加して気候変動へのアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。