QRコード決済とは?
QRコードやバーコードを読み取ってスマートフォンのアプリから支払う決済方法を「QRコード決済」または「コード決済」と呼びます。QRコードもしくはバーコードは、お店またはお客さまと紐づいており、その「コード」を通じて利用料金とともに読み込まれて決済のアプリもしくはクレジットカードから利用額が引き落とされる仕組みになっています。
QRコード決済は事前に残高をチャージするため、前払い方式に分類されます。ただし、支払い方法の設定次第で、後払いに対応したサービスもあります。
たとえばau PAYのQRコード決済は、クレジットカードや現金、Pontaポイント、そしてauユーザー限定になりますが「auかんたん決済」、これらの方法でau PAYの残高にチャージできます。
スマートフォンがあれば財布から現金を出さず、お釣りも発生しません。ポイント還元分、現金よりおトクということで、2018年ころからau PAY以外にもコード決済サービスが登場し、その多くが「○○PAY」というサービス名でした。
■QRコード決済を取り巻く状況
Ivantiが北米、イギリス、ドイツ、日本、中国で行ったQRコード決済に関する調査によれば、QRコード使用率がもっとも高いのはイギリスの9割超、ついで中国が88.18%と高水準でした。日本は61.61%と調査国のなかでは最下位でしたが、50%は超えています。
主要なキャッシュレス決済手段に成長したQRコード決済ですが、2019年に政府主導で行った「キャッシュレス・ポイント還元事業」などの政策や、クレジットカード決済よりも導入ハードルが低い点、そして現金を扱わない=非接触で決済を完了でき、衛生面で安心できるといった点から、今後さらに広がるものとされています。
なお、QRコード決済市場の予測では、2020年の4兆2000億円から2024年には取扱高ベースで10兆円規模まで拡大するというデータもあります。
QRコード決済市場は4兆円超!今後数年で10兆円規模に成長の予測も
https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/67QRコード決済の市場が急拡大!2020年のQRコード決済各社の取扱高をまとめたところ、前年比4倍の4兆円超に達したことがわかりました。さらに、矢野経済研究所では今後のQRコード決済市場について、2024年には10兆円規模に達すると予測しています。日常の消費に加え、コロナ対策の自治体キャンペーンでもQRコード決済が活用されるなど、利用シーンが広がっています。
2種類あるQRコード決済方法
QRコードを店舗側とお客様側のどちらが読み取るかで、決済方法には2種類あり、どちらを選択するかは店舗側で決められます。
■QRコード決済方法その1:顧客提示型
顧客提示型とは、お客さまがスマホのQRコードを店員に提示し、それを専用端末でスキャンする決済方法です。スマホにQRコードを表示させるだけなので、お客さまの負担は少なくて済みます。
しかし、お店側はスキャナーや読み取り用のスマートフォン(タブレット)といった端末を用意するほか、それをPOSレジと連携させたい場合は、さらに導入コストがかかるデメリットがあります。POSレジと連携して売上データを同期させれば、会計管理や在庫管理の省力化につながるメリットがあります。
■QRコード決済方法その2:店舗提示型
店舗提示型とは、お店が用意したQRコードをお客さまがQRコード決済サービスから読み取り、会計金額を入力するシステムです。お店はQRコードを用意するだけなので導入コストがほとんどかからないメリットがあります。反対に、お客さまが入力した金額を都度、きちんとチェックしなければならない手間というデメリットがあります。
QRコード決済売上金の入金までのフロー
QRコード決済で支払いを受けた場合の、お店側への入金フローをご紹介します。
QRコード決済導入に当たり、まずはQRコード決済を提供する会社に対して加盟店登録を行い、入金用の口座を登録します。複数のQRコード決済を導入する場合は、それぞれの会社と加盟店契約を交わします。決済代行サービスを利用する場合は、決済代行会社との契約になります。
QRコード決済会社との契約が完了するとQRコード決済が利用できるようになります。QRコード決済による売上は、QRコード決済会社が定めた入金サイクルに沿って、決済手数料を引かれた上でお店の銀行口座に振り込まれます。なお、入金の際に手数料がかかる場合もあります。
決済手数料は以下のように会社によって異なります。
・PayPay:1.68%~
・楽天ペイ:3.24%~
・d払い:2.6%
・メルペイ:2.6%
au PAYの場合、月の入金サイクルは1回もしくは2回から選べます。そして、決済手数料・振込手数料(金融機関問わず)は無料となっています(2022年9月まで)。入金に関しては、管理者アプリの「au PAY for BIZ」とは別に、インターネット側の管理サイトを閲覧・利用できます。管理サイトでは、売り上げ状況の確認や、入金口座の変更などが可能です。
代表的なQRコード決済へのチャージ方法
お客さまがQRコード決済を利用する前に、残高にチャージする必要があります。QRコード決済会社によって条件はさまざまですが、ここでは代表的なチャージ方法を紹介します。
■現金でのチャージ
ATMやコンビニの店頭から現金でチャージを行います。銀行口座やクレジットカードは不要ですが、ATMなどに足を運ばなければならないデメリットがあります。
なお、チャージできる場所が限られているので、注意が必要です。PayPayではセブン銀行のATMのみに限定されています。au PAYの現金チャージは、セブン銀行ATM、ローソン銀行ATM、auショップなどから行えます。
■銀行口座からのチャージ
銀行口座との紐づけによって、銀行口座からチャージしたり、銀行口座残高を上限に即時引き落とししたり、お客さまが設定した残高を下回ると自動でチャージするオートチャージが可能になります。
手元でチャージできて便利な半面、対応する金融機関が限られているケースもあります。
■クレジットカードからのチャージ
クレジットカードからチャージする場合、お客さまへの請求は後日まとめて行われます。
QRコード決済の利用でたまるポイント以外にも、QRコード決済のチャージに対するポイント還元やクレジットカード利用に対するポイント還元を得られるため、ほかのチャージ方法よりもおトクにショッピングや食事を楽しめるメリットがあります。
さらに、QRコード決済会社が指定するクレジットカードを登録すると、還元率のアップやオートチャージが可能になる特典が得られる場合があります。
■キャリア決済からのチャージ
キャリアとはauなどの大手通信会社のことで、お買い物や食事などの代金をスマホ料金と合算して支払うのが「キャリア決済」です。
各大手通信会社の携帯電話を利用しているなら、IDとパスワードだけでチャージが可能です。チャージ金額は後日、通信料金と合算して請求されます。決済時にQRコード決済アプリの残高不足の場合、差額分をオートチャージする機能を提供しているQRコード決済サービスもあります。
■ポイントからのチャージ
QRコード決済の特徴はポイント還元サービスで現金よりおトクにお買い物ができることです。au PAYの場合、Pontaポイントと連携し、普段のお買い物を通じてPontaポイントがたまる仕組みになっています。
たまったPontaポイントは、アプリ内の残高にチャージできます。auなら携帯回線などのau関連サービス、楽天なら楽天関連サービスを利用することでもポイントがたまり、それらを残高に充当できるメリットがあります。
まとめ
近年、普及が進んでいるキャッシュレス決済のひとつである、QRコード決済。お客さまにとって手軽にそして衛生的にお支払いを済ませられるなどの理由で、QRコード決済市場はさらなる成長が見込まれています。
お店側としても「店舗提示型」のQRコード決済ならば仕組みも比較的単純で導入コストもさほどかからないメリットがあります。そのほかにも、集客や業務の効率化、コスト削減などのメリットが期待できるので、QRコード決済の導入をおすすめします。