自社の情報が「特等席」に表示されるGoogleの店舗情報
Googleの店舗情報とは、お店の名前をGoogleで検索した際、画面右上部に表示される店名・住所・営業時間・電話番号といった基本情報を指します。
サイドバーの最上部は、掲載場所としては一番目立つ特等席です。すでに公式サイトをお持ちでも、上位に表示されるとは限らず、SEO対策が必要です。対策しても1位になれるとは限らないのがSEO対策であることを考えれば、最上部への掲載が保証されていることの価値がわかります。営業情報などは公式サイト以上に見られていると考えた方が良いでしょう。
こうしたGoogleの店舗情報は、「Google ビジネス プロフィール(旧Google マイビジネス)」で自社で公式管理可能です。
公式管理されていないGoogleの店舗情報は誰でも更新可能なので、情報が誤っている可能性もあります。その場合、お客さまの悪印象につながる可能性が出てくるので、まずはオーナー認証を受け、少なくとも住所・営業時間・電話番号はつねに最新の情報に保つことをおすすめします。
■Googleの店舗情報における口コミの重要性
Googleの店舗情報に対する口コミは、Googleユーザーであれば誰でも投稿できます。こうした口コミはユーザーからのお店の評価という面に加え、検索順位にも影響を与えます。
その理由は、口コミが客観的な第三者からの評価としてだけでなく、そこに書かれた情報が、店舗オーナーから提供される「Google ビジネス プロフィール」の情報以外の重要な要素として、Googleから認識されるためです。
Google マップで「カフェ」等検索した場合に、高評価のお店がより上位に表示されるなどの効果が期待できます。
自社にとって有益な口コミを集めるためには
ユーザーの口コミを集めGoogleからの評価を高めるための具体的な施策を紹介します。
まずはGoogleから「オーナー認証」を受け、「Google ビジネス プロフィール」で店舗情報を自社で管理することがスタートです。誰も管理していないことが明らかな状態では、口コミも荒れがちだからです。ちなみに「Google ビジネス プロフィール」ですが、これはGoogleが無料で提供している店舗情報の管理サービスで、2021年に「Google マイビジネス」から名称変更しています。
店舗情報の管理の内容ですが、最低限最新のものにすべき項目は「住所」「電話番号」「営業時間・休日」の3点です。住所や電話番号はそれほど変わるものではないので、営業時間・休日をしっかり管理します。
とくに飲食店の場合、新型コロナウイルス感染症に伴うまん延防止措置や緊急事態宣言の発令で、やむを得ず営業時間や休日を変更している場合も多いでしょう。ユーザーがGoogleの検索結果を確認して来店したにもかかわらず、営業していないと「営業していなかった」となり、低評価をつけられてしまう可能性があります。
自店舗で扱っている決済方法も掲載できるので、こちらも併せて記載します。ホットペッパーグルメ外食総研の調査によれば、飲食店でキャッシュレス決済を使いたいと回答したユーザーは52.9%にものぼり、現金決済派を上回る結果となっています。この結果から、キャッシュレス決済を希望する顧客を逃さないための方法として、決済方法を店舗情報に盛り込むことが有効です。
好ましくない口コミは削除できる?
Googleの口コミ情報を制限することはできないため、なかにはお店にとって不都合な書き込みがされる場合もあります。こうした口コミを削除することは可能でしょうか?結論から言うと、無制限に削除することはできません。お店にとっては好ましくない口コミも、ユーザーにとっては有用な場合があるからです。
しかし、虚偽情報など、Googleが定めた「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」に反する口コミである場合は、削除申請削除できます。次に、Googleが定めたこのポリシーがどのようなものであるかを紹介します。
■Googleポリシーに違反する口コミの種類
口コミ投稿の違反基準を示す「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」は全10個あります。
1.スパムと虚偽のコンテンツ
そのお店の評価を操作するための「やらせ」投稿、ユーザーをたくさん作って投稿するなどが該当します。なんらかの原因で炎上したお店が低評価ばかりになってしまうケースがありますが、これはこの項目に該当します。
2.関連性のないコンテンツ
該当するお店とは関連性のないコンテンツ(内容)とは、個人的な不満を多数投稿している場合や政治的、社会的な主張が含まれる書き込みを指します。
3.制限されているコンテンツ
その地域で規制されている商品、サービス、もしくは特定の規制に抵触する内容の書き込みです。
4.違法なコンテンツ
法に触れるような商品やサービス、暴力的な行為を描写した書き込みです。
5.テロリストのコンテンツ
テロリストの利用やテロリストに関連する書き込みです。
6.露骨な性的表現を含むコンテンツ
こうした書き込みは許可されないばかりではなく、Googleが警察に通報する場合もあります。
7.不適切なコンテンツ
他人を冒涜したり不適切な言葉、そしてジェスチャー、さらにわいせつ的な書き込みです。
8.危険なコンテンツおよび中傷的なコンテンツ
自分や他人に危険が及ぶと脅迫したり、実際に危害を加えることを奨励するなど、心身に危険を及ぼす内容の書き込みです。
9.なりすまし
店舗の関係者、Googleやその代理店と身分を偽っての書き込みです。
10.利害に関する問題
自店舗への口コミを自ら投稿したり、競合店の評価を下げるような書き込みです。
Googleの店舗情報でのポリシー違反の口コミを削除申請する方法
お店の口コミで「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」に反していると思われる口コミを発見しそれを削除するためには、Googleに通報する必要があります。
通報の方法としては、「Google ビジネス プロフィール」にログインした後、口コミをクリックします。すると、口コミの一覧が表示されるので、該当するものから「不適切な口コミとして報告」クリック、その後に違反の種類を選択するという流れになります。なお、ヘルプセンターからの通報も行えます。
ポリシー違反していない口コミはどう管理・対処すべきか
明らかにポリシー違反の口コミは通報で削除できますが、そうではない、ポリシー違反はしていないが、自店舗にとって不利になるような口コミに対しても対応策はあります。
それは、その口コミへの返信です。好ましくない口コミだと感じても、それを顧客からの意見として捉え、真摯にその口コミに返信します。これによって投稿したユーザーの気持ちの変化(軟化)を促せる可能性が高くなります。それ以外にもその返信を見たほかのユーザーが親近感を抱き、ファンになってくれるチャンスにもなります。
ネガティブな口コミに対する返信だけではなく、好意的なコメントに返信することも重要です。好意的なコメントに関する返信はユーザーとしてもうれしいものです。そこからリピーターになってもらえる期待度もアップします。
いずれにせよ、口コミに対して丁寧に返信することでお店に対する信頼向上やリピーターになってもらう動機づけにつながり、集客対策にもなるのです。
まとめ
Googleの店舗情報は検索結果の特等席に表示されます。店舗情報は誰でも登録できるので、自社で公式管理しないと間違った営業情報を多くの人が目にしてしまう可能性があります。Googleの店舗情報は無料提供されている「Google ビジネス プロフィール」の仕組みで管理できます。また、誹謗中傷等の口コミは一定の基準に基づいて削除申請可能なので、その点からも自社で管理することが望ましいでしょう。