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人手不足時代のスタッフ定着術! スタッフが長く活躍する“採用”と“環境づくり”のコツ

人手不足時代のスタッフ定着術! スタッフが長く活躍する“採用”と“環境づくり”のコツ

せっかく採用してもすぐに辞めてしまう――。人手不足が続くなか、スタッフの採用や定着に悩む店舗は少なくありません。では、スタッフが長く働き続け、活躍しているお店にはどのような特徴があるのでしょうか。この記事では、店舗の人材採用・育成に詳しい鳥越恒一さんに、採用時に意識したいポイントや、定着率を高めるための教育・コミュニケーションの工夫について伺いました。是非、人材教育の参考にしてみてください。

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⏳この記事は約2~3分で読めます。


この記事は、店舗マネジメントの仕組みづくりと人財育成に特化したコンサルティングを展開する、DIC幹部育成コンサルティング株式会社 代表取締役 鳥越恒一氏が監修しています。

スタッフが辞めてしまう原因とは?

スタッフが辞めてしまう理由は、給与やシフトなどの条件面だけではありません。仕事内容への不満、職場の人間関係、教育・フォロー体制の不足、入社前後のギャップなど、複数の要因が重なって離職につながります。

なかでも注意したいのが、「思っていた仕事と違った」というミスマッチ。採用時に仕事内容や忙しさ、シフトの考え方などを十分に伝えられていないと、働き始めてからギャップを感じやすくなります。とくにアルバイトやパートの場合、入社後すぐに不安や不満を抱くと、早期離職につながりやすい傾向があるでしょう。

また、仕事を覚えるまでのサポートが不十分だったり、質問しにくい雰囲気があったりすることも、スタッフの定着を妨げる原因になります。入社後の教育や日々のコミュニケーションまで含めて、働きやすい環境を整えることが大切です。

長く活躍する人材を採用するためのポイント

長く活躍する人材を採用するためのポイント

スタッフの早期離職を防ぐには、採用時点でのミスマッチを減らすことが大切です。まずは面接時に意識したいポイントをご紹介します。

採用しない基準を明確にする

人手不足のなかでは、「できるだけ多く採用したい」と考えがちですが、採用後のトラブルや早期離職を防ぐには、まず「採用しない基準」を決めておくことがポイントです。

例えば、接客業であれば
・清潔感がない
・面接に遅刻しても連絡がない
・コミュニケーションに不安がある
・通勤時間があまりにも長い
といった場合は注意が必要です。
こうした点に不安がある場合、どれだけ条件が揃っていても、入社後にお店側の負担が大きくなる可能性があります。

鳥越「どんなにシフトの融通が利きそうでも、採用しない基準は決めておく。そこをクリアした人の中から、お店に合いそうな人を選ぶという考え方です」

採用では、理想の人材を追い求めるよりも、まず長く安心して働ける可能性がある人を見極めましょう。

事前のすり合わせを徹底する

採用時によい面だけを伝えてしまうと、入社後に「思っていた仕事と違った」と感じられ、早期離職につながる可能性があります。そのため大変な点もあらかじめ伝えておくことが大切です。ただし、忙しさなどをただネガティブに伝える必要はありません。

鳥越「例えば、繁盛しているお店であれば、忙しい時間帯がある一方で、多くのお客さまに対応する経験が積めるという見方もできますよね。学生さんであれば、その経験が就職の時にも役に立つと伝えられます。忙しい時間帯がいつなのか、休憩はきちんとあることも併せて説明できるとよいですね」

また、お店を利用したことがあるかどうかを聞くことも、ミスマッチを防ぐ手がかりになります。お店の雰囲気や客層をある程度知ったうえで応募している人であれば、働くイメージを具体的に持ちやすくなるからです。

加えて、時給以外のメリットを伝えることも働く意欲につながります。資格取得支援、スタッフ向けの割引制度などがあれば、採用時に説明しておくとよいでしょう。

鳥越「時給が高くてもずっと上がらないとなると、モチベーションの維持が難しいです。できることが増えたら時給も上がる、ボーナスが出る、インセンティブが出るなどがあるとよりよいですね」

仕事内容を隠さず伝えつつ、「働くことで得られる経験」も併せて示すと、納得感のある採用につながります。

スタッフが長く働きたくなる環境づくりのポイント

スタッフが長く働きたくなる環境づくりのポイント

採用したスタッフに長く働いてもらうには、入社後の受け入れ体制や日々の関わり方も重要です。ここでは、スタッフが「このお店で続けたい」と思える環境づくりのポイントをご紹介します。

教える内容と成長の目安を見える化する

スタッフの早期離職を防ぐには、入社後に「何を、いつまでに、どの程度できるようになればよいのか」を誰が見ても分かるようにすることが大切です。

鳥越「3カ月以内にはこういうことができてほしい、1年後にはこのぐらいの仕事の幅になってほしい、というように、時間軸とやることの内容を見える化することが大事です」

例えば、あるお菓子のチェーン店では、忙しい製造現場で新人に何も教えず、単調な作業ばかりさせていたことで、早期離職が起きていたといいます。

鳥越「3日間も単純作業だけを依頼していた結果、4日目には誰も来なくなってしまったんです。ただ、それも『1週間はこの作業をお願いします』『次はこの仕事を教えるよ』と期日や予定を伝えておけば、受け止め方は違ったはず。ゴールが見えない状態のまま放置されると、誰だって不安になりますからね」

その後、このチェーン店では1年間で身につける仕事を示すプログラムを導入しました。

鳥越「1年間のプログラムを入れたことで、新卒の離職はほとんど出なくなりました。やれることが1年でいろいろあるという見通しがあれば、早期離職の抑制につながります」

また、ある美容室チェーンでも、2〜3年でスタイリストデビューできるプログラムを導入したことで、離職率が激減した事例があります。負担の大きいアシスタント期間であっても、将来のステップが見えていると仕事を続けやすいのです。

教える内容と成長の目安を見える化する

また、チェックリストや表を使えば、スタッフ本人も教える側も、できるようになった業務を確認しやすくなります。業務マニュアルを作る場合は、手順だけでなく「どの状態になれば完了か」まで示すとよいでしょう。

鳥越「定量化できるものは定量化し、できないものは写真や動画でビジュアル化するとよいです。社内で使うものなので、スマホで撮った写真でも十分です」

まずは、教える内容と成長の目安を整理することから始めましょう。

日々のコミュニケーションの取り方を工夫する

スタッフの不安や不満を早めに拾うには、日常の小さな変化に気づくことが大切です。

鳥越「出勤時の挨拶で元気があるか、目が合うかを見るようにしましょう。何か抱えていると、元気がなかったり、目が合わなかったりすることがあります」

新人スタッフには、質問しやすい時間をあえて作ることも効果的です。

鳥越「アルバイトのスタッフに対しても、5分でいいので1on1を実施するのがおすすめです。『分からないことある?』『聞きづらいことや困っていることはない?』と聞いてあげる時間を作ることで、業務中に拾いきれなかった質問や不安をフォローすることができます」

やりがいを感じられる環境をつくる

スタッフに長く働いてもらうには、業務を覚えてもらうだけでなく、「自分はこのお店の役に立っている」と感じられる環境づくりも重要です。

鳥越「できないことができるようになり、できることが増えて、頼られる、感謝される、褒められる。このサイクルを店長が作ることが大事です」

また、日々の声かけも、やりがいにつながります。例えば、スタッフに仕事を頼んだあとに「ありがとう」「助かった」と伝えるだけでも、認められている実感は生まれます。

鳥越「仕事を任せる際も、“お願いする”姿勢を持って、ありがとうと言う。教えて、任せて、頼って、褒める。この流れを作ると、『自分は役に立っている』と感じてもらいやすくなります」

やりがいを感じられる環境をつくる

意欲のあるスタッフの役職や仕事の幅を広げていく方法としては、より責任ある業務を任せる制度を整えるのも有効です。飲食チェーンやファストフード店などでは、アルバイトでも店長を担える仕組みを取り入れているケースもあります。

鳥越「こうした『アルバイト店長』のような制度があると、複数店を展開している場合でもマネジメント不足を防げますし、何より社員の負担軽減につながります。アルバイトであっても、意欲がある人にはどんどんチャンスを提供してあげるとよいですね」

例えば、結婚や子育てなどでフルタイム勤務は難しくても、経験や能力のある方に「アルバイト店長」を任せることで、肩書きや高い時給がモチベーションにつながるケースもあります。さらに、「子どもが大きくなったら社員登用制度を使って社員になる」といったキャリアプランまで描ければ、お店にとっての貴重な戦力として、より長く活躍してもらいやすくなります。

評価制度をつくる場合は、細かくしすぎず、現場で運用しやすい内容にまとめることがポイントです。スタッフが成長を実感できる仕組みと、日々の感謝の声かけを組み合わせることで、「ここで続けたい」という気持ちを育てやすくなります。

一人ひとりと向き合う意識を、店長が持つ

スタッフに長く働いてもらうには、仕事内容や待遇だけでなく、「この職場が本人にとってどんな意味を持つのか」を店長が意識することも大切です。学生であれば将来の進路、主婦・主夫であれば家庭との両立など、働く理由や背景は人によって異なります。

鳥越「その仕事が、その人のキャリアにどうつながるかは見つけてあげるのがいいと思います。時給以外に、この職場で得られるメリットは何かを伝えてあげることが大事です」

例えば、接客経験が就職活動で話せるエピソードになったり、リーダー業務を任せることでマネジメント経験につながったりすることもあります。スタッフの将来を踏まえて仕事を任せれば、本人にとってもその職場で働く意味が生まれます。

鳥越「この子が面接の時にエピソードを語れるよう仕込んであげようとか、この時期にこういうスキルを持たせておくといいなとか、同じ業種ならリーダーまで育てようとか、そういう発想を店長が持つだけで、その子の将来にプラスになりますし、結果としてスタッフの定着にもつながります」

業務を効率化する

スタッフの負担軽減のためには、業務の進め方自体の見直しも重要です。日々の作業の中で不要となっている工程がないか、また資材や備品の選定を見直すことで作業時間を削減できないかを検討しましょう。

鳥越「あるお菓子屋さんでは、印刷された平らな箱を組み立てる作業に、多くの時間をかけていました。最初からワンタッチで組み立てられる資材をオーダーすれば解決します」

こうした見直しのヒントは、現場のスタッフが持っていることも少なくありません。清掃や洗濯なども、やり方を変えると負担を減らせる場合があります。

鳥越「アルバイトの方が、『これ、なんでやっているんだろう』と感じていること少なくないはず。作業を変える、あるいは外注化も含めて検討することが大切です」

そのほか、レジまわりの負担を減らす方法として、au PAYのようなキャッシュレス決済の導入も有効です。現金の受け渡しや釣り銭確認の手間を減らすことができ、会計業務をスムーズにしやすくなります。

業務効率化は、単なる時短ではなく、スタッフが働きやすい環境を整えるための取り組みでもあります。まずは現場の声を聞きながら、「なくせる作業」「簡略化できる作業」を見直してみましょう。

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採用と環境づくりの工夫で、長く働きたくなるお店へ

スタッフに長く働いてもらうには、採用時のミスマッチを防ぐことと、入社後に働き続けやすい環境を整えることが大切です。理想の人物像を追い求めすぎるのではなく、まずは採用しない基準を明確にし、仕事内容や忙しさも事前に伝えておきましょう。

入社後は、教育内容を見える化し、日々の声かけや短時間の面談で、スタッフの不安を早めに拾うことがポイントです。さらに、感謝を伝える、成長を実感できる仕組みをつくる、不要な業務を見直すといった工夫も、スタッフの定着につながります。

人手不足の時代だからこそ、スタッフを単なる労働力としてではなく、一人一人の事情や将来を持った存在として向き合うことが求められます。小さな改善を積み重ねながら、「ここで働き続けたい」と思える環境づくりを進めていきましょう。

この記事の監修者

鳥越 恒一

DIC幹部育成コンサルティング株式会社 代表取締役

DIC幹部育成コンサルティング株式会社 代表取締役 鳥越恒一氏

金融業、飲食業を経て2003年、(株)ディー・アイ・コンサルタンツ入社。人財開発研究部の担当役員として部門を統括。2012年にDIC 幹部育成コンサルティング(株)を設立し、社長に就任。上場企業からスタートアップ企業まで、飲食・小売・サービス業の店舗マネジメントの仕組みづくり、人財育成に特化したコンサルティングに従事。年間4,000人もの現役店長から相談を受け、これまでに延べ5万人以上の店長の悩み、現場の課題に対して徹底的に取り組んでいる。

著書に『できる店長は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『店長が必ずぶつかる「50の問題」を解決する本』(PHP研究所)、プロ店長『最強の仕事術』(日本経済新聞出版社)、『ほめられたいときほど、誰かをほめよう(店長の心を励ます50の言葉)』(プレジデント社)、『実力店長に3ヶ月でなれる100STEPプログラム』(同友館刊)などがある。その他専門誌への連載多数。



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