Alipay(アリペイ・支付宝)とは?

世界でも有数のユーザー数を誇る「Alipay」。インバウンド対策として日本でも導入するお店が増えています。まずは、Alipayのサービスの特徴を見ていきましょう。
■Alipayは世界最大級のQRコード決済
「Alipay」とは、中国を中心にアジア10億人以上のユーザー数を抱えるQRコード決済サービスです。運営しているのは、中国大手IT企業のアリババグループ。同社は中国のAmazonとも称されるECサイト「Alibaba」を運営しており、毎年11月11日に行われる「独身の日」のセールイベントでも知られています。なお、Alipayは中国語で「支付宝」と表記され、「ジーフーバオ」と読みます。
■使えない店はないほど中国では普及している
中国ではQRコード決済が広く普及しています。アメリカIT企業「Ivanti」が行ったQRコード決済に関する調査(調査時期:2021年2月)を見ると、中国のQRコード決済利用率は9割近くに上ります。
中国人民銀行によると2021年、Alipayを含む非銀行経由のオンライン決済は延べ10,283億回行われました。決済金額総額は365兆元となっており、「1元=20.45円」(2022年10月12日時点のレート)で計算すると日本円で約7,500兆円にも上ります。
中国の人口は約14億人なので、1人当たり年間700回以上、500万円以上のオンライン決済が行われている計算です。
そのうち、Alipayの決済額シェアは半数以上を占めているといわれ、使えないお店を探すのが難しいほど広く普及しています。ショッピング、飲食、交通機関などさまざまなシーンで利用され、さらには割り勘やお小遣い、お年玉もAlipayで支払われることも珍しくないそう。中国人の生活にQRコード決済はかなりのレベルで根付いていることがわかります。
■日本人も利用可能!使えるお店は30万店以上
中国で広く利用されているAlipayですが、実は日本でも利用されています。かつては中国の銀行口座を保有していないとチャージができませんでしたが、現在は日本のクレジットカードからチャージができる仕組みになっています。
また、Alipayを導入する事業者も年々増えており、2019年時点で日本の加盟店数は30万店を超えています。特に中国人観光客にも人気なコンビニや百貨店、ドラッグストアなどの業態で導入されています。
【Alipayが使える日本の主なお店】
• ファミリーマート
• セブン-イレブン
• ローソン
• 髙島屋
• 東急百貨店
• ビックカメラ
• ユニクロ
• サンドラッグ
• ツルハドラッグ など
Alipayの決済方法
Alipayの決済方法は大きく3つあります。
• 消費者提示型
• 店舗提示型
• オンライン決済
上記2つは主に実店舗で用いられる決済方法で、QRコードを利用して決済を行います。ここではそれぞれの違いについて、簡単に見ていきましょう。
■消費者提示型
消費者提示型は、Alipayユーザーのスマホに表示された支払い用QRコードを店舗の決済端末で読み込む方式です。あとに説明する2つの決済方法とは異なり、お店で端末を用意する必要があります。POSレジのような端末に加えて、市販のタブレットやスマホに専用アプリをダウンロードしてQRコードを読み取ることも可能です。
■店舗提示型
店舗提示型は、店頭に掲示したQRコードをAlipayユーザーが読み取る決済方法です。中国ではよく利用されていて、お店側がQRコードの読取端末を用意する必要もありません。また、掲示するQRコードは通常の紙に印刷したものでも問題なく使えるため、導入も簡単です。
■オンライン決済
Alipayはオンライン決済にも対応しています。その場合、Alipayのユーザーは中国の通貨「人民元」で支払いを行いますが、日本の事業者に対しては「日本円」で入金が行われます。
訪日中国人観光客を集客したいならQRコード決済導入は必須

2019年以降の新型コロナウィルス感染拡大により、海外からの訪日外国人観光客はぱったりと減ってしまいました。ただそれでも、2022年日10月11日からは外国人の新規入国制限の見直しが行われ、インバウンドの回復が期待されています。
日本政府観光局(JNTO)によると、2018年に訪日した外国人観光客数は約3,100万人でした。そのうち中国、韓国、台湾、香港の東アジアの国々が7割以上を占めており、特に中国は最も多い838万人となっています。
「爆買い」のキーワードでも知られるように、日本の良質な製品やサービスを求めて来日する中国人は少なくありません。さらに2025年には大阪・関西万博の開催も控えており、今後訪日中国人観光客はさらに増えていくことが考えられます。
そうした中国人観光客を集客したいのであれば、QRコード決済の導入は必須といってもいいでしょう。中国人にとっては現金よりQRコード決済の方が馴染みがあって、特にAlipayは生活の奥深いところにまで浸透しています。Alipayを導入することで、中国人観光客の顧客満足度向上や客単価アップが期待できるでしょう。
インバウンド対応ならWeChat Pay(ウィーチャットペイ・微信支付)の導入も有効
インバウンドへの対応を考えるのであれば、WeChat Pay(ウィーチャットペイ)もおすすめです。WeChat Payとは、中国トップシェアを誇るチャットアプリ「WeChat」に備わったスマホ決済機能です。WeChatアカウントに紐づけられており、Alipay同様QRコードのスキャンで決済を行います。
WeChat Pay は、Alipayとあわせて「中国QRコード決済サービスの2大巨頭」とも呼ばれ、多くの中国人に利用されています。月間アクティブユーザーは12億人以上を数え、日本でも利用できるお店も多く、AlipayとWeChat Payを併せて導入しているケースが一般的です。
【成功事例】さっぽろ雪まつり120のお店がAlipayを導入

ここで少し、Alipay導入の成功事例を見てみましょう。
札幌の冬の風物詩として知られる「さっぽろ雪まつり」。コロナ禍前の2019年には70周年を迎え、近年は国内観光客だけでなく海外からわざわざ訪れる方も少なくありません。
「さっぽろ雪まつり」ではアジアからの来場者が1割以上を占めているともいわれ、会場には英語や中国語、韓国語などの案内板も設置されています。
また、外国人観光客の受け入れ策としてキャッシュレス決済の導入にも積極的で、2018年からAlipayが導入されています。導入初年度は30店舗からスタートし、それが好評だったことから翌年は120店舗まで導入店舗が増えました。
店舗提示型を採用したので、導入費用を安価に抑えられ、QRコードを掲示しておくだけなので店舗オペレーションもスムーズだったそうです。なお、Alipay導入店舗が増えた結果、Alipayを通じた決済金額は6倍にまで増加しました。
海外旅行でほしいものが見つかったけど、「現地通貨がなかったので買えなかった」という経験をしたことがある方も多いはず。そんなときもキャッシュレス決済ならお買い物ができるので、お店にとってはインバウンドの機会損失を防ぐことができるでしょう。
au PAYならAlipay・WeChat Payを同時に導入できる
Alipay・WeChat Payの導入を考えるなら、au PAYがおすすめです。au PAYは通信大手KDDIが提供する国産のQRコード決済サービス。ユーザー数は3,000万人以上を誇り、すでに多くの方に利用いただいています。
au PAYの最大の特徴は、キャンペーンを豊富に行っている点です。全国規模から商店街単位まで、大小さまざまなポイント還元キャンペーンを実施しています。一般消費者にとってはおトクに買い物や食事ができる一方、加盟店さまにとっては売上アップや販促のネタとしてキャンペーンをご活用いただけます。
au PAYでは、中国の2大決済サービスである「Alipay」と「WeChat Pay」に同時申し込みが可能です。AlipayとWeChat Payを導入することで、訪日中国人観光客の集客が期待できます。
まとめ
2022年秋以降、インバウンドの回復が期待されており、外国人観光客を集客したいのであればAlipayの導入は必須といえるでしょう。
au PAYならAlipayとWeChat Payを同時に導入可能です。手間を最小限に抑えながらお店のキャッシュレス化が進められますので、この機会にau PAYやAlipayを導入してはいかがでしょうか。