相次ぐ地震や台風・水害。防災備蓄が見直されている理由
大きな災害といえば大地震のイメージだった時代は終わりつつあり、台風や大雨による水害も地震と並ぶ複合的なリスクとして扱われるようになっています。
まず地震のリスクでいえば、南海トラフ地震の30年以内発生確率は従来の60〜70%から70〜80%に引き上げられました。首都直下地震も30年以内の発生確率は70%程度とされ、どちらも切迫度の高い数値です。
一方、水害のリスクも軽視できません。内閣府「令和5年版防災白書」では、短時間に強く降る大雨の発生頻度が増加傾向にあると指摘し、国土交通省「国土交通白書2021」によると、2019年の水害被害額は統計開始以来最大の約2兆1800億円に上りました。平成30年7月豪雨、令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨と、大きな被害をもたらす豪雨災害も相次いでいます。
地震か水害かを問わず、大きな災害はどの地域で起きても不思議ではありません。だからこそ、発生後の数日間をどう乗り切るかという家庭の備え、防災備蓄が欠かせなくなります。
災害発生後、数日を乗り切るための防災備蓄が必要
水道・電気・ガスが復旧するまでの数日間を支えるのは、行政の支援ではなく家庭の備えです。内閣府防災情報のページ「できることから始めよう!防災対策」も、災害発生後1週間分の備えの重要性を伝えています。支援物資が届くまでには時間がかかり、避難所にも十分に行き渡るとは限りません。
たとえば船橋市の公式サイトでは、家庭での備蓄を自治体や国による「公助」に頼らない「自助」の取り組みと位置づけています。自分と家族の生活を自分たちの手で支える発想こそが、防災備蓄の出発点です。
防災備蓄は何をどれくらい用意すればいい?
防災備蓄は何をどれだけ用意すればいいか、迷う人も多いでしょう。公的機関が示す目安は、支援が届くまでの期間を想定して、飲料水が1人1日3リットル、食料は最低3日分・できれば1週間分です。
ここではそれぞれの根拠と計算方法を確認したうえで、一人暮らしから家族世帯まで、暮らし方に応じた考え方も解説します。
■防災備蓄の水は1人1日3リットルが目安
飲料水の備蓄量は、1人1日3リットルが目安です。内閣府防災情報のサイトでも、この目安をもとに必要な水の量を計算するよう勧めています。飲料だけでなく調理や口をすすぐ用途にも使うため、思っているより早く減っていきます。
1週間分なら1人あたり21リットルが必要になる計算です。2リットルのペットボトルなら11本程度が目安で、家族の人数分を用意しておきましょう。
■防災備蓄の食料はなぜ3日分から1週間分と言われるのか
食料の備蓄量は、最低でも3日分、できれば1週間分程度が目安です。大規模災害では支援物資が届くまでに数日以上かかることがあります。避難所以外で生活する在宅避難者の場合は、行政の支援が届くまでどのくらいの時間がかかるのか予測しづらくなります。
政府広報オンラインは、これらの事情から段階的な備えを勧めています。水や火を使わずに食べられるものを中心に、カセットコンロなどの調理器具もあわせて備えておくとよいでしょう。
迷ったら1週間分を最終的な目標に据え、まず3日分をそろえてから買い足していくと計画を立てやすくなります。3日分が最低限のライン、1週間分が安心して過ごせるラインとイメージするとわかりやすいでしょう。
最低限そろえておきたい防災備蓄品リスト
水と食料の必要量がわかったら、次は最低限そろえておきたい備蓄品を具体的に見ていきましょう。
食料や簡易トイレ、衛生用品、停電時に頼りになるモバイルバッテリーや懐中電灯も忘れずにそろえたいところです。
避難生活が長引くほど、備えの有無が生活の質を左右します。
■防災備蓄で選ぶ食品の中身
防災備蓄の主食としては、乾パンやアルファ化米、レトルトご飯など、そのまま食べられるものを中心にそろえます。水を加えるだけで食べられるタイプも選びやすいでしょう。
レトルト食品や缶詰なども定番ですが、野菜ジュースや果物の缶詰なども組み合わせると、不足しがちな栄養を補えます。カセットコンロとボンベがあれば温かい食事も用意しやすくなります。農林水産省が「災害時に備えた食品ストックガイド」で、備蓄に役立つ情報を公開しています。
好みに合わないものを備蓄すると、いざというときに食が進まないことがあります。ふだん食べ慣れた味を選んでおくことも大切な視点です。
■防災備蓄の簡易トイレと衛生用品
断水時に困るのがトイレです。簡易トイレや携帯トイレは、水や食料と並ぶ必需品といえるでしょう。
NPO法人コメリ災害対策センターのチェックリストでは、簡易トイレのほかに、水のいらないシャンプーや消毒用アルコール、歯磨きセット、生理用品などの衛生用品も挙げられています。断水時は入浴や洗濯が難しくなるため、水を使わずに体を清潔に保てるアイテムをそろえておきましょう。
トイレの回数は、排尿と排便をあわせて1人1日5回程度が目安です。1週間分なら1人あたり35回分(5回×7日)が必要になる計算です。この回数を満たせる枚数の携帯トイレを、家族の人数分、用意しておきましょう。
■情報収集と照明のための防災備蓄品
停電時に頼りになるのが、電池式や手回し式の携帯ラジオとモバイルバッテリーです。
スマートフォンは情報収集や安否確認に欠かせませんが、停電時は充電手段が限られます。モバイルバッテリーは満充電の状態で保管し、懐中電灯やランタンも人数分用意しておくと夜間の行動がしやすくなります。
乾電池は懐中電灯とラジオで規格(単三・単四)をそろえておくと、使い回しができて備蓄本数も減らせるでしょう。
一人暮らし・家族構成別に見る防災備蓄の量の目安
防災備蓄の量は、暮らす人数や家族構成によって変わります。水や食料は人数分をかけ合わせて増やすのが基本で、乳幼児や高齢者、持病がある人がいる家庭では2週間分が目安になります。
一人暮らしなら置き場所の工夫、家族世帯なら人数分の計算が特に重要になるところです。ここでは一人暮らし、3〜4人の家族、赤ちゃんや高齢者・ペットがいる家庭に分けて、それぞれの必要量を確認していきましょう。
■一人暮らしの防災備蓄
一人暮らしの場合も、水と食料は1週間分(水21リットル、食料7日分)が目安になる点は変わりません。
ただし一人分だからと油断すると、収納スペースの都合で少なめに備えてしまいがちです。助けを求められる同居家族がいない分、初動の備えが生活の立て直しを大きく左右します。
備蓄品をそろえるときは、量よりも先に置き場所を決めておくと、収納スペースの制約に振り回されにくくなります。持ち出し袋は在宅避難ができなくなった場合の生命線になるため、自宅備蓄と同じくらい優先して用意しておきましょう。
モバイルバッテリーや簡易トイレも1週間分をそろえ、玄関などすぐ手に取れる場所にまとめておくと安心です。
■3人家族・4人家族の防災備蓄
水や食料の備蓄量は家族の人数分をかけ合わせて計算します。1人1日3リットルの目安をもとに算出すると、3人家族なら、水は1週間分で63リットル(2リットルのペットボトルで32本程度)が目安。4人家族なら、84リットル(同42本程度)が目安になります。
公的機関が示す計算例は大人2人分が中心のため、人数が多い世帯は同じ考え方で自分の家族分をかけ合わせて計算しておきましょう。
子どもがいる家庭では、大人と同じ非常食を嫌がる場合もあります。ふだん食べ慣れたレトルト食品やお菓子を多めに備えておくと、災害時のストレスを減らせるでしょう。人数分をまとめて収納すると場所を取るため、後述する収納の工夫とあわせて計画しておきましょう。
■赤ちゃんや高齢者、ペットがいる家庭の防災備蓄
乳幼児や高齢者、持病やアレルギーがある人がいる家庭では、一般的な家庭より長めの2週間分が備蓄の目安とされています。政府広報オンラインも、こうした配慮が必要な人がいる世帯についてこの目安を挙げています。
赤ちゃんには粉ミルクや離乳食、おむつを、高齢者には常備薬やとろみ剤など、個別の事情に応じた品目をそろえましょう。
東京備蓄ナビでは、ペットのフードやトイレ用品も家族の一員としての備蓄に含め、同じ期間分を用意するよう案内しています。持病やアレルギーがある人は、お薬手帳のコピーを添えておくと避難先でも対応しやすくなります。
無理なく続けられる防災備蓄の方法「ローリングストック」
防災備蓄は一度そろえて終わりではなく、賞味期限や使用期限が来るたびに見直しが必要です。そこで役立つのがローリングストックという考え方です。
■ローリングストックとは
ローリングストックは、備蓄した食品を賞味期限が近いものから日常的に食べて消費し、食べた分だけ買い足していく方法です。
政府広報オンラインでも、ローリングストックによって備蓄品を常に一定量保ちながら賞味期限切れを防げると紹介されています。レトルト食品や缶詰などふだん食べる品目を多めに買っておく発想に近く、特別な準備を新たに増やす必要はありません。
消費と補充を繰り返せば、いざというときに「賞味期限が切れていた」という失敗を避けやすくなるでしょう。
■日常の買い物に防災備蓄を組み込むコツ
週末の買い物のたびに、レトルト食品や飲料水を1〜2個多めにかごに入れる習慣をつけると、負担を感じずに備蓄量を増やせます。水や大容量の備蓄品は、持ち帰りが大変なので、通販でまとめて注文して届けてもらう方法も選択肢に入れておきましょう。
一度に1週間分をそろえようとすると出費がかさみ、続かない原因になります。数か月かけて少しずつ買い足す方が家計への負担も分散できるでしょう。買い足した分は棚の奥に置き、古いものから使う「先入れ先出し」を意識すると管理しやすくなります。
防災備蓄品の収納と管理のポイント
そろえた備蓄品も、収納場所が定まっていなければ、いざというときに取り出せません。キッチンや玄関、寝室などに分散して収納するのが基本の考え方です。
あわせて、乾電池や簡易トイレのように消費のタイミングが読みにくい品目の期限管理も欠かせません。ここでは収納場所の決め方と、期限を見落とさないためのコツを紹介します。
■防災備蓄の収納場所を決めておく
備蓄品は1か所にまとめず、キッチンや玄関、寝室など複数の場所に分けて収納しておくと、被災した場所や状況によらず取り出しやすくなります。
東京備蓄ナビでは、家全体を防災倉庫のように見立てる考え方を紹介しています。クローゼットの一角や収納ボックスなど、ふだん使うスペースに無理なく組み込む方法が示されています。特別な倉庫を用意しなくても、日常の収納の延長で備蓄は始められるでしょう。持ち出し袋は玄関など、避難時にすぐ手に取れる場所に置いておくと安心です。
■防災備蓄の賞味期限や使用期限の管理
備蓄品には賞味期限や使用期限を書いた紙を貼っておくと、確認の手間が減ります。
ローリングストックを実践していれば大きくずれることは少ないものの、乾電池や簡易トイレなど消費のタイミングが読みにくい品目もあります。半年に一度など点検の日をあらかじめ決めておくと、確認漏れを防げるでしょう。
防災備蓄品はどこで揃える?
ローリングストックや収納の工夫とあわせて考えたいのが、そろえる手段そのものです。防災備蓄は、量や種類の多さよりも、負担なく続けられるかどうかが大切になります。
水や食料、簡易トイレ、モバイルバッテリーなど、必要な品目を近くの店舗だけでそろえるのは難しい場合もあります。通販なら、水・食料・簡易トイレのようにジャンルの違う品目でも一度の注文でまとめて選べます。重い水や大容量の備蓄品も自宅まで届けてもらえ、店舗を何軒も回る手間や買い忘れを防ぎやすいのも利点です。
こうした通販の選択肢の一つが、au PAY マーケットです。水や非常食、簡易トイレといった防災備蓄品を取り扱っており、ジャンルをまたいでまとめて注文できます。便利な特集ページも用意されています。ふだんの買い物で貯まったポイントを充てれば、備蓄にかかる負担を抑えながらそろえられるでしょう。
日用品・文房具・手芸用品(防災関連グッズ)|送料無料商品やレビュー(評判)が多い通販 - au PAY マーケット
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まとめ
防災備蓄は、水1人1日3リットル、食料1週間分を軸に、家族構成に応じて量を調整することが土台になります。一度にそろえようとせず、ローリングストックで日々の暮らしに備蓄を組み込めば、無理なく続けられるでしょう。収納場所を決め、賞味期限を定期的に見直す習慣が、いざというときに慌てず動ける支えになります。
まずは今日の買い物で、2リットルの水を1本多めにかごに入れることから始めてみましょう。小さな一歩の積み重ねが、いざというときの安心につながります。




